「ご飯できたよ」
母の声。
数分後。
「ごーはーん!!」
イラついた母の声。
「よしのり!!!」
母キレる。
んー?
あ、ご飯か。
保育園にいると、昔の自分を思い出します。
たぶん多くの大人が経験していること。
耳はちゃんと機能してるはず。
寝ていても耳は聞こえてるはず。
でも、声が届かない。
大人は集中力がありそうに見える。
子どもは注意散漫に見える。
子どもはちょこまか、って言われる。
幼児クラスの保育室は、喧噪であふれていました。
帰る子、ブロックで作った武器で遊んでいる子たち。そして…
保育室から出ようとする私と、それを阻止する子たち。
私を含めたこれが一番うるさい。
毎度すみません。
そんな賑わいのすぐ近くで、その子は絵を描いていました。
白い紙に覆いかぶさるように。
時には一緒になって取っ組み合っている子。
目の前の騒動には目もくれず、絵を描いています。
動いているのは手と、合わせて動く毛先だけ。
手を伸ばせば届く距離なのに、壁一枚挟んでいるかと思うほど別世界。
花柄のスカートをはいた女の子の絵を描いていますが、すごいのはその画力。
今は細かい花柄を一つ一つ描いている途中。
描きあがっている顔は、目の描き込みがすごい。
手は胸の前でピース。
「ねぇ、〇〇ちゃん」
集中しているところ申し訳ないけど、聞かずにはいられませんでした。
声をかけられることを予想していなかった顔。
豆鉄砲を食らった鳩さながらに、キョトンとしています。
「ねぇ〇〇ちゃん」
もう一度声をかけなおして、
「どうやってそのピース描いてるの?」
「え?」
「ピース描いたの」
「いや、そうじゃなくて、どうやって描いたの?」
「…」
困らせてしまった…
「先生が描く時はさ、左手でピース作って、それ見ながら描くわけ」
「〇〇ちゃんもそうやってるの?」
「ううん」
(どういうこと?)
「だってピースはこうだもん」
何枚も、何枚も、絵を描いている子の答えでした。
イメージが頭にあるから、何も見なくてもかけるの。
子どもは集中力がなさそうに見える。だけど。
呼んでも呼んでも返事をしないほど。
おしっこ出ちゃうほど続けちゃう。
お腹空いてるのも忘れちゃう。
こやって集中できる子は、頭一つ抜きん出ます。
繰り返したことは、必ず武器になる。
作ったご飯を食べてくれないと、親としては困るんでしょうけど。
母の声。
数分後。
「ごーはーん!!」
イラついた母の声。
「よしのり!!!」
母キレる。
んー?
あ、ご飯か。
保育園にいると、昔の自分を思い出します。
たぶん多くの大人が経験していること。
耳はちゃんと機能してるはず。
寝ていても耳は聞こえてるはず。
でも、声が届かない。
大人は集中力がありそうに見える。
子どもは注意散漫に見える。
子どもはちょこまか、って言われる。
幼児クラスの保育室は、喧噪であふれていました。
帰る子、ブロックで作った武器で遊んでいる子たち。そして…
保育室から出ようとする私と、それを阻止する子たち。
私を含めたこれが一番うるさい。
毎度すみません。
そんな賑わいのすぐ近くで、その子は絵を描いていました。
白い紙に覆いかぶさるように。
時には一緒になって取っ組み合っている子。
目の前の騒動には目もくれず、絵を描いています。
動いているのは手と、合わせて動く毛先だけ。
手を伸ばせば届く距離なのに、壁一枚挟んでいるかと思うほど別世界。
花柄のスカートをはいた女の子の絵を描いていますが、すごいのはその画力。
今は細かい花柄を一つ一つ描いている途中。
描きあがっている顔は、目の描き込みがすごい。
手は胸の前でピース。
「ねぇ、〇〇ちゃん」
集中しているところ申し訳ないけど、聞かずにはいられませんでした。
声をかけられることを予想していなかった顔。
豆鉄砲を食らった鳩さながらに、キョトンとしています。
「ねぇ〇〇ちゃん」
もう一度声をかけなおして、
「どうやってそのピース描いてるの?」
「え?」
「ピース描いたの」
「いや、そうじゃなくて、どうやって描いたの?」
「…」
困らせてしまった…
「先生が描く時はさ、左手でピース作って、それ見ながら描くわけ」
「〇〇ちゃんもそうやってるの?」
「ううん」
(どういうこと?)
「だってピースはこうだもん」
何枚も、何枚も、絵を描いている子の答えでした。
イメージが頭にあるから、何も見なくてもかけるの。
子どもは集中力がなさそうに見える。だけど。
呼んでも呼んでも返事をしないほど。
おしっこ出ちゃうほど続けちゃう。
お腹空いてるのも忘れちゃう。
こやって集中できる子は、頭一つ抜きん出ます。
繰り返したことは、必ず武器になる。
作ったご飯を食べてくれないと、親としては困るんでしょうけど。