秋日和の京都。丸太町智恵光院にあるラーメン屋めん馬鹿一代へ。京都勤務時代からあるラーメン屋。もう二十数年振りである。午後1時半を廻った頃だったので並ばずに入店できた。
しかしここは外国人御用達のラーメン屋となっていた。カウンターにはずらり外人さん。その外人さんの隣には修学旅行生と思しき高校生が数人、先客でラーメンをすすっていた。
カウンターの席に着くと大将が何やら私に声を掛けてきた。しかし何を言っているか聞き取れない。「ラーメン下さい」と注文したら女性店員が私のことを「日本の方です」と。大将は私を外人さんと思って英語で話しかけていたのだ。しかし長い間生きてきて、日本の店で外人さんに間違われたのは初の体験であった笑。まあ間違われても致し方ない風貌である。どこかのアジア人の旅行者と思ったのだろう。
さて、ここの名物は何と言ってもネギラーメンに油を注ぐと火柱があがるあの演出。ハワイの紅花のような演出が売り物である。これは二十数年前から変わらぬ儀式。いろいろとその際の注意事項がバイリンガルで語られる。そして店員さんがカウンターの中から、お客のスマホを預かって、中から炎が上がる様を動画で撮影してくれるというサービスをしてくれる。私にも「撮影しておきましょうか?」と聞かれたので手持ちの撮影用ガラケーを渡すと「これは珍しいね。」と大将が言う。「ほっといてくれ!スマホも持ってるんやで」と心の中で呟く。
しかしここのラーメンはねぎラーメンの一種類のみ。それに焼き飯などのセットのオプションで値段が変わるシステム。ラーメン単体は何と二千円である。どこかの元サッカー選手が「日本のラーメンは安い。二千円でもいい。」と言ったが、正にその値段。ニューヨーク価格並である。それでもこんな丸太町智恵光院という不便な場所(失礼!)にも拘わらず外人さんがひっきりなしに訪れるのだ。これが京都の底力だと改めて思う。大阪や神戸ではこうはいかないかも。
いやあ、二千円のラーメンなんて普段は決して食べないが、外人さんに囲まれて食べる思い出深いラーメンとなりました。外人さんに間違われたことも良い思い出になるでしょう。
◇めん馬鹿一代 京都市上京区南伊勢屋町757-2 佐々木ビル