陽だまりの旅路イスキア

あ、slice of life…日向香を感じる日々の暮らし…

わたしの酒呑録 蒜山ワイン

2020年07月31日 | eau de vie

広島土産と言ってワインを頂きました。
でも裏のラベルを見ると「ひるぜんワイン」と。
「これ蒜山だから岡山土産ですよ。」
「あら、広島で買ったのに。」
ハハハ~とお互い笑ってしまいました。

ひるぜんワインは日本固有種である
「ヤマブドウ」から作られたワインなのだ。
そしてオーク樽で熟成させているのだ。
知らなかったが調べるとそう書いてあった。

三座の赤。ワイングラスに注ぐとふわっと香る。
口に含む。欧米にはないおとなしい口当たり。
日本のワインは総じて淡い優しい味わいが多い。
日本料理もそうだが、日本の味というのは
優しい繊細な滋味が特徴。このワインも然り。

美味しくいただきました。

■農業生産法人 ひるぜんワイン有限会社
岡山県真庭市蒜山上福田1205-32
コメント

幸せ昼ごはん 日替弁当

2020年07月30日 | slow gourmet

再び新型コロナの感染が増えている。
大阪は五人以上の会食は控えるよう
お上からのお達しが出た。

二人以下のランチなら問題ないか?
ということで久しぶりにseriさんと
南森町で待ち合わせ。
良かったという小料理屋のお昼を頂きに。

昼は日替りの一種類だけ。注文の手間が省けてよろし。
この日は焼き鯖であった。出てきたものを見ると
真っ黒だったので心配したが、さすが割烹料理屋だ。
香ばしくてジューシーな焼き鯖であった。

話題は最近の仕事についての情報交換。
やはりコロナの影響で老人ホームなどの
コンサル訪問がすべてストップ状態という。
今はとある会社の社内報の取材・編集がメインとか。
久しぶりに、かつての編集子に戻って
今まで社員に任せっ放しにしていた現場の仕事を
結構初心に戻って楽しんでいるご様子であった。

■旬味 やま川
大阪市北区紅梅町1-11 伊沢ビル1F
コメント

雇用崩壊

2020年07月29日 | tete a tete

新型コロナ感染拡大の雇用への影響が
じわじわと身近にも忍び寄ってている。

国際労働機関(ILO)によると
この4~6月の期間でフルタイム労働者
4億人の労働が失われたと言う。そして
次は「9月危機」と言われている。

雇用調整助成金の特例終了が9月に来る。
その助成金を原資に自宅待機者の雇用を
維持してきた企業が、耐えきれず
大量解雇に踏み切るのではというのが
9月危機である。

特に飲食業や宿泊業では、平均給与の
6割を支払うことで待機者の雇用等を
繋ぎとめていると言う。そしてその生命線
である原資こそが雇用調整助成金なのである。
それが期限切で打ち切りとなると
解雇に踏み切れざるを得ないと言うのだ。

現在423万人もの休業者がいるという。
雇用は維持されているが、自宅待機状態の
方々のことで、その数は完全失業者の2倍以上だ。
これらの人々が一斉に解雇となったら…!?

そんなケースではなくとも、一般企業でも
売上のかなりのダウンで、リストラを
せざるを得ない。そんなケースが身近に
起き出している。決して他人事ではない。

全世界で見ると、非正規を含むいわゆる
非公式労働者と言われる人々は20億人。
これらの人々が雇用の安全網の外側にいる
というのだ。
この20億人が職にあぶれてしまったら!?

