「第五の権力」 エリック・シュミット/ジャレット・コーエン ダイヤモンド社 2014.2.20
THE NEW DIGITAL AGE Reshaping The Future of People,Nations and Business
櫻井祐子:訳
副題は
Googleには見えている未来
エリック・シュミットは1955年生まれ。2001年~2011年までGoogleのCEO。経歴もすごい。
ジャレッド・コーエンは1981年生まれ。Google Ideas創設者兼ディレクター。史上最年少の24歳で
米国国務省の制作企画部スタッフに採用され、2006年~2010年まで、ヒラリー、ライス両国務長官の
制作アドバイザーを務めていた。両者とも、華々しく活躍している。
インターネットは、人間がその手でつくっておきながら、
まだ十分に理解することができていない、
数少ないものの1つである。
インターネットの世界はつかみどころがなく、
絶えず変異をくり返し、ますます巨大で複雑になっている。
そして、とてつもない善を生み出すとともに、
おぞましい悪をもはらんでいる。
このインターネットが世界に与えるインパクトは、
ようやく眼に見えるようになってきたばかりだ。
と、表紙の裏にあった。
そして最初に
国家権力は立法・司法・行政、いわゆる三権で統治されている。
それに加え、20世紀型の報道機関は、政府を監視する役目を担う
「第四の権力」といわれた。
2025年、世界人口80億人のほとんどが、オンラインでつながる。
誰もがインターネットへアクセスでき、誰もが世界中とつながり、自由に発言をし、
革命を起こすパワーさえも手にできる。
一見あたりまえのように思えるが、これはすごいことだ。
これからの時代は、誰もがオンラインでつながることで、
私たち1人ひとり、80億人全員が、
新しい権力、つまり「第五の権力」を 握るかもしれない。
このような「デジタル新時代」を迎えた今、
私たちは、市民は、国家は、 そして世界は、
どのように変わっていくだろうか。
個人に権力が移った結果、
世界はいまより 安全になるのだろうか。
それとも危険になるのだろうか。
私たちは、
「オンラインでつながった世界」という現実に、ようやく向かい始めたばかりである。
そこには、いいこともあるが、悪いこともある。
技術がもたらす変化を 避けることはできない。
ならば、今後大量に出現する 新しい技術やツールを多々しく使って、
世界をよりよく、より豊かにするために、 できることはあるだろうか。
未来に何が起こるかは、機械ではなく、
私たち人間の手にかかっている。
考えられ得る未来像が、述べられている。
私たちの世代が、消去できない記録をもつ「人類最初の世代」になる。
コネクティビテイ教育の大切さ、テクノロジー企業に求められる図太さ、
仮想世界と現実世界、それぞれに求められるもの・・・
サイバー攻撃が繰り広げられ、
冷戦(Cold War)から、コード戦争(Code War)になるだろう、云々・・・
未来の世界について
第1に、技術はそれ自体では、諸悪を解決する万能薬にならないが、賢明に利用すれば
大きな違いを生む。
第2に、過疎受け回は既存の世界秩序を覆したり、組み替えたりすることはないが、現実世界の
あらゆる動きを複雑にしていく。
個人と国家は、それぞれにとって自由度の高い世界--個人は仮想世界、国家は現実世界--での
活動を好むようになり、インターネットが続く限り、両者の緊張関係は続くだろう。
第3に、国家は2種類の外交政策と2種類の国内政策を、つまり仮想世界と現実世界とでそれぞれ
異なる政策を実行することになる。
最後に、コネクティビティと携帯電話が世界中に普及することで、市民は過去のどんな時代よりも
大きな力を手に入れるが、それには代償が伴うことも知っておくべきである。特に
プライバシーとセキュリティに関わる代償だ。
私たちは、プライバシーのために戦わなくてはならない。さもなければ失うだけだ。
私たちは未来を楽観している。それは、技術とコネクテイビティに、世のなかの悪弊、苦難、破壊を
抑制する効果があるからだ。
人々にアクセスを与えたら、彼らを信頼してすべてを任せよう。
簡単なことではないが、やってみるだけの価値はある。
と、結んでいる。
今さら後戻りはできない。
試行錯誤を繰り返しつつ、進んでいくしかないのだが、
