ま、いいか

日々の徒然を思いつくままに。

「天国でまた会おう」「炎の色」

2019-02-28 23:39:40 | 

 

「天国でまた会おう」 ピエール・ルメートル 早川書房 2015.10.10

 

続編らしい「炎の色」を読む前に再読。

ゴンクール賞。

 

膨大な犠牲者を出して、第一次世界大戦は終わった。

真面目な青年アルベールは、戦争で職も恋人も失ってしまう。

画才に恵まれたエドゥアールは顔に大怪我を負い、家族とのつながりを断つ。

戦死者は称揚するのに、生き延びた兵士たちには冷淡な世間。

支え合いながら生きる青年たちは、やがて国家を揺るがす前代未聞の詐欺を企てる。

 

恐怖、禍々しさ、卑しさ、悲哀、打算、青年たちの苦悩ーー

随所に滑稽さがある。

 

サラッと読める本ではないので、手に取るまで逡巡したが、

読み始めたら、ほぼ一気。

 

 

「炎の色」 ピエール・ルメートル 早川書房 2018.11.20

 

「天国でまた会おう」は三部作で、これは第二弾とのこと。

 

1927年、一大帝国を築き上げた実業家が死んだ。

その長女マドレーヌ・ペリクールは、

幼い一人息子ポールとともに、父の莫大な遺産を受け継いだ。

 

「天国でまた会おう」で

アルベールとエドゥアールの人生を狂わせたアンリ・ドルネー=プラデルは、

マドレーヌの夫であり、ポールの父親でもあるが、

既に失脚している彼は、最後にチラッと仄めかされるのみ。

 

さて、父の葬儀の日、事故に遭ったポールの看護に努めるマドレーヌは、

自らを取り囲む悪意に気づかなかったーー。

やがて裏切られて地位も資産も失った彼女は、復習を決意する。

 

ストーリーの流れに乗るまで時間がかかった (^^;

中ほどからは、やはり一気読み。

 

是非とも読みたいダン・ブラウンやジェフリー・ディーヴァーほどではないけれど、

第三部も楽しみだ。

 

因みに「天国でまた会おう」は映画化されて、この春に公開されるらしい。

 

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「ふたりぐらし」

2019-02-27 23:52:25 | 

 

「ふたりぐらし」 桜木紫乃 新潮社 2018.7.30

 

元映写技師の夫、信好。

母親との確執を解消できないままの妻、紗弓。

一緒に暮らすと決めたあの日から、少しずつ幸せに近づいていく。

そう信じながら、ふたりは夫婦になった。

 

ささやかな喜びも、小さな嘘も、嫉妬も、沈黙も、疑心も、愛も、死も。

ふたりにはすべて、必要なことだったーー

 

 母はたぶん、狡猾な表現を好まぬゆえに直線的なのだ。自分に正直、とはなんと言い得て妙な表現だろう。正直の矛先ひとつで、ひとはいくらでも残酷になれる。

 

 決して祝福される関係ではなかった男と二十四年も付き合えたのは、ひとりで食べて行けるだけの仕事があったからだ、と彼女は言った。

「ひとりで食べて行けるって、けっこうな落とし穴だったのーー」

 

ずっと家族がいなかった岡田が言う。

「自由ってのはあんがい寄る辺ないものなんだな」

 

「健やかな年寄り」という言葉が似合いそうなタキが笑いながら言う。

「年を取れば、どんな諍いも娯楽になっちゃうんだから」

 

そんな風に軽やかに達観できる日が訪れるだろうか……。

 

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「真夜中の子供」

2019-02-26 08:53:48 | 

 

「真夜中の子供」 辻仁成 河出書房新社 2018.6.20

 

「真夜中」を生きる無戸籍の少年・蓮司。

喧騒と神事・山笠の熱気が包むこの街に、

少年は自分だけの王国をつくることを選ぶーー

 

よき理解者でテント暮らしの源太、心優しい客引き・井島、

お腹を満たしてくれるスナックのママや屋台の主人、憧れの山笠の重鎮・カエル、

兄のような存在の平治、警察官の響、そして中洲育ちの少女緋真(ひさな)ーー

土地と人とに育まれ、少年は強く成長していく。

 

なんだろう……

この、モヤモヤした、スッキリしない読後感は……

嫌な感じではないけれど。

 

完全に幼児虐待と言える両親でも、それしか知らない子供はそのまま受け入れる。

とんでもない環境に育ちながら、それなりにまっすぐで、

周りの人に恵まれる……

あり得ないような設定が、モヤモヤの一因かも。

 

