陽だまりの旅路イスキア

あ、slice of life…日向香を感じる日々の暮らし…

北野町想い出散歩

2023年07月13日 | slow value

ギャラリー島田を出て、久しぶりに北野界隈を散策して帰ることにする。

まずはハンター坂から北野坂へ出る。この北野坂、昔は通称“ヒルトン通り”と呼んでいた。坂の突き当りに同名の〇〇ホテルがあったからである。今はファッションホテルという類のホテルだ。あの当時、この北野町界隈は〇〇ホテル街といったゾーンであった。風見鶏ブームになってから北野は人通りが増えて、〇〇ホテル群は廃業を余儀なくされてゆく。

この北野坂には以前レトロっぽいビルがあった。三星堂の本社だ。そして山本通りとの交差点東角にはキャラバンというアパレル会社の本社があった。その角を六甲荘に向けて東進するとすぐ教会がある。神戸パブテスト教会である。この教会の外観は四十年経ってもほとんど変わっていない。そしてその向かいに昔の長谷工が建てたようなマンションがある。その地階(ここが一階だが段差があって階段を下りる)には数件の店舗が今も入っている。実はここがマイセンチメンタルスポットなのである。

この列の一軒の飲食店に私は学生時代、週末になるとアルバイトをしていた。卒業して会社に入ってもしばらくは続けていたから、十代後半から二十代前半までの青春時代の思い出の地なのである。その店は昼は喫茶店、夜はパブレストランとなる。名を“パイプライン”と言った。名前から想像する通りサーファーの店であった。夜になるとそのサーファーたちと一緒にカナディアンやUSの子などが集まってきた。当時は最先端のいけてる店だったと思う。週末になると神戸のサーファーたちが店に集まってくる。ウェストコーストミュージックのライブステージもあった。ジャクソンブラウンやイーグルスなどがよくかかっていた。皆そこでわいわい飲食してから、深夜になると四国や和歌山、遠くは御前崎までサーフィンに出掛けていった。恥ずかしいが当時は私も肩まで伸ばしたサーファーカットだ。今でも学生時代の卒業アルバムを見た人は私の髪型を見て驚くのが面白い。マスターは当時ツーシーターの黄色いフィアットに乗った髭のよく似合うサーファーであった。今はどうしているだろうか?現在、その店のあった場所は閉まっているようだ。植込みだけが当時の面影を少し遺している。ただその隣にあった喫茶店は今も営業していた。

そんな懐かしい思い出を巻き戻しながら、六甲荘の方へと歩く。面白いカメラマンのオブジェがあった。どうやらここは写真屋さんであるらしい。これも北野らしい景だな。

六甲荘に突き当たってから坂を下る。この坂に“SOAP”というバーがあった。知り合いが経営している店であるが、今はもう少し繁華街に近いダウンタウンで名前を替えて営業している。この界隈はとある電子系の専門学校がほとんどの土地を買ったようである。

北野町界隈は今は観光スポットとして定着しているが、やはりここは神戸らしいゾーンであることは間違いない。70年代、ダニーボーイやサテンドール、アティック、ランプポスト、キーウェストクラブなど風俗の最先端の店が結構あった。勿論今もそんな店は沢山存在するのだが、やはり私にとっては70年代の北野町界隈がセンチメンタルバリューである。

風まとふサリー涼しき北野坂

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