著者も何度も繰り返しているように、「人」のあり方が大切だと改めて思う。
THE NEW DIGITAL AGE Reshaping The Future of People,Nations and Business
櫻井祐子:訳
副題は
Googleには見えている未来
エリック・シュミットは1955年生まれ。2001年~2011年までGoogleのCEO。経歴もすごい。
ジャレッド・コーエンは1981年生まれ。Google Ideas創設者兼ディレクター。史上最年少の24歳で
米国国務省の制作企画部スタッフに採用され、2006年~2010年まで、ヒラリー、ライス両国務長官の
制作アドバイザーを務めていた。両者とも、華々しく活躍している。
インターネットは、人間がその手でつくっておきながら、
まだ十分に理解することができていない、
数少ないものの1つである。
インターネットの世界はつかみどころがなく、
絶えず変異をくり返し、ますます巨大で複雑になっている。
そして、とてつもない善を生み出すとともに、
おぞましい悪をもはらんでいる。
このインターネットが世界に与えるインパクトは、
ようやく眼に見えるようになってきたばかりだ。
と、表紙の裏にあった。
そして最初に
国家権力は立法・司法・行政、いわゆる三権で統治されている。
それに加え、20世紀型の報道機関は、政府を監視する役目を担う
「第四の権力」といわれた。
2025年、世界人口80億人のほとんどが、オンラインでつながる。
誰もがインターネットへアクセスでき、誰もが世界中とつながり、自由に発言をし、
革命を起こすパワーさえも手にできる。
一見あたりまえのように思えるが、これはすごいことだ。
これからの時代は、誰もがオンラインでつながることで、
私たち1人ひとり、80億人全員が、
新しい権力、つまり「第五の権力」を 握るかもしれない。
このような「デジタル新時代」を迎えた今、
私たちは、市民は、国家は、 そして世界は、
どのように変わっていくだろうか。
個人に権力が移った結果、
世界はいまより 安全になるのだろうか。
それとも危険になるのだろうか。
私たちは、
「オンラインでつながった世界」という現実に、ようやく向かい始めたばかりである。
そこには、いいこともあるが、悪いこともある。
技術がもたらす変化を 避けることはできない。
ならば、今後大量に出現する 新しい技術やツールを多々しく使って、
世界をよりよく、より豊かにするために、 できることはあるだろうか。
未来に何が起こるかは、機械ではなく、
私たち人間の手にかかっている。
考えられ得る未来像が、述べられている。
私たちの世代が、消去できない記録をもつ「人類最初の世代」になる。
コネクティビテイ教育の大切さ、テクノロジー企業に求められる図太さ、
仮想世界と現実世界、それぞれに求められるもの・・・
サイバー攻撃が繰り広げられ、
冷戦(Cold War)から、コード戦争(Code War)になるだろう、云々・・・
未来の世界について
第1に、技術はそれ自体では、諸悪を解決する万能薬にならないが、賢明に利用すれば
大きな違いを生む。
第2に、過疎受け回は既存の世界秩序を覆したり、組み替えたりすることはないが、現実世界の
あらゆる動きを複雑にしていく。
個人と国家は、それぞれにとって自由度の高い世界--個人は仮想世界、国家は現実世界--での
活動を好むようになり、インターネットが続く限り、両者の緊張関係は続くだろう。
第3に、国家は2種類の外交政策と2種類の国内政策を、つまり仮想世界と現実世界とでそれぞれ
異なる政策を実行することになる。
最後に、コネクティビティと携帯電話が世界中に普及することで、市民は過去のどんな時代よりも
大きな力を手に入れるが、それには代償が伴うことも知っておくべきである。特に
プライバシーとセキュリティに関わる代償だ。
私たちは、プライバシーのために戦わなくてはならない。さもなければ失うだけだ。
私たちは未来を楽観している。それは、技術とコネクテイビティに、世のなかの悪弊、苦難、破壊を
抑制する効果があるからだ。
人々にアクセスを与えたら、彼らを信頼してすべてを任せよう。
簡単なことではないが、やってみるだけの価値はある。
と、結んでいる。
今さら後戻りはできない。
試行錯誤を繰り返しつつ、進んでいくしかないのだが、
著者も何度も繰り返しているように、「人」のあり方が大切だと改めて思う。