愛犬を連れて散歩へ出掛けると、同じように散歩している飼い主さんに会います。飼い主さんも自分の犬に対する育て方や接し方が人それぞれです。本当に愛犬の事を考えている飼い主さんは、「ブリーダーやペットショップから犬を譲り受ける時に、やはり小さい時から世話をしたいという気持ちは誰でも同じだけれど、できるだけ生後3カ月までは母犬と一緒に過ごし、母親からたっぷりの愛情をもらい母犬からしつけを受けている犬は、成犬になっても犬や人を噛んだりすることはありません。そして生後3カ月の間に自分の兄弟と遊びながら社会性を身につけ、ここまで噛んだら母犬に叱られる…ということを学ぶのです。でも生後1ヶ月にも満たない子犬を母犬からすぐに引き離し、市場に出されてしまった犬は、人や犬を噛んだりまた飼いづいら犬になってしまう。」とよく言います。
毎日、子供達と接している私は、「犬も人間の子供と一緒だな…。(犬と一緒にしないで!と言われるかもしれませんが)」と思うのです。昔の人は、「三つ子の魂、百まで…」とよく言ったものです。やはり乳幼児期に両親や保護者からたっぷりの愛情をもらった子供は、大きくなっても人を愛する事ができ、それによって人からも愛される人間に成長します。愛情を子供に注ぐというのは簡単な様で難しく、また難しい様で簡単な事だと思います。今の社会は「自分が一番」という傾向になりがちで、また毎日がめまぐるしく過ぎていってしまうため、目の前にいる人(子供であったり、夫・妻、また親など)を愛情を持って接するということが難しくなっているような気がします。
そんな時代でありますが、我が子に対しては(特に乳幼児期)、たっぷりの愛情を注いであげてください。それは高価なおもちゃを与えたりブランド物の洋服を着せたり、おいしいレストランへ連れて行っておいしいものを食べさせる事、また楽しいテーマパークへしょっちゅう連れて行ってあげる事が愛情ではありません。子供と言うのは大人の価値観とは違って、大人が「このおもちゃは喜んでくれるだろう」というおもちゃではなく意外と「こんな物でいいの?」と思うような物が好きだったりします。そしてレストランへ行っておいしいものを食べることよりも、たとえおかずが一品しかなくても母親が愛情を込めて作ったご飯を求め、そしてそれが「嬉しい!」と感じています。(「食事を作る」という行動は、相手の体や体調を想って作るため、「愛情」がないと作れません。)そして時間をかけてテーマパークへ行くことよりも、近くの動物園や近所の公園へお弁当を持って家族そろって出かける方が子供にとってはとても楽しく嬉しい経験なのです。
愛情を注いでいるつもりでもテレビがついていて母親・父親の意識が半分でもテレビにいっていたり、またどんなに楽しいテーマパークへ行っていても携帯メールに夢中になっていたら、子供は「自分に愛情がいっていない」ことはすぐに分かり、また心寂しく感じます。それは0歳児でも感じることです。「小さいから分からない」と思うのは大人の考えで、言葉が話せない分、両親の心の状態や精神状態は敏感に感じ、自分の存在をアピールするためにぐずってみたりするのです。
昨今、悲しい事件が頻繁に起こっており加害者となってしまった子供もニュースで取り上げられています。確かに相手に傷を負わせたことはいけないことですが、こういった子供達は実は被害者でもあると思います。乳幼児期に両親からの愛情をたっぷりともらっていないことによる結果だと思います。(すべてがそうだとは言えませんが。)こういった可哀想な子供達を作らないために、我が子にたっぷりの愛情を注いであげてください。いけない事をしたらその都度教えてあげてください。(そこには愛情をもって叱ってください。)時には「自分を大事」にしたくなると思います。でも子供に対する愛情は忘れないで下さい。その結果として人に愛され・人を愛する大人へと成長できると思います。
犬社会も示しているように、人間の子供も同じだと思います。母犬や兄弟犬のコミュニティーである「家族」という一番小さな社会から愛情をどれだけ受け、その社会から人と接する方法を「しつけ」という形で学ぶことが、乳幼児期にとってはとっても大切な事なんだと思います。