今日の出来事

一生懸命に毎日を生きる子どもの姿。そして、そんな子ども達に寄り添う、先生たちの思いを綴ります。

好きなおやつ

2023年10月28日 | 今日の出来事
おやつは何が好き?

保育園のおやつは、スパゲティやうどん、スコーンや蒸しパン、
焼きおにぎり、チヂミ、アメリカンドッグ…
秋はサツマイモやカボチャを使ったものも出てきます。
全部手作り。

レンチンで終わるようなのは出しません。
ゼリーだって手作り。
手作りのゼリーのやたら固い感じが結構好きですが、保育園のはちゃんとしてます。


私が幼い頃はトウモロコシや干し芋、せんべい、最中…。
…渋い。
トマトをさっと洗って、ベランダで塩を振ってまるかじりなんてのもありました。
グミとかクッキーなんかはほとんどない。


保育園のおやつに話を戻します。

甘すぎたりしょっぱすぎたりしないから、素材の味がしっかり分かります。
だからいっぱい食べても気持ち悪くならない。
子ども達は、特に幼児はお代わりの争奪戦になることも。


そんなおやつを毎日食べている子ども達ですが、おうちのおやつってどんなもの食べてんの?
あまり知りません。
自分から言う子は…そんなにいないかな。

何かがきっかけで、ある子に聞いてみました。
「おうちのおやつで好きなの何?」

「たまこん」

「ん?」
「たまこん?たまこんって言った?」
「うん」
「玉こんにゃく」だよね?
「そうだよ」

なんか、妙に嬉しくなりました。

舌と頭で味わう

2023年10月19日 | 今日の出来事
ハヤシライスは子ども達が大好きなメニュー。
散歩から帰ってくると、良い匂いで分かっちゃう。
みんないっぱいお代わりしちゃう。

カチャカチャっていうスプーンの音からして美味しそう。
そんなBGMを聞きながら仕事をしていたら、給食の先生が急ぎ足で部屋に入ってきました。

「先生は、ハヤシライスの『ハヤシ』の意味知ってる?」
「え?…知らないです」
「でしょ?私も答えられなかったの」
ケータイで調べに来たのでした。

この質問が2歳児クラスの子から出たっていうんだから面白い。
見事な好奇心です。

ハヤシライスのハヤシ…
ほら、気になってきたでしょ。

まつりのあと

2023年10月15日 | 今日の出来事
運動会は大雨に見舞われました。
ひんやりと静かな体育館は、それでも子ども達が増え始めるごとに温度を帯び始めました。
そこにいる全員が照準を合わせた2時間は、今年も無事やり遂げることができました。

満を持して臨んだ子ども達。
疲れを癒す暇もない保護者。
隙間時間をやり繰りして帳尻を合わせた職員。
皆様、お疲れ様です。


緊張が高ぶって涙が溢れた子も、
雰囲気にのまれて大人のぬくもりに助けを求めた子も、
晴れ舞台で力を発揮できた子も、
一発勝負に全てを出し切って悲喜こもごもな子達も、
全ての子ども達が見せた正直な表情に、全ての大人が胸を打たれたはずです。

こういう行事は良い。
真剣で楽しい行事は良い。

気持ちが晴れがましいかそうでないかは、大雨と関係ないんだと思いました。

早いとか遅いとか

2023年10月11日 | 育ちに関すること
この時期、各地の保育園では見学会を実施していることでしょう。
いずみ保育園の見学会も9月からこれまで、多くの方に来ていただいています。

大切な我が子の預け先を探す親心として、保育園選びが真剣になるのもよく分かります。
あちこち回られている保護者の皆様、お疲れ様です。


今年の当園の説明・見学会において、少し目立つ質問がありました。
ごくまっとうな、普通の質問です。
でも今年はちょっと多いという感じ。

「うちの子は早生まれなのですが、月齢が上の子や上のクラスの子との共同生活は心配です」
というもの。
1歳児クラスでも、4月と翌年の3月生まれでは、歩けるかどうかも違う。
食事を自分で食べられるかとか、言葉だっておしゃべりと喃語くらい違う。
そういうことを心配されているのだと思います。

