「終わりなき夜に生れつく」 恩田陸 文藝春秋 2017.2.25
「在色者」、
つまり特殊能力を持つ者がいて、
そうでない者とのあいだに、
歴史的に複雑な対立の経緯がある世界。
特に在色者が多いらしい「途鎖」は
日本の中にありながら
独立国のようになっているらしい。
読み進むうち、どうも、
これは、他の作品も絡んでるはずと気づいた。
改めて帯を見ると、
「夜の底は柔らかな幻」で凄絶な殺し合いを
演じた男たちの過去が今、明らかになる。
強力な特殊能力を持って生まれ、
少年期を共に過ごした三人の【在色者】。
彼らは別々の道を歩み、
やがて途鎖の山中で再会する。
ひとりは傭兵、
ひとりは入国管理官、
そしてもう一人は稀代の犯罪者となって。
と、ある。
この作品の最後の方に出てくる神山は、
のちに何件もの大規模テロ事件を起こし、
犯罪者たちの王として君臨するらしい。
引き続き、読んでみよう。
ということで、
「夜の底は柔らかな幻 上・下」 恩田陸
文藝春秋 2013.1.15
まずは、上巻の帯から。
【途鎖国】日本から切り離され、犯罪者が多く逃げ込む治外法権の地。密入国は重罪。
【闇月】先祖を弔うため、多くの人が山へ入る時期。運が良ければ死者に出会えるという。
【在色者】「イロ」という特殊能力を持つもの。途鎖国に生まれ育つ人間に、多く現れる。
特殊能力を持つ【在色者】たちが、【途鎖国】の山深くに集まる【闇月】。
殺戮の風が、次第に暴れ始めるーー。
そして、下巻の帯には、
【ソク】途鎖の山に潜む犯罪者たちの頂点に君臨するもの。莫大な富と権力を持つ。
【フチ】山の奥に広がる禁足の地。深く昏い湖の岸辺にあり、ソクの居場所とされる。
【ホトケ】?????
目前に迫った暗黒の世界【フチ】。
そこで待つ【ソク】の正体は?
ここでは何が起きているのか。
読み終えても、何だかよくわからない(^^;
難解なSFを読んだ後のような感じ……。
でも、惹き込まれた。
頭の中の世界は、自由自在だ。