ま、いいか

日々の徒然を思いつくままに。

「ひむろ飛脚」

2023-09-29 09:57:11 | 

 

「ひむろ飛脚」 山本一力 新潮社 2023.5.30

 

嘉永6年(1853)元日、

異例の暖冬に加賀藩は弱りきっていた。

この夏の重要行事である将軍への「氷献上」に不可欠な氷が全く作れないのだ。

ひと月後、信州の旅籠の氷室で見つけた氷には、80名以上もの先約が。

事態を打開するため御用飛脚宿「浅田屋」の面々が立ち上がる。

 

氷の確保、献上日の調整、他藩の説得、新しい氷室の普請、熊との遭遇など運搬中のアクシデントーー

度重なるピンチに対応し、考え続ける。

 

金沢と江戸本郷上屋敷との間は、およそ145里(570km)

参勤交代での加賀藩は、おもに北国街道から中山道を使ったが、

季節と天候次第では、関ヶ原にでたあと東海道を上ることがあった。

いずれの道筋でも、参勤交代では20~25日の日程を要した。

三度飛脚は、その道程を早便ならわずか4日で結んだ。

 

この作品では、信州追分から前田家まで氷を運ぶ。

飛脚たちを振り分けて、旧暦5月26日午後6時に出発、28日午前7時到着。

氷が溶けないよう、道中走るのは陽が落ちてから、翌朝の夜明けまでーー闇の山道は危険だ。

 

いつも思うことだが……

どのくらい史実が含まれているのだろうか……

 

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「不思議カフェNEKOMIMI」

2023-09-13 10:42:14 | 

 

「不思議カフェNEKOMIMI」 村山早紀 小学館 2023.1.30

 

ああ、村山さんだーー

ほんのり温かい……

 

毎日こつこつと働き、余暇には本を読み、紅茶を淹れて音楽を聴く。

つつましく生きてきた律子に人生の終盤、奇跡が訪れる。

 

時の狭間の中で忘れられてゆくような、忘れられてきたような、

小さな祈りや命をひとつひとつすくい上げてゆく……

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