今日の出来事

一生懸命に毎日を生きる子どもの姿。そして、そんな子ども達に寄り添う、先生たちの思いを綴ります。

造形美に笑い崩れる子

2022年04月28日 | 今日の出来事
部屋の隅に位置するテーブルで粘土遊びをしているのは、気付いていました。
その先生と、斜向かいに座る子どもの間には、手のひらサイズのネコ。
子どもは背を向けているため、表情は見えません。
手は動いているから、何か作っている様子。

隣のテーブルで私と数名の子はカードゲームを始めました。
時折、部屋全体を見渡すついでに、粘土チームにも目をやります。

と、突然、背中を向けて粘土をこねていた子が爆笑。
楽しそうね。

「はい、今度は〇〇ちゃんの番よ」
カードゲームのこっちも楽しい。

でも、
「ウフフフ、なん、アハハハ!」
すぐ隣で何か言おうとしている子は、笑うのに忙しくて言葉が出てきません。
粘土遊びで何がそんなに…

カードを持つ手が止まります。
「先生の番だよ」
「おっと…ごめんごめん」

「ウヒャヒャヒャ!」
「うんこぉ?」

見本のように置かれていた粘土のネコ。
よく見るとネコのお尻に、粘土のツブツブがプツプツと…
あぁあれね…そりゃ楽しいわな。

ネコのリアルさもさることながら、そこに子どもが夢中の(?)大人気の(?)アクセント。

時々子ども達と一緒におバカができるこの先生。
自由遊びの時間は、たいてい子ども達の輪の中にいます。

春の遠足

2022年04月22日 | 今日の出来事
「ねぇ!いまのヤバくない?」
興奮気味にまわりの友達に同意を求める子。
「ヤバーい!」
声を揃えて激しく同意します。


今日は待ちに待った春の遠足。
井の頭公園です。
バスに乗って行くのは一年半ぶり。
歩いて行けないところへ行くのも、一年半ぶりです。

バスに乗ってしゅっぱーつ!
なんだかウキウキしちゃう。
「あ!ここ〇〇ちゃんち!」
見慣れた風景もちょっとキラキラしてるみたい。

「ヤバーい」と声をそろえたのは、そんなバスの中でした。
中央線をくぐっただけで、もう楽しくてたまりません。


公園に着いて、お菓子を食べて、あっちへ行ったら何が見えるんだろう。
「あ!お水出てる!」
集合写真を撮ろうと道をそれたけど、誰もこっち向かないね(笑)
涼しげな噴水にくぎ付けです。
「うわぁ、冷たい!」
風が吹くと雫が運ばれてきてなんだか面白い。

急な気温上昇に小さな体は少し疲れてきました。
「先生…お弁当まだぁ…?」

でもおうちで作ってもらったお弁当を開けたら、疲れなんか吹き飛びます。
その証拠に、食べ終わったら追いかけっこしていました。

帰りのバスに乗るため、動物園の前へ。
「え?これから動物園行くの?」
その元気は先生達にはもうアリマセン…。

みんなの気持ちが通じて、おひさまはちょっと頑張りすぎたかもしれません。
でもおかけで楽しい遠足となりました。

引率の担任もお疲れ様。
バスの運転手さんもありがとうございました。

また行こうね。

楽しいおしゃべり

2022年04月16日 | 今日の出来事
最近の私の楽しみの一つ、それはこの4月に0歳児クラスに入園した子との会話です。

会話と言っても、その子の答えはきまって「あー」
言葉を覚えるのはまだこれからです。

私からは「いっぱい食べたの?」だったり、「おいしかったね」だったり。
時には「おさんぽ行ったんだね」や「お花咲いてた?」だったり。

この子、お返事がとっても上手なんです。
打てば響くような、とはこのことです。
語りかけには、必ずと言っていいほど、お返事してくれます。

繰り返しているうちに「食べたよ」「美味しかったよ」
そんなふうに「あー」が聞こえてきます。

入園当初は私の顔を見ただけで泣いたのに。
すごいですね。
すごい適応能力ですね。
たった二週間足らずのうちに、すごい成長です。

「あー」「あー」って、いっぱいお返事してくれたんだよ。
あと二年くらいして今の思い出を伝えたら、どんな顔をするんでしょうね。

卒園児改め、小学生さま

2022年04月08日 | 今日の出来事
5歳児クラスの子達が卒園してから、1週間が経ちました。

新年度の始まりと共に、保育園は180度気持ちを切り替えなければなりません。
新入園のお子さん達を迎えるのは、とてもエネルギーを要します。

そんな折、一昨日はお散歩に出たら、近隣の小学校が軒並み入学式でした。
お母さんとお父さんに挟まれるようにして歩く、ピカピカの一年生。

○○ちゃんとか○○くんに偶然会えませんかね。
同行の担任とそんな話をしながら、小学校へ急ぐ背中を見送りました。
みんな元気にしてるかな…


そしたら昨日、入学式を終え、晴れて小学生となった二人が遊びに来てくれました。

ピンポーン!
はーい!お帰り…あれ?○○ちゃん!

散々見慣れた、インターホンに写ったママの顔。
思わず惰性でお帰りなさいと言いかけました。

少し背が大きくなったように見えるのは、たぶんランドセルを背負っているから。
両肩が開いて、姿勢が良くなっています。
交通安全のランドセルカバーがまぶしい。
聞いたら、中にはちゃんと教科書を入れてきたんだって。

保育室からは子ども達がゾロゾロ出てきて、小学生のお姉さんに憧れの眼差しを送っていました。


これから少しずつ、小学校生活が充実すればするほど、保育園は過去の記憶として少しずつ記憶の奥の方に仕舞われていくのでしょう。
そしていずれは、仕舞った場所も忘れてしまうかもしれません。

でもそれまでは。
保育園がまだ近くにあるあいだは、また遊びにおいで。
「お帰りなさーい」を用意して待っています。

慣らし保育の日々

2022年04月08日 | 今日の出来事
いずみ保育園の慣らし保育は、4日間で終了します。

なんのことか分からずに、子ども達はママやパパの腕から引きはがされます。
大勢が泣く保育室。
いつも一緒のぬくもりは、今はありません。

悲しくて、怖くて、いっぱい泣きます。
そんな中でも子ども達は、少しずつ、この部屋が自分たちのためにつくられた環境であることに気付いていきます。

あ、アンパンマン…
この人、ずっと抱っこしててくれる…
ごはんが美味しいな…
くるまに乗ってお外を見るのはなんだかちょっと楽しいかも…

ちょっとしたことで気がまぎれ、
少し落ち着くと、周りのことが少し見えてくる。
もしかして楽しい所かしら。

あれ?そういえばママは?
あれ?あれあれ?ママがいない!
寂しいよ…
遊ぶ楽しさと、ママがいない寂しさが、交互に押し寄せてくるから、小さな体はとっても疲れます。

そうしながら、子ども達は少しずつ、保育園を自分の居場所にしていきます。
ものすごい適応能力を発揮して。


子ども達にとっては、人生で最大の危機。
ママやパパにとっては、お子さんが産まれてから一番心配な時期。

私達保育士にとってこの時期は、一年でもっとも目まぐるしい時期です。
この時期を見ているから、卒園していく姿がまぶしく、感慨深いのかもしれません。