今日の出来事

一生懸命に毎日を生きる子どもの姿。そして、そんな子ども達に寄り添う、先生たちの思いを綴ります。

あぁいつもの…

2022年08月22日 | 今日の出来事
入園したてのころ、だいたい4月から6月くらいまで。
この時期の0歳児クラス、そして1歳児クラスの子は、お昼寝から目覚めた時によく泣きます。

目が覚めたらおうちじゃない!
目が覚めたらママがいない!
無防備な心に不安が押し寄せるのでしょう。

だから、慣れてきたときの反応はしみじみします。
うーん。よく寝た…。ん?あぁ先生か…
じゃ、もうちょっと寝よ…って。

抜けた歯は告げる

2022年08月13日 | 今日の出来事
世間的にはお盆。
保育園も、この時期は期間的に欠席する子がいます。
お昼時の保育室はテーブルの数が減る日も。
部屋が少し広く感じます。

水遊びも、8人揃ってテラスに出てくるクラスは殆どありません。
テラスを吹き抜ける風が多く感じるのは、気のせいだけではなさそうです。

その日最後にテラスに来たのは、5歳児クラスの三人。
いつものように遊び始めました。
なんせたったの三人ですから、表情がよく見えます。

先週より少し気温が低いかな…
安全のための監視役をしながら、子ども達の顔色を見ていました。

そうか、三人とも抜けてるのか。
いずれも、前歯が一本ずつありません。

前歯が無いのは目立ちます。
子ども達はよく笑うから、なおのこと目立つ。
写真を撮るために並んでもらった顔は、みな屈託なく笑っていました。


保育園は行事が多いから、自然と季節を感じます。
水遊びが終わって秋雨前線が張り出す頃から、年度の後半へ向けて私達の頭も切り替わっていきます。

5歳児クラスの子たちの、歯が抜け始めた顔を見るのは少し複雑な心中です。
卒園に向かって移ろいゆく季節を、頭で考えるよりも早く、心が感じます。
一緒に過ごせる日数に、どうしても頭が働いてしまう。

子ども達の成長する姿は、けっこう多くのことを伝えてきます。

道の草を愛ずる

2022年08月13日 | 今日の出来事
はじめは、もうひと月以上前のこと。
登園したその子は、猫じゃらしを握っていました。

毛の感触が気持ちいいみたい。
たまに穂で頬を撫でてみます。

登園して手を洗いに行くのもちょっと大変です。
猫じゃらしをどうしても手放したくはないからね。
「持っててあげようか?」
でも、まだその見通しは難しいのです。

持ってない方の手を洗って、こっちの手に持ち替えて。
「ちがうちがう、取らないよ」
「こっち、こっちのおててで持ってて」
誘導も大変です。

大好きな猫じゃらし。
でも目の前のおもちゃの方が、魅力が勝ることも。

「ん?〇〇ちゃん、猫じゃらしどこ行った?」
しばらくぽかーんとして、視線を落とします。
片手にはおもちゃ、反対の手は…空っぽね。

慌ててキョロキョロ。
言葉にはしないけど、その慌てっぷりは視線の忙しさで分かります。

散らばったブロックに紛れて、少しシナシナになった猫じゃらし。
教えてあげたら、持っていたおもちゃを放り出して走っていきました。
猫じゃらしが無事に戻ってきて、穏やかな安堵顔。

小さなおててで揺れる猫じゃらし。
そして、はにかんだ笑顔の可愛らしさは、朝から私達大人をも笑顔にします。

あれれ、猫じゃらし、また転がってる。
大切なことをみんな知ってるから、誰が拾っても、今ではちゃんと持ち主のところへ戻ります。