陽だまりの旅路イスキア

あ、slice of life…日向香を感じる日々の暮らし…

大山崎の落陽

2005年10月31日 | cocoro

バイパスを走っていたら、大山崎あたりの山に沈む陽。
思わず携帯電話のカメラのシャッターを切る。

ああ、黄昏はなんでこんなに美しいのだろう。

  “九龍のホテルのバーで
  ツアー仲間の日本人とスコッチを飲みながら
  経済大国の黄昏 中国の夜明けなどを
  夜更けまで論じ合った
  もう暮れてしまった アメリカの
  パスポートを持つ僕の主張は
  ただ「黄昏の方がきれいだ」というもの”

   ■アーサー・ビナード氏の詩より
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テイスティング ナイト

2005年10月22日 | slow life

ホテルで開催された「秋のワイン祭」に参加。
200種類のワインがテイスティングできる。

会場は沢山の人で溢れていた。
会社帰りの30代の女性がやはり多い。
ワインとグルメ文化を支えている彼女たち…。

立食形式のテーブルで皆思い思いに
テイスティングを楽しんでいる。
居合わせた隣の女性陣に熱心に
ワインの薀蓄を披露して悦に入っている
男性たちもちらほら。

あれこれ試飲するとごちゃまぜに飲みすぎるので、
ここは大好きなシャブリに決めて、
各ワイン商のそれを飲み比べることにした。
こうするとシャブリでも
明確にいろいろ違っているのが判る。
アロマの立つシャブリ、清冽なシャブリ…。
辛いだけのシャブリ…。
結局、最初に立ち寄った
某洋酒メーカーのものが一番合った。
どちらかというと清冽で水のようなテイスト。
ウィスキーで言うところの
「何も足さない、何も引かない」感が好みである。

思えばバブル経済いよよ華やぐ?少し前、
この会社を担当していた頃に覚えたワインである。
ある年末その会社の忘年パーティーが
ワインスクールで開催された時
シャトーマルゴーやシャトーラフィットロートシルト、
グラーブのシャトーオーブリオンの白なんかを
テイスティングさせてもらったのが懐かしい。

今は安いテーブルワインが日常の日々。
三千円クラスのワインなんてすら
ハレの日の飲み物だから今は昔である。

さて来月はボジョレーの季節がまたやってくる。
今年も空前の輸入量とか。その季節
生来天邪鬼な私は、とある場末の居酒屋で
熱燗をちびりちびりと、やっているかも知れない…。

 テイスティングお気に入り銘柄
  ■ウィリアム フェーブル シャブリ 2004
  ■塩尻ワイナリー塩尻 信州メルロ2003
  ■バロンドロートシルト サガRボルドー 赤2001




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10月の空 

2005年10月18日 | cocoro

10月の空は じっと見ていると
吸い込まれそうな気がして好きである。
鳥のように天高く飛んでいきたい気分にさせる空。
空というより宙といったほうが感覚的には近い。

「予定調和の話だけどリリーフランキーのファンの私。
東京タワー二回読んで二回泣きました。
是非読んで下さい。」

永年来の友からこんなメールが突然入ってきた。
いつも唐突な女(ひと)である。
送信先にはメールアドレスが一杯連ねてある。
こういうことを斟酌しないのが彼女である。
それがこの女(ひと)のいい所かもしれない。

もう30年も前のこと
コピーライター養成講座のスクーリング…。
東京で彼女と知り合った。
当時コピーライターを目指して
厳しい添削に汗を流した同志だった。
白いワンピースの眩かった彼女とは以来
思い出したように連絡がある不思議な人である。

特別縁を繋いで行こうと思ったわけではないが
不思議と切れずに続く人ってのはいる。
逆に繋がっていたいと強く思っても
去られてしまうさだめもある。

高松と神戸。地理的にも心情的にも
ちょうどよい頃合いだったのかもしれない。
距離感って確かにあると思う。

で、そこまでメールで言うのならと早速読んでみた。
こういうはばかることのない熱意は大好きなほうだ。
泣くのかなぁ、なんて思いながら読んでいた。
やはり最後の数十ページでぼろぼろ泣いてしまった。

母への想い。家族への思い。
男はいつまで経っても
「おふくろさん」なんだなぁ…。

あいうえ、おかあさん かきくけ、こども。
さしすせ、そふぼ たちつて、とうさん。
なにぬね のんきな はひふへ、ほうむ。
(出典知らず)

かれこれ思う10月の空だった。
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病院に咲いた曼殊沙華

2005年10月05日 | slow life

先月、母の病院に付き添っていた時のこと。
診察まで待ち時間がたっぷりあったので
新しくなったその病院内をぶらり探索していたら
中庭が設えてあり、そこに咲いている赤い花を見つけた。
おや、曼殊沙華である。彼岸花ともいう。
あの田圃によく咲いている秋の花だ。ただ、
その花が病院内に咲いていることに
妙な違和感を抱いた。

仏教でいう曼殊沙華とは、
「天界に咲くとされる想像上の花で、
色は白く鮮やかで、諸天はこれを自在に雨ふらせ、
見る者を強剛の三悪業から離れさせるとされる。」
と書いてある。

きっと何らかの深いメッセージを込めて
誰かが植え込んだのだろうか?
中庭でくつろぐ患者さんたちは気にする風でもない。
どうやら気にしているのはこの私だけなのかも。
秋の風物詩でもあるこの花、嫌いじゃないけれど、
やはり病院で見るのは少し勘弁して欲しいなと思った。
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金星台の鍵

2005年10月04日 | slow life

10月になった週末、神戸の景色が見たくなって、
ヴィーナスブリッジのある金星台へ登る。
神戸元町駅から県庁へ向かって北上。
県庁あたりは緑が多く
落ち着いた神戸らしい雰囲気が漂う。
菊花で有名な相楽園の脇を抜け諏訪山の坂を登る。
途中、柿の木があった。実はまだ青い。
秋の深まりとともに柿も色づくのだろうな。
しかし10月にしては気温が高くすでに汗ばんできた。

山道を登りヴィーナスブリッジにたどり着く。
標高は低いがここから見る神戸の景色は
こじんまりしていて港が手に取るようである。
そして何よりエキゾチックKOBEのシンボル的存在
あの美しいビーナスブリッジ!をイメージしていたが…。
よくみると橋には真鍮の鍵が雲霞の如くいっぱい
ぶら下がっているではないか。ほとんどが南京錠だ。
聞くところによるとこれは恋愛祈願の「愛の鍵」。
鍵に願をかけたカップルは固く結ばれるという
南京錠伝説なるものがあるらしい。
そんなカップルのことをロックカップルというとか。
若者に人気のある有名なミュージシャンが
コンサートで紹介し一気にブームとなったようだ。
鍵は4000個にも上るという。

ひとり女性がこのヴィーナスブリッジから
眼下のミナトを眺めながら別れても好きな人を想う…
なんてドラマが数多くあったであろう
この詩情溢れた金星台のヴィーナスブリッジも、
無粋な南京錠にロック占拠され…。

ヴィーナスよ!
貴女はいったいどこへ消えてしまったのだろう。
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