読んでメモってたのは2020年11月。
「家族じまい」 桜木紫乃 集英社 2020.6.10
親の終活、二世帯同居、老々介護ーー。
大人の諦観かぁ……
認知症の母と、歳を重ても横暴な父。
両親の老いに姉妹は戸惑い、それぞれのおっととの仲も揺れる。
P54
ふたりを単位にして始まった家族は、子供を産んで巣立ちを迎え、またふたりに戻る。そして、最後はひとりになって記憶も散り、家族としての役割を終える。人の世は伸びては縮む蛇腹のようだ。
P10
飄々としている男の、プライドに関わる諍いを避け続けているがゆえの二十五年なのだ。
夫婦ゆえに、笑い話で済まないこともある。
P29
その場に立ち止まって踏ん張る、ということをしてこなかった体は思いのほか軽かった。
「やらなかったことと、出来なかったことって、同じことでもずいぶん違うなあって、いま思った」