陽だまりの旅路イスキア

あ、slice of life…日向香を感じる日々の暮らし…

友との語らう送別の宴

2007年02月16日 | slow life

学生時代の友と飲む。

「もう俺たち、社会出てから
27年も経ったんやなあ。」

「あの学生時代の22歳時点よりも
その後の方が永くなったんや。」

「オカアサン、熱燗つけてえな。
もう生ビールはええわ。」

「あいつの嫁の○美やけどな…
学生の時からプライド高い女やったやろ
それがな。彼女、今スーパーのレジで
パートしてるんやて。
あいつが会社転職したからなあ?」

「へえ、厳しいんやなあ?
それにしても彼女がなあ?
でも夫婦仲良くやってんねんや。」

「広島には相談役のお付で年1回必ず行く。」

「ほんなら、そのときまた飲(や)ろか!
うまい牡蠣と酒置いてる店見つけとくわ。」

「楽しみにしとくで!」

造りとおでんの大根が
ことのほか美味かった今夜…。
最後は焼酎の湯割りで締めた。
たった二人の宴だったけれど
俺にはこれが一番合っている。
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東京の小糠雨

2007年02月14日 | slow life

朝一番の飛行機で東京に着いた。
気温が上がり温かい雨だったが
西では午前中には雨風が強くなったらしい。
列島で春一番が吹いたこの日
引継ぎの挨拶回りで出張した。
まず、白金高輪の出版社から
九段下のホテルへ。
目当ての広報担当者が、その日
ブルーレイ・ディスク・プレーヤーの
記者発表をするとかで詰めていた。
忙中の間をぬって挨拶を済ませる。
それから、小糠雨そぼ降る中を
靖国神社の境内を抜けて市ヶ谷方面へ
急きょ買い求めた傘を差して歩いた。

ついでと言っては叱られるが
「お参りでもしておこうか?」
後を引き継ぐ部長を伴って参詣した。

「今度、縁あって戦争の傷跡深い
広島へ赴任することになりました。
英霊各位のご加護を!」

さて部下は何を祈ったのだろうか?

市ヶ谷での挨拶を済ませ
一路、今度はタクシーで
青山一丁目の出版社へ。
うまく馴染みの責任者に会えた。
「広島に出張する仕事作ってね。」
「わかりました。
その時までにいい店見つけておきます。」
そこからメトロで大手町へ向かった。
ここでの挨拶回りを済ませ
すべての予定を終える。やがて
東京も風雨が激しくなってきた。
午後7時過ぎに空港に着いた頃には
かなりの風で横殴りの雨となっていた。
羽田では、到着便の遅れから
出発便が軒並み遅れだしていた。

これからは
あまり東京に来る機会がないだろうな…
と思ったらふと寂しさが心を横切った。

しかし、この春一番の雨風…。

「こんなに荒れたら未練も流れ去って
かえって気持ちいいかな。」

今日中に神戸に帰れたらいい。
気長に出発を待つことにしよう。
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新しい出会いが始まる日

2007年02月10日 | slow works

広島へ転任することになった。

家探しに出かけた。
新神戸からはのぞみで1時間20分ほど。
2時間圏だと思い込んでいたので
案外な時間的近さに驚いてしまった。

広島駅から在来の可部線に乗換え
ひと駅目の横川駅で下車。そこから
路面電車の電停横川駅へ乗り換える。(写真)
乗り方と方面が解らなかったので
並んでいる若い男の人に尋ねた。

「150円ですよ。降りる時に払います。」
と広島弁の親しみのあるイントネーションが
心地よくそして優しく耳に入ってきた。

「これからここで暮らすんやなあ。」

という最初の実感を覚えた一幕目となった。

ここから土橋駅へ向かい、そこで降りる。
連絡しておいた街の不動産屋へ。
今回、あえて大手の会社は選ばなかった。
応対したのは、30歳前後の
はつらつとした可愛い女性だった。
どうやらここの孫娘らしかった。
初めて電話をかけた時、彼女の
その応対にとてもにいい印象を感じた。
明るくて積極的だった。
今は仕事が楽しくて仕方がない
といった気持ちがオーラみたいに伝わってくる。
こういう人から人は物を買いたいと思うだろう。
誠実でまっすぐな、まさに印象通りの娘だった。

「あ!広島っていいな。」

の二幕目であった。早速
車で物件を案内してくれた。

「神戸って素敵ですよね。私も大学は
神戸に行きたかったんですけど…
親に広島から出してもらえなくて。
今でも神戸は憧れの街なんです。」

車で何軒か見て回ったが、結局
最初に案内されたお薦めの物件に決めた。
間取りの絵と地図でこちらも
ここにしようと思っていた物件だった。
平和公園へは橋を渡ってすぐだし、
スーパーも目の前で生活にも便利だ。
繁華街へも散歩がてら歩けるし
なにより会社へも近いのがいい。

家探しで最初に出会った広島の人たちが
とてもよい感じだったという幸運。
平和公園のすぐ隣で、間取りも
希望通りの住まいが見つかったという幸運。
始めにこうした幸運が重なると
これから数年の広島暮らしが
とてもわくわくとして楽しみになってくる。
家族には二重生活を強いてすまなく思うが
神様がこうして新しい出会いと
機会を与えてくれたことに
感謝しなくてはいけないと思う。

三月からは広島からの便りを
楽しみにしてくだされば幸甚です。
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変わりゆく御影

2007年02月01日 | slow life

朝、阪神御影駅で毎日特急を待つ。
電車が駅に滑り込んでくる合間に
六甲山を何気なく眺めるのが好きである。
ふと見やって、北に山がないと
神戸っ子は何故か落ち着かないのだ。

目の前では駅前再開発で
御影工業高校の解体作業が
いよいよ本格的に始まった。
ダンプにユンボたちが次々と校庭に進入。
まるで戦闘部隊のように陣取っていた。
運動部が結構強かったこの高校の校庭で
早朝練習をしていた高校生の姿を
見かけなくなって久しい。
神戸市が持つ最後の一等地と言われる
この跡地には高層棟が建つと言う。
阪神百貨店が入るのは少し嬉しい。
この頃スーパーで魚を買う気がしないのだ。

“御影”とは、阪神御影駅の南側にある
「沢の井」と呼ばれる井戸で、その昔
神功皇后がお姿(御影)を映されて
お化粧をされたことが由来となって
その地名になったと言われてる。
御影…。みかげという美しい響き
その語感に加え、その字体も結構好きだ。
南の海に近いところに点在する灘の酒処
御影郷では、松と共に木の香りが息づく
昔の面影がまだ息づいている。

御影の面影を追っても
どんどん変わりゆく御影の姿。
そんな御影を六甲の山並みだけが
変わらずにいつまでも見続けている…。
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