よったろーのせーさく日記3

よったろーのせーさく日記からの引き継ぎです。
ちょちょいのよったろーと申します。
改めましてよろしくお願いします。

以上です。

2016-07-18 16:19:07 | 日記
以上が【深奥のエルフェリア】の第002話になります。

冒険も序盤なので、ゴブリック以外は出さないと決めて作りましたが、何とかなるもんですね。

まだ、ゴブリックだけで話が作れそうな感じもします。

とりあえず、これで、一旦、区切って次の外伝、【アナザーヘビーソウル仁義】の作成に入ろうと思っています。

あっちはあっちでまた別の世界観を持っていますので、まずは第001話を読み返してからじゃないと入りにくいですので、今日の所はさわり程度の作業という事になりますね。

深奥のエルフェリア第002話37

2016-07-18 16:18:38 | 日記
 次なる新天地を求めて、クォンデルはレェバを肩に乗せ、ゴブリックを動かした。
 かなりカスタマイズしているので、以前には無かった、飛翔機能も今の赤ゴブリックにはついている。
「……行こうか……」
「はい……」
 二人は次なる星を目指して、ゴブリックを飛翔させた。
 クォンデルの人生には人の不幸が踏み台となっている。
 だから、幸せにはならないかも知れない……。
 それでも明日の希望を求めて、前に進むのだった。

 続く。

深奥のエルフェリア第002話36

2016-07-18 16:16:35 | 日記
「……はい……クォンデル様……」
「様もいらないよ……」
「様はいりますよ」
「いらない」
「いります」
「……どっちでもいいや、お前が生きて居てくれたんだから……」
「はい、クォンデル様」
 相変わらず、失敗ばかりの人生を歩んでいるクォンデルだったが、ここに小さな希望が出てきた。
 本当に小さい希望だけど、クォンデルは首の皮一枚つながった。
 だが、この惑星ボイルではクォンデルは殺人を犯してしまっている。
 刺客達はもちろん、レェバを殺害しようとした暴漢も殺害してしまっている。
 このままではクォンデルは殺人鬼と一緒だ。
 戦争ではない。
 個人的な感情で殺害を犯したのだ。
 もう、彼は人としての人生を謳歌する事は出来ない。
 彷徨い、迷い、落ち込み、失敗し、また、次の希望にすがって、旅を続けるしか無かった。
 だけど、愛するレェバは存命していた。
 それだけでもありがたい。
 クォンデルとレェバは、居られなくなった惑星ボイルを離れる決意をした。
 言い方が悪いかも知れないが、この星には未練は無い。

深奥のエルフェリア第002話35

2016-07-18 16:15:54 | 日記
 その答えは、ゴブリックにあった。
 ゴブリックにレェバの遺体を取り込んだのだが、実はまだ、彼女は仮死状態で完全に死んだ訳では無かった。
 とは言え、元のサイズでの復活は既に不可能となっていたので、ゴブリックの中でストマとツクの要素が何とか彼女を生かしたいと動きだし、彼女の身体を再構成した。
 それにより、サイズは大体、クォンデルの肘から指先までくらいに縮まってしまってはいるものの、生命体として、再生する事が出来たのだ。
 サイズが小さいから、もう、彼女と肉体関係を持つことは出来ないが、それでも生きていてくれた事がたまらなく嬉しかった。
「ほんとに……ホントに、レェバなのか?」
 涙目になって確認するクォンデル。
 レェバは、
「心配かけてごめんなさい。でも、レェバです。別の生命体になっちゃったけど、間違いなくレェバです、神様」
 と答えてくれた。
 クォンデルは、
「――神様なんて言うな、俺はお前を守り切れなかった。……危うく殺されてしまう所だった。だから、神なんかじゃない。クォンデルと呼んでくれ。俺の名前はクォンデルだ」 と言った。

深奥のエルフェリア第002話34

2016-07-18 16:13:41 | 日記
 政府関係者以外、誰も、ゴブリックの操作方法は解らないし、赤ゴブリックはカスタマイズにより、セキュリティーコードを必要としているので、誰も動かす事が出来なかった。
 何日か経ち、入院費を持っていない事がばれて、病院を追い出されたクォンデルはトボトボとゴブリックの元に戻ってきた。
 セキュリティーコードを入力し、PRCに乗り込み、ゴブリックとドッキングする。
 もう、この星に居たくない。
 居ても辛いだけ。
 どこか遠い星に行こう。
 クォンデルはそう思った。
 そんな投げやりな彼を待っていた存在が居た。
「神様……ちっちゃくなったけど、私だよ……」
 その声はクォンデルが求めていたものだった。
 その声の主、レェバのものに相違なかった。
 だが、彼女は死んだ筈である。
 では、何故?