陰湿な虐待がある家の中にいるよりも、

放任されて外をフラついている方が、周囲の大人の庇護を受けやすくなる、

というような……

 

ふと、『サラリーマン金太郎』が浮かんだ。

カエルさんや源太に、裏社会で莫大な勢力がある中村ばあさんが重なって。

そういえば、美鈴ママの雰囲気を持つクラブのママもいるし (笑)

 

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むち打ち症

2019-02-24 23:43:26 | 老い・病気・社会保障

 

1ヶ月ほど前、追突された。

後部座席に乗っていて、シートベルトは締めていた。

 

自專道から一般道に出る所で、左右確認のために停車していたとき、

後ろからドンときて、その瞬間、右腕の肩から指先にかけて衝撃が走った。

 

気象状況が悪く、事故が多発していたらしい。

警察が来るにも、保険屋の対応にも時間がかかった。

ぶつけた相手は若く、狼狽してひたすら平身低頭

 

右腕のシビレは、一晩寝たら消えていた。

こんなもんかと思っていたら……

数日後に首と左腕が痛くなった。

なんとなく全身がダルかった。

 

保険屋さんに言われるまでもなく、かかりつけの整形外科に行った。

MRIでもわからない。

頚椎捻挫で神経がやられたようだ。

右半身と足腰は大丈夫。

 

とりあえず薬と湿布で様子見して、2週目から電気もかけて、

4週目にようやくリハビリに入った。

 

直接頚椎を動かすのではなく、骨盤の運動だ。

骨盤を横や前後に緩やかに動かすと、背筋や背骨、ひいては頚椎に繋がるらしい。

 

数日続けたら、だいぶ楽になった。

日にち薬が効いてきたのかもしれないけど (笑)

 

未だに、左腕を肩より高く上げると痛みがあって、

ましてや、上げ続けたり、物を持ったりするのはキツイ。

 

で、一番不便を感じるのがシャンプー。

しばらくは美容院に通った。

わざわざ行くのも面倒で、少し前から自力でやってるけど、

殆ど右手だけでっていうのはかなり大変。

思い切り短くカットしようかと思うくらい (笑)

 

普段は意識しないけど、

左手の有り難さと、

身体が何気に左右のバランスをとっていることを

痛感している今日この頃だ。

 

少しずつ良くなってるのは、わかる。

リハビリできるようになると、1・2週間で治る人もいるとか。

もうちょっとの辛抱と思う、、、願わくは。

 

 

 

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「野生のロボット」「トンネルの向こうに」

2019-02-23 22:10:15 | 

 

図書館の新刊コーナーにあった児童書を2冊、一気読み。

 

 

「野生のロボット」 ピーター・ブラウン 福音館書店 2018.11.15

 

挿し絵も著者。

 

嵐で難波し、海に投げ出された荷物。

一つの箱だけが壊れずに、無人島に漂着した。

中身はロボット。

 

ラッコたちが近づいた。

スポンジをむしりだした。

一匹のラッコの前足が、ロボットの頭の後ろについている小さいボタンにさわった。

カチッ。箱の中で何かが始まった。

ラッコたちは気がつかない。

でも間もなく、ブーンと何かが回転するような小さな音がきこえてきた。

ラッコたちは、ぴたりと動きを止めて、ロボットを見つめた。

ロボットが目をあけた。

「こんにちは。わたしはROZZUNM7134型です。ロズとよんでください」

 

無人島に流れ着いたロズは、生きていくために、

まわりの野性動物たちのまねをすることを学んでいく。

 

はじめはロズを怪物よばわりしておそれていた動物たちだったが、

卵から孵ったガン・キラリを育てるロズに次第に心をひらいていく。

 

泳ぐことも飛ぶこともできないロズだが、キラリはママと慕う。

変わった家族だとからかわれることもある。

「でも、ぼくはこのままがいい」

 

 

「トンネルの向こうに」 マイケル・モーパーゴ 小学館 2018.11.25

 

原題は   AN  EAGLE  IN  THE  SNOW     2015

訳 杉田七重

 

第二次世界大戦、戦闘機に追われて

トンネルの闇に逃げ込んだ汽車の中で語られた不思議な物語。

 

第一次大戦で見逃した兵士がヒットラーだった……

正しいと思ってしたことが、実は人生最悪の過ちだとわかったら……

 

 

 

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