「花梨よ。これより先は修羅の道。辛いことも多々あろう。ワシはここであぼがどばぁがぁを食して待っておるぞ」
「おじいちゃん、食べ過ぎは身体に毒よ」
「案ずるな。ワシの胃袋年齢は二十歳じゃ。まだまだいけるぞぃ」
「あっそ。まぁ良いわ。おじいちゃん、私、勝ってくるから。まずは一位取ってくるから」
「おぉ、いつになくやる気になったようじゃのう。どうしたんじゃいきなり?」
「私も佐和義君も家の都合に振り回されているけど、負けないもん。絶対に幸せになってやるんだから」
「ワシはしもふりが食べられれば文句はないぞ」
「やる気をそぐからそういう事、言わないで」
「うむ、何も言うまい。生キャラメルでも食べて黙っているとするか」
「……よし、気合い入った。言ってくる」
祖父の世迷い言はスルーして自分なりに気合いを入れて、スタート地点に向かった。