「おらおらでひとりいぐも」 若竹千佐子 河出書房新社 2017.11.30
第158回芥川賞。
芥川賞作品はいつも図書館の文藝春秋で読む。
とりあえず少し読んで、そこでやめたり、一気読みしたり…
この作品は読まなかったのだが、
タイミング良かったのか悪かったのか(笑)
単行本を借りることになってしまった。
借りたからには読まなくてはいけない(^^;
因みに作者は1954年、遠野市生まれ。
岩手大学卒業、63歳デビューとのこと。
岩手といえば、柏葉幸子さんや高橋克彦さんが浮かぶ。
彼女も岩手在住なのだろうか。
題からわかるように、東北の方言が連発。
一つの地域だけとは思えないほど様々な方言が、味わいをそえている、かな。
故郷を飛び出し、身一つで上野駅に降り立ってから50年。
住み込みのアルバイト、周造との出会いと結婚。
二児の誕生と成長、そして夫の死。
40年住み慣れた都市近郊の新興住宅地でひとり暮らす桃子さん。
「この先一人でどやって暮らす。どうすんべぇ」
P51
母親は何度も自分に言い聞かせるべきなんだと思う。
自分より大事な子供などいない。
自分がやりたいことは自分がやる。子供に仮託してはいけない。仮託して、期待という名で縛ってはいけない。
P100
死ぬことなど何にも恐れないと普段は豪語している。だがその一歩手前の衰えが恐ろしい。自分で自分を扱えなくなるのが死ぬUり怖い、
P138
独りは寂しさが道連れだよ。
桃子さんが伝えたかった思いとはちょっと違うかもしれないが、
どこかでみた "なんくるないさー" という言葉を連想した。