ま、いいか

日々の徒然を思いつくままに。

「サブスクの子と呼ばれて」

2023-03-28 22:11:49 | 

 

「サブスクの子と呼ばれて」 山田悠介 河出書房新社 2022.10.20

 

サブスクが蔓延る社会。

人もサブスクの対象となるものの、法律上、子どもは除外された。

しかし、裏社会では、子どもも例外ではない。

特に経営困難な児童保護施設では、資金確保のためにも必要悪だった……

 

サブスクされた子どもたちの人生が交錯する。

 

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「自己正当化という病」

2023-03-27 01:00:39 | 

 

「自己正当化という病」 片田珠美 祥伝社 2023.1.10

 

成る程と思うことばかりだった。

以下、殆ど抜粋。

 

うまくいかないことがあるたびに「私は悪くない」と主張し、他人や環境のせいにする。やがて、周囲から白い目で見られるようになり、自分を取り巻く状況が次第に悪化していく……

このような「自己正当化という病」が蔓延している。

 

自己する人は、知らず知らずのあちに否認、自己愛、利得という三つの動機に突き動かされていることが多い。嘘よりも厄介だ。(略)自覚が欠けていることも少なくないから。

自覚がない分、自己正当化はこじれやすい。

その要因は

 ①強い特権意識

 ②過去の成功体験

 ③想像力の欠如

 ④甘い現状認識

 

〈例外者〉〈強い自己愛〉

自分には「例外」を要求する権利があるという思いが確信にまで強まっているタイプ。

自分は「不公正」に不利益をこうむったのだから例外的な特権を要求しても許されるという認識。

ヒットラーしかり、プーチンしかり。

悪いことは何でも他の誰かのせいにする責任転嫁を恥ずかしげもなく平然とやってのける。

これは罪悪感や羞恥心が欠如しているからかも。

このような感情が欠如している人間は、ゲミュートローゼと名付けられた。日本語では「情性欠如者

ゲミュートローゼは異常に意志が強い。

 

外部に原因を探し求め、自分のせいではないと思いたがるのが人間という動物で、これは自己愛のなせる業である。

 

こういう人を変えるのは至難の業だ。もし変えることができるとすれば、本人が痛い目にあったときくらいだろう。もっとも、罪悪感も両親の呵責も欠如しており、反省も後悔もしないのが「ゲミュートローゼ」の 本質的特徴なので、自分が悪かったとき悔い改めて変わろうとするわけではない。自分が変わったところを少なくとも表面的には見せておかないと損するという損得勘定に動かされていることが多いので、要注意である。

 

対処法

まず、自分が悪いとは思わない人だと気づく。

情報を集めるためにも共有するためにも、孤立しないようにする。

観察眼と分析力を養う。

距離をおく。

戦うのは極力避ける。

面倒くさい奴だと思わせる。

好かれる必要はない。

 

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「空を駆ける」

2023-03-24 10:44:11 | 

「空を駆ける」 梶よう子 集英社 2022.7.30

 

わたしたちは、妻として、母としてだけではなく、

ひとりの人間として歩みたい。

 

新しい女性の生き方を求め続けた明治の文学者、若松賤子。

「小公子」を日本で初めて翻訳。

命を燃やし尽くした31年の生涯。

 

会津藩に生まれ戊辰戦争を生き延びた孤独な少女は、横浜の女学校「フェリス・セミナリー」と出会う。

女性の自立と子どもの幸せを希求し、やがて文学者として歩み出す。

 

ーー以上、帯よりーー

 

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「星屑」

2023-03-17 20:56:46 | 

 

「星屑」 村山由佳 幻冬舎 2022.7.10

 

芸能界かぁ。

興味がないジャンルの一つだからか、初めの数十ページに手間取ったか、そこを越えたらサクサク♪

 

田舎者のミチルと、サラブレッドの真由。

過酷な芸能界で、少女たちをスターダムに押し上げようとする女性マネージャーの前に壁が立ちはだかる。

 

大手芸能事務所「鳳プロ」のマネージャーながらも雑用ばかりでくさっていた桐絵は、博多のライブハウスで歌う14歳の娘・ミチルに惚れ込み、上京させる。鳳プロでは専務の娘・真由のデビューが決まっており、ミチルに芽はないはずだった。しかし彼女のまっすぐな情熱と声は周囲を動かしてゆく。

反りが合わずに喧嘩ばかりの二人。

妨害、挫折、出生の秘密、スキャンダル……その果てに少女たちが見るものはーー。

 

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「同志少女よ、敵を撃て」

2023-03-17 20:29:25 | 

 

「同志少女よ、敵を撃て」 逢坂冬馬 早川書房 2021.11.25

 

第11回アガサ・クリスティー賞を受賞したデビュー作。

2022年本屋大賞。

作者は1985年生まれ。

 

第二次世界大戦時、最前線の極限状態に放り込まれたソ連の女性狙撃手セラフィマの怒り、逡巡、悲しみ、慟哭、愛が手に取るように描かれ、戦争のリアルを戦慄とともに感じさせる。仇を取ることの意義を考えさせられ、戦争の理不尽さを重いしらされ、喪失感と絶望に襲われながらも、セラフィマとともに血なまぐさい戦場を駆け抜ける。

セラフィマの迷い、敵も味方もなく手当てをする看護師ターニャの信念、ドイツ人狙撃手を愛したサンドラ(略) 敵か味方か、白か黒かという単純な線引きを撹乱した無化し(略)

「敵を撃て」というその敵とは、いったい何者なのか。

 

  ーーby 沼野恭子(ロシア文学研究者)

 

セラフィマの母は言った。

「戦争は人殺しなのだから」

「戦争は男どもに任せておきなさい。あれは男が始めて、女はその陰で犠牲になるのよ」

 

オリガ(実は体制派だった)は言う。

「ウクライナがソヴィエト・ロシアにどんな扱いをされたか、知ってる?なんども飢饉に襲われたけれど、食糧を奪われ続け、何百万人も死んだ。たった二〇年前の話よ。その結果ウクライナ民族主義が台頭すれば、今度はウクライナ語をロシア語に編入しようとする。ソ連にとってのウクライナってなに?略奪すべき農地よ」

  ーー昔も今も変わらないーー

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