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コキロク(古稀+6歳)からコキシチ(古稀+7歳)への道草随筆 2週間ごとの月・水・金・火・木に更新。土日祭日休み

中西載慶東京農大教授『ほろ酔いサイエンス』講演会

2012年02月13日 | Weblog

 ベトナムから帰国した翌々日の1月30日月曜日、東京の産経新聞社へ講演会を聴講するために仕事帰りの妻と夕方に東京駅で待ち合わせて出かかけた。講師は東京農業大学の中西載慶教授である。

 さすが新聞本社、入り口での警戒が厳しい。まるでテロに対して厳戒体勢にある国際空港なみだった。講演が始まると中西教授の軽快なテンポの話術に引きこまれる。「私の話は、あちこち飛ぶので・・・」との宣言どおり、実に多彩な話題を受講者に興味を抱かさせつつ進む。「なるほど」「そうだったんだ」「へーぇ」の連続だった。あっと言う間に時間が過ぎ、教授の掲げる“5ヶ条の食生活指針”でまとめて講演が終った。私のように糖尿病と闘う者が実行すべき指針だった。

“5ヶ条の食生活指針”

(1)  楽しい食事を心がけましょう

(2)  食事のリズム、生活のリズムを大切に

(3)  自分の体重や活動量を考えて食事量の調整を

(4)  食塩、脂肪は控えめに、多様な食材でバランスの良い食事を

(5)  時々、自分の食生活の点検を

 昔、中学生、高校生との進路相談に関わったことがある。まず相談相手に「学校の授業で、君がその先生の授業だと時間があっという間に終ってしまうという授業ってありますか」と尋ねる。「その反対に授業中、時間ばかり気になって、なかなか終わらないのでイライラすることありますか」とも尋ねる。時間が短く感じるのは、自分が関わっている事が、好きなのか、興味を深く持っているか、感動感心しきりだからかである。この方法で私は生徒が何に興味を持ち、何が好きなのかを知って進路相談に役立てた。教科の好き嫌いやその教科を教える教師は、生徒の将来に大きく影響する。話し上手も先生としての大きな資質である。ただペラペラ中身のないことをまくし立てられても困る。難解な事をカタカナや知らない理解できない言葉を並べて話されても困る。やはり専門に造詣が深く知的で難解なことでも生徒にわかり易く、解き明かすように話してくれなければならない。私自身が今回は生徒であった。久々に時間があっという間に過ぎる経験をした。


 
中西教授は、専門の醸造学を中心に硬軟織り交ぜて軽快なテンポある話術で受講者を惹きつけた。私が特に記憶に残ったわき道話しは、「皆さんはオシドリの夫婦は一生涯伴侶を変えずに寄り添い遂げると思い込んでいますが、実はオシドリ、非常に浮気っぽい習性があります。夫婦仲が良く一生添い遂げるのは、名前がかわいそうなのですがアホウドリです」と、男女の脳が物事の受け取り方、理解の仕方を違えているという話だった。中西教授は全国各地で講演している。それぞれの会場で男性は、理詰めで講演を理解しようとする。一方女性は、感情感性で話を受け止める。中西教授のようにあちこち話がとぶ講演に男性は渋い顔をするという。なぜならさっきの話と今度の話はどうつながるのか、関連性は、その根拠はと、詮索し答を突き止めようとしかめ面になる。女性は、それぞれの話をそれぞれに受け止め、楽しめる、という。さすがに教授がじかに体験した観察である。私たち夫婦は、妻が理詰め派で私のほうが感情派である。それはそれとして、大いに参考になった。

 学生は、先生の影響を受け易い。しかし学校で学生が先生を選ぶことは、ほぼ不可能である。今回の講演会のように最初から講師が決まっていて、その講師の講演を聴講したい目的で参加することは、特に小中高校では許されない。中西教授のような先生が、日本にはたくさん必要だ。テレビだけ観ていても、なかなかこれはという学究の徒を知ることが出来ない。多くの優れた学者や教授は、テレビへの出演なぞ望んでいない。その見境が重要だ。このような講演会に直接参加して探すしかない。中西教授が講師をつとめる講座に初めて受講でき嬉しかった。講演を聴きながら、教授がなぜ付属中学と高校の校長に抜擢されたのか理解できる気がした。

 次回2月20日(月)19:00から20:30に東京・大手町の産経新聞社会議室で『身近な食材あれこれ小話』で中西載慶教授の2回目の講演が行われる。再び生徒として参加できるのを楽しみにしている。(参加受講料3000円 問い合わせ電話03-3243-9828)

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