「……はい……クォンデル様……」
「様もいらないよ……」
「様はいりますよ」
「いらない」
「いります」
「……どっちでもいいや、お前が生きて居てくれたんだから……」
「はい、クォンデル様」
相変わらず、失敗ばかりの人生を歩んでいるクォンデルだったが、ここに小さな希望が出てきた。
本当に小さい希望だけど、クォンデルは首の皮一枚つながった。
だが、この惑星ボイルではクォンデルは殺人を犯してしまっている。
刺客達はもちろん、レェバを殺害しようとした暴漢も殺害してしまっている。
このままではクォンデルは殺人鬼と一緒だ。
戦争ではない。
個人的な感情で殺害を犯したのだ。
もう、彼は人としての人生を謳歌する事は出来ない。
彷徨い、迷い、落ち込み、失敗し、また、次の希望にすがって、旅を続けるしか無かった。
だけど、愛するレェバは存命していた。
それだけでもありがたい。
クォンデルとレェバは、居られなくなった惑星ボイルを離れる決意をした。
言い方が悪いかも知れないが、この星には未練は無い。