こんな数字を突き付けられてしまうと
オリンピックなんてやっている場合か
なんて思わず思ってしまう。

考えるだけも恐ろしい。これ以上は
考えるのは先送りしてしまいたい…。

(資料引用は日経ヴェリタスより)
コメント

オイルサーディン今昔

2020年07月28日 | slow gourmet

スーパーマーケットに蹤いてゆくときは
あちこちの陳列をどうしても眺めてしまう。

陳列されているその品揃えを見ていると
そのスーパーの意気込が判る。ていうか
スーパーと客がそれぞれ啓発し合った結果が
その陳列に現れるのだと私は思っている。
POSデータの売れ筋だけで陳列している。
そんな店は私に言わせると駄目だ。
陳列は客とバイヤーたちの出会いの場だ。
素晴らしい一品に出逢ったときは嬉しい。
さすがプロの目利きだなと思う。
この店、仕事に誇りを持ってるなと思う。
レジ係は言う。
お客さんは良い商品をよく知っていると。

さて、おやっと思って立ち止まった陳列棚。
オイルサーディンが並ぶ棚であった。

学生時代、アルバイトしていた北野のパブ。
神戸では有名なサーファーが集まる店だった。
週末、超忙しい時は私も厨房に入って
オイルサーディンをよく調理した。
缶の蓋をぐるぐるっと巻き上げて、そこに
香辛料を振って熱っしてレモンスライスを置く。
それだけだったが、これがまた抜群に旨かった。
1970年代のこと。勿論舶来品だった。国産品で
オイルサーディンはあまりなかったように思う。

こんな劇画タッチや漫画タッチの意匠の
オイルサーディンもあるなんて。
なんか時代を感じてしまった。それにしても
スーパーの陳列に初老の男がじっと眺めている。
変なおじさんだと思われているのだろうな。
コメント

BAR文化の終焉か

2020年07月27日 | slow value

あまりBARに行かなくなった。
コロナ感染が云われ出してからは
とんとご無沙汰している。

掲出の写真は、今はもう存在しないが
阪急六甲にあった超素敵なBAR。
閉店してからもう何年経つだろうか?
六甲ギャラリーの少し西に行った
マンションの一階にあった。
阪急六甲らしい雰囲気と客層の店だった。

今、コロナでこういう個人経営の
テイスト豊かな店がどんどん
休業、閉店を余儀なくされている。
IT化が一気に進むのは、効率を求める
社会にとっては追い風なのだろうが
私たちの暮しの中にあっては、それは
ある意味では逆風であると私は思う。

いつの時代でも、消えてゆくもの
取り遺されてゆくものが存在する。
それらに目を向けてその心に寄り添う
ことも必要ではないか?
単なるノスタルジーではなく文化として。
けだし、そう言う奴も取り遺されてゆく
運命(さだめ)にあるのかもしれない。

わたしの好きな詩の一節を…。

“九龍のホテルのバーで
ツアー仲間の日本人とスコッチを飲みながら
経済大国日本の黄昏  中国の夜明けなどを
夜更けまで論じあった。
もう暮れてしまったアメリカの
パスポートを持つぼくの主張は
ただ「黄昏の方がきれいだ」というもの。 ”
          アーサー・ビナード
コメント

コロナ・ロス

2020年07月26日 | tete a tete

梅雨の最後の追い込みのような雨。
本当なら東京オリンピックが始まっている。

今の日本のコロナ感染状況を思えば
オリンピックどころではないが
当時はなかなか判断がつかなかった。
つまりその時の判断というのは
それが良いのか、いや悪いのか
後になってみないと誰にも解らない
ということだ。

さて四連休であるがどこにも行かない。
会食で感染が広がっているのも嫌な感じ。
句会にしても参加人数が戻って来ない。
遠方の地方の俳人たちは出て来れないという。
もしも感染したら戦犯ものだと言うのだ。
また高齢の方も感染が怖いので出て来ない。
だが自粛している内に、気力も衰えて
そのまま引退となる人もいると聞く。
コロナも恐ろしいが、それによって
いつもの生活のリズムが崩れることが
じつは問題である。
つまりコロナロスが一番恐ろしい。
コメント

