アーバンライフの愉しみ

北海道札幌近郊の暮らしの様子をお伝えしています。

トルストイ著・望月哲男訳 「アンナ・カレーニナ」

2017年06月04日 | 名作読破PRJ

ドストエフスキーの「罪と罰」に続く名作への挑戦シリーズ。
全4巻2,150頁の大作。今回は集中して取り組んだこともあり、約3週間で読み終えることができた。

 

物語~政府高官カレーニンの妻アンナは、その美貌の故に社交界の注目を集めていたが、モスクワの駅頭で青年将校ヴロンスキーと会いたちまち恋に落ちる。一方、ヴロンスキーと婚約直前まで至っていた侯爵令嬢のキティは、失恋の痛手を癒すべく保養先のドイツへ向かうのだった・・・。

物語は、アンナを巡る不倫騒動に加え、地主貴族のリョーヴィンの生き方をめぐる問題やキティとの結婚など、当時のロシアの混沌とした社会情勢を反映して、重層的且つ、複雑に展開する。

いずれにせよ、その複雑な物語の展開と登場人物の多さには圧倒された。
また、トルストイ文学の特長でもあるのだが、神とは? 宗教とは? 人生とは? など、種々のテーマに対する哲学的思考は、読む側にも相応の負担を強いるものとなっている。

蛇足:読了後、2013年公開のイギリス映画を見たが、小説でイメージした人物像(特に、アンナ役など)とはかなり異なっていて、十分楽しむことができなかった。アンナを描いたとされるイワン・クラムスコイの「見知らぬ女」の方が小説のイメージに近いと思った。

尚、この絵は、2009年開催の「国立トレチャコフ美術展」で展示され、その際は「忘れえぬ女」と紹介されていた。絵の写真はウイキィから拝借しました。

コメント (2)