深奥のエルフェリア第002話33

2016-07-18 16:13:10 | 日記
 次に何をしたら良い?
 何をやったら良い?
 その答えが全く見つからない。
 レェバと一緒の時はあれだけ、色々見つかったのに――
 今は何をやったら良いのか解らない。
 何もする気持ちが起きない。
 虚しい―――――――……
 虚しい――――――……
 虚しい―――――……
 虚しい――――……
 虚しい―――……
 虚しい――……
 虚しい―……
 廃人の様に呆然となるクォンデル。
 初めての大きな挫折だった。
 クォンデルはそのままゴブリックで近くの山などを破壊して、暴れ回った。
 正義のためではない。
 自分の癇癪を自然破壊で発散したのだ。
 やがて、虚しさがたまりにたまり、その場を逃げ出した。
 レェバとの成長が嘘の様に、元の情けないクォンデルに戻った。
 それからのクォンデルは荒れていた。
 ろくに飲めもしない酒をあおり、吐いてはまた飲んで歩くといった生活を続けていた。
 すぐに身体を壊し、近くの病院に入院した。
 強制的に、ゴブリックと引き離される事になった。
 赤ゴブリックは放置されたままとなった。

深奥のエルフェリア第002話32

2016-07-18 16:10:47 | 日記
 ただ、涙だけが止めどなく流れていった。
 その男を殺しても彼女は戻って来ない。
 それは解っているけど、その男を生かしてはおけなかった。
 罪を憎んで人を憎まずという言葉を聞いた事がある。
 だけど、聖人君子でもないクォンデルにとってはそんな言葉はクソ喰らえという感じで受け取った。
 その男はクォンデルの全てを壊した。
 だから、復讐した。
 そう思った。
 彼女であれば、そんなことは間違っていると言うかも知れない。
 だけど、正気を保つには、こうするしかなかった。
「……うっ……うっ……うぉ……おぉぉ……」
 突然悲しくなる。
 また、間違えた。
 何度間違えるのだろう、自分は――
 間違えて間違えて間違え倒す――
 彼の人生はその繰り返しだ。
 レェバを殺した男が見つからなかったら、クォンデルは復讐鬼と化して、九眼(くまなこ)になって探すだろう。
 だが、仇はあっさり見つかってしまった。
 それも、ゴブリックのお陰で、あっさりと決着がついてしまった。
 生きる糧を無くしたクォンデルには虚しさが残った。

深奥のエルフェリア第002話31

2016-07-18 16:10:11 | 日記
「な……なん……で……?」
 呆然となるクォンデル。
 ゴブリック達には連勝し、順調に進んでいた筈なのに何故?
 カスタマイズしているゴブリックの機能を使って、近くの防犯カメラをハッキングして、状況を調べた。
 彼女の死因は通り魔による暴行が原因だった。
 危ない薬でもやっているかのような情緒不安定な男が彼女に近づき、因縁をふっかけて彼女を暴行したシーンがカメラに収まっていた。
 巨獣徒による戦死ではなく、暴漢による、暴行死――
 何でこんなにあっさり――
 途方に暮れるクォンデル。
 自分を支えていたものが無くなり一気に自信喪失した。
 しばらく呆然となる。
 クォンデルはレェバの遺体をゴブリックに取り込んだ。
 彼女はゴブリックの栄養として、これから生きていくんだと思いこむ事にした。
 そこに、レェバを殺したと思われる人相の男が通りかかる。
 彼女に因縁をふっかけた時と同様にラリっている印象だ。
「おい、てめぇ……何、見てんだこらっ……てめぇもぶちのめしてやろうかぁ……」
 その男はクォンデルにも因縁をふっかける。
 暴行の末、彼女が死んだとは夢にも思っていないようだ。
 恐らくは、暴行した彼女の事が気になって戻ってきたのだろうが、クォンデルは、その男を黙って見つめ、PRCに乗り込み、ゴブリックを起動させた。
 そのまま、ゴブリックの巨体で、その男を踏みつぶした。
 これで彼女の仇を――
 とは思わなかった。
 何の感情も湧いてこなかった。

深奥のエルフェリア第002話30

2016-07-18 16:07:44 | 日記
 そこから、彼は変わって行った。
 積極的に行動するようになったし、色々考えるようになった。
 レェバとの恋が彼を前向きな人間に変えていった。
 最初は解らなかったゴブリックのカスタマイズも自分なりに研究し、少しずつ出来るようになっていった。
 ゴブリックを吸収したい素材の元に運び、それで、吸収すれば良いのだが、それには少々コツのようなものがあって、最初は手間取っていたが、レェバの献身的なサポートもあり、すぐに出来るようになっていった。
 弱かった赤ゴブリックもみるみるスキルアップしていった。
 途中、別のゴブリック達との抗戦も何度かあったが、どんどん強くなっていった赤ゴブリックはその全てのゴブリックを退けていった。
 自分は無敵――そう錯覚する事もしばしばあったが、レェバを見るとその気持ちを改め、自分はまだ、未熟――どんどん成長して行かなければ彼女と釣り合わないと謙虚に思うようになっていった。
 レェバとの出逢いがどんどん、クォンデルの人間的成長を促していった。
 冒険を始めたばかりの頃の彼とはまるで別人のように成長していった。
 そんな幸せな二人だった。
 だが、突然、別れはやってくる。
 レェバと出会って、二ヶ月が経とうとしていたある日――
 買い物に行ってくると言って出て行った彼女は戻らなかった。
 帰りが遅いから心配になり、探しに出てしばらくすると彼女を見つける事が出来た。
 出来たのだが、彼女は物言わぬ、冷たい骸となっていた。

