ま、いいか

日々の徒然を思いつくままに。

「あきない世傳 金と銀12」

2022-12-17 08:41:59 | 

 

「あきない世傳  金と銀12 出帆篇」 髙田郁 角川春樹事務所 2022.2.18

 

浅草田原町に「五十鈴屋江戸本店」を開いて十年。

藍染め浴衣地で江戸中に知られる五十鈴屋ではあるが、再び呉服も扱えるようになりたい、というのが主従の願いであった。

仲間の協力を得て道筋が見えてきたものの、決して容易くはない。

因縁の相手、幕府、そして思いがけない現実。

しかし、帆を上げて大海を目指す、という固い決心なもと、幸と奉公人、そして仲間たちは、知恵を絞って様々な困難を乗り越えて行く。

 

「衣装は暑さ寒さからひとを守り、そのひとらしくあるためのもの」

 

江戸時代、22歳で「桃園院」が崩御したさい、まだ幼い皇嗣に替わって実に120年ぶりに女帝が誕生した。

そのときの幸とお竹の会話。

「今回、即位しはったおかたは、そのぼんぼんが大きいになるまでの、『中継ぎ』やそうだすのや」

「跡目を継ぐ者にしたら、『中』も『仮』もない、あるのはほんきだけやのになぁ」

(略)

「女であることが枷とされる限り、息苦しさから逃れられないのかも知れません」

「ただ、男であれ女であれ、今の世を生きるものは皆、後世への中継ぎに過ぎないとも思います(略)」

 

 

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