あまり心配いらないと答えるのですが、伝わった手ごたえがない。
私自身も想定していなかったので、質問をくれた保護者の方には上手く答えられなかったかもしれません。
ごめんなさい。


なぜ心配いらないか?ちょっと整理してみました。
簡単に言うと、発達の段階は共同生活にあまり支障をきたさない。
保育園はそういう場所だということを言いたかったのです。

子どもの数に対して大人の数は当然少ない。
我が子がちゃんと見てもらえるかというのは、つまり「先生との関係を保証してくれるか」
そういうことだと思います。
保護者もそういうことが、放っておかれないかが心配だと、こう言いたかったのでしょう。
そういう視点では、発達の進み具合はあまり重要ではないのです。

では、何が重要か?
それは、自己主張です。

「先生!聞いてよ!」
「先生!だっこして!」
「先生!これ読んで!」
言えるとか言えないとかではありません。

保育士のエプロンを引っ張って何か言いたそうにする。
両手を広げて「あーーー!」と訴える。
無言で絵本を渡してきて、何も言わずに膝の上に座る。
それで十分伝わります。

それができるかどうかは結構重要な事です。
発達以上に。

そして、家庭で育ってきたお子さんの中には、これが出来ない子がいる。
こういう子は、集団生活の中でも大人が何かしてくれるのを待っています。
泣きもせず、叫びもしないから、一見手がかからなそうに見えます。
だけど健全ではない。

これからお子さんを保育園に預ける保護者。
その方達に言えるとしたら、過干渉はやめましょうということです。
先月の保護者会でも言いました。

子どもがすることすべてに対して、あれもこれも先回りしてやってしまう。
子どもが泣いたり叫んだりしなくても、ぜーんぶ気をまわしてしまう。
こうされてきた子は、親元を離れてから大変な思いをします。
専属で何でも気持ちを汲んでくれる大人がいないんですから。

是非、主張できる子にしてあげましょう。

「はじめまして」から「さようなら」まで

2023年10月08日 | 今日の出来事
幼児クラスの保育室。
誰も使っていない椅子に腰を下ろし、パソコンの電源を入れた時の話。

「先生何してんの?」
何か面白いこと無いかな?の顔で近づいてきた女の子。
手にはさっきもらったばかりのバースデーカードを持っています。

カードと言っても、ペライチじゃなくて見開き。
写真と手形、担任のメッセージ付き。
手形や手書きは温かみがあっていいと思います。

「ん?仕事。運動会近いでしょ?」
「ぱ・ら・ば・るーん?」
「うん、そう、これはね」

「あれ?あ、そうか今月誕生日だね。おめでとう」
「ちょっと見せて?」
「いいよ」

「へぇ、可愛いじゃない」
「こんなに手が大きくなったんだねぇ」
「そうだよ、ほら」
押された手形に自分の手を当てています。
「さっきまで赤ちゃんだったのにねぇ」
「ちょっとぉ(笑)」


「さぁ、これは誰でしょうか?」
パソコンの画面に、女の子が0歳児だった頃の写真を出してみました。
「ん?…え?〇〇ちゃん?」
「そう、〇〇ちゃん、こんなに赤ちゃんだったんだよ」
「えへへへへ」
「可愛いね」
「えへへへへ」

「今の写真と、どっちが可愛いかな…」
「ん~~、こっち(0歳児)か?」
「いや、こっちでしょ!」
バースデーカードを必死に指さしています。

「じゃぁこれは?」(違う月に撮った0歳児の時の写真)
「ちょっと、やめてよ~(笑)」


髪の伸びて、身長も伸びて。
とっても女の子らしくなりました。

どっちが可愛いか?
5歳の価値観に沿ったら、可愛いのがどちらか。
議論の余地はありません。

繋がっているからです。
私達、保育士の記憶は。
親のそれとそんなに変わりません。
だから、どっちがという話ではないのです。

0歳児クラスの時から、連綿と繋がっている時を。
「卒園まで」という時間の有限なることを、無意識に意識している保育士から見たら。
0歳児の時の写真も、5歳になろうとしている今も。

なんて、愛おしいのでしょう。