深奥のエルフェリア第002話29

2016-07-18 16:06:58 | 日記
 彼女は巨獣徒を操獣出来るわけではない。
 戦闘力もない。
 だけど、隣にいて安心する。
 クォンデルが一度死ぬまでの、レリラル曰く、つまらない人生では一度も隣に居る人間は居なかった。
 常に、もめ事を起こし、はじき出される人生だった。
 だけど、彼女は違う。
 レェバは、嫌がらせはしてこないし、彼を追い出そうとはしない。
 自分を信頼してくれている――
 それだけで、安心だった。
 最初は顔が好みというだけの興味だけだったが、今は違う。
 一緒に困難をくぐり抜けたという事で、吊り橋効果なのか、はっきり好きだと言える。
 愛している……という言葉が合っているのかは解らないが、今は、ずっと彼女と一緒に居たいと思う。
 一緒に安心出来る場所を探して、二人で静かに暮らしたいと思える自分が居る。
 周りの人間全てが敵だった彼にとってはもの凄い変化である。
 彼女にはストマとツクという大切な家族が居て、自分はその次かも知れない。
 だけど、彼にとっては、まるで初恋の様に、彼女の事しか考えられなくなっている。
 34歳のオッサンが何を言っているんだと思われるかも知れない。
 だが、今は17歳の思春期の身体なのだ。
 それで、何の不都合がある。
 クォンデルはそう思った。
 レェバのためならば、頑張れる――
 彼はそう思える様になって来た。

深奥のエルフェリア第002話28

2016-07-18 16:04:49 | 日記
第五章 レェバの死?


 翌朝、日の光でクォンデルは起こされた。
 レェバは既に起きていた。
 日の光に照らされた彼女の肢体は女神を思わせる程、美しかった。
 そんな彼女と昨夜、確かめ合ったんだ――
 そんな事を思うと何だか、気恥ずかしくなってくる。
 彼女はただ、ゴブリックに乗っているクォンデルを尊敬しているだけだ。
 それは解っている。
 ゴブリックから降りたら、何の魅力もないクォンデルにはふり向かないだろうことも解っている。
 だけど、今は、心の不安をかき消す意味でも、ゴブリックに縋(すが)りたかった。
 赤ゴブリックは弱い――
 このままでは、同じゴブリックでも熟練度の高い相手にはやられてしまう。
 そう考えるとまず、第一にゴブリックのカスタマイズをしようと思い立った。
 だけど、どうすれば良いのか解らない。
 なりゆきでゴブリックに乗っただけで、ゴブリックがどのようにして、スキルアップしていくのか、実はよく解っていない。
 ストマとツクを吸収したという事から、外部から何かを取り込む事で何らかのスキルアップをするのは解ったが、具体的にどんな調達をすればいいのかが全くわからなかった。
 だけど、今は少し、安心している。
 行く道は険しいが、一人じゃない。
 レェバというパートナーが隣にいる。

深奥のエルフェリア第002話27

2016-07-18 16:04:18 | 日記
 大変だったのだ。
 必死だったのだ。
 世の中を変える程の大きな事をした訳ではない。
 それでも、生きて帰るために、死にものぐるいだったのだ。
 彼にとっては、天下を取ったのと同じ偉業を成し遂げた感覚を持っていた。
 だから、自惚れたくなった。
 愚かでも有頂天になって見たくなった。
 不安だったから、繋がりを求めた。
 一度に複数の感情が入り乱れる。
 彼は眠る。
 また、明日、次の戦いが待っているから。
 今はただ、眠る。
 疲れを癒すために。
 好きな女の子の肌に触れながら――

深奥のエルフェリア第002話26

2016-07-18 16:02:13 | 日記
 つまり、この地に居座る理由は一切無かった。
 ダダダダダダダダダ……
 と、もの凄い轟音を立てて、赤ゴブリックは走り出す。
 その姿はとても勝者とは思えなかった。
 惨めな敗走者という方がしっくり来る。
 だけど、レェバにとってはクォンデルはヒーローだった。
 救い方は違ったが、彼は確かに、ストマとツクの命を助けてくれた。
 彼女をひとりぼっちにしなかった。
 彼女にとって、クォンデルは神様であり、ヒーローであり、勇者であり、信仰の対象となった。
 彼女はクォンデルについていくと心に決めた。
 人里離れた場所で一夜を過ごす、クォンデルとレェバ。
 彼は彼女を求めた。
 彼女は拒まなかった。
 二人は寂しかった。
 とにかく、お互いの繋がりが欲しかった。
 それを確かめ合って二人は赤ゴブリックのPRCの中で眠りについた。
 芦柄 吟侍であったならば、この程度の事は何という事でもなかっただろう。
 だが、クォンデル・ラッシュアワーダという小さい人間にとっては、十大な事だったのだ。