夏の花 百日紅

2020年07月25日 | nonoka

百日紅(さるすべり)があちこちで咲いている。
白に紅、そしてこのうす紫も。この花が咲くと
長そうで短い夏がまたやって来るんだなと思う。
百日紅、木槿(むくげ)、凌霄花(のうぜんか)
夏の花たちは強い日射にまるで命を燃やすかに
咲き続ける。厳密に言うと咲いては散っているのだが。
全体の房でみると、ずっと咲き続けているように
見えるのだ。こういう咲き方が、如何にも
夏の花だなあと思ってしまう。

散れば咲き散れば咲きして百日紅 千代女
コメント

久々の姫路

2020年07月24日 | slow life

久しぶりに姫路へ。
駅前のピオレ姫路の2階テラスから
大通りを眺める。正面にはでんと姫路城。
この景は遠近法の線が城へと焦点を合わすので
街の景観としてはとても美しい景である。
城の白さは改修から月日が経ってか
白さもだいぶんと落ち着いてきたように思う。

とある会社へ向かう途中にまねき食品がある。
ここの敷地にあの駅そばを喰わせる小屋があった。
14時迄だったので食べられなかったが、今度は
一度ここで姫路名物の駅そばを食べてみよう。
この先を少し東へ進むと御座候の本社がある。

ここ姫路もコロナの影響で外人さんたちを見かけない。
最近、私の身近でもコロナ不況の話を頻繁に聞くように
なってきた。経済情勢はどんどん厳しくなっている。
オリンピックどころの話ではなくなるかもしれない。
そんな風にも思えてくる。
経済が安定してこその我々の日常、暮しなのだ。

列島に梅雨前線動かざる
コメント

梅雨茸Ⅱ

2020年07月19日 | nonoka

小雨の中、北浜から淀屋橋へ川沿いを歩く。
リバーサイドの遊歩道を歩きたかったが
大川は護岸工事中で立ち入り禁止であった。

中之島公会堂を右手に大阪市役所へ。

市役所の南、けやきの歩道の植込みの
木の根元に、大きな白い傘の菌(きのこ)が
一本、にょっきりと生えていた。
童話に出て来るような形の菌である。
これは何と云う名前の菌だろうか?
しかし見事なまでのきのこっぷり。

誉めてあげました。
コメント

七月の読書 神戸・続神戸

2020年07月18日 | slow culture

“昭和十七年の冬、私は単身
東京の何もかもから脱走した。
そしてある日の夕方
神戸の坂道を下りていた…”

実はわたし、ひそかな三鬼ファンである。
密かにと云うのは、私は伝統俳句系だから
あまり声高に言えないのである。もちろん
彼の俳句も好きだが、それよりも彼自身の
生きざまに強い憧憬がある。そしてそれは
このエッセイによって益々補強されたのだ。

西東三鬼(1900-1962)は
東京から逃れるように神戸に来て
昭和十七年から十四年間神戸に暮らした。
その間の戦前、戦中、戦後の神戸の暮しを
淡淡と描いた写生文がこの「神戸・続神戸」だ。

神戸のトーアロードにある奇妙な国際ホテル。
ここを常宿とする外国人とバーのママ、娼婦たちの
人間模様を描いた作品である。後半、三鬼は北野の
異人館に居を移すのだが、そこでも米兵や三鬼を
訪ねてくる色んな人間たちの人生模様が描かれる。

一気に読んでしまった。こんな俳人を私は知らない。
三鬼はとてもじゃないが品行方正な来し方ではない。
娼婦と同棲はするし、頼まれて隠し子を作ってもいる。
写生文とはいえ、赤裸々に描かれたその生きざま。
私の阿保さ加減を曝したいからだと本人は言っている。

おそるべき君等の乳房夏来る 三鬼

この三鬼の有名な句も、このエッセイを読むと
あの時代の神戸の街角に立つ常宿の女たちの
映像が見えてくるのである。

“港神戸にしか存在しなかったコスモポリタニズムが
新興俳句の鬼才の魂と化学反応を起こして生まれた
魔術のような二編。”

正に!これほどの文を書く俳人を私は知らない。

■神戸・続神戸 西東三鬼著 新潮文庫
コメント