今日の出来事

一生懸命に毎日を生きる子どもの姿。そして、そんな子ども達に寄り添う、先生たちの思いを綴ります。

卒園式を終えて

2022年03月26日 | 今日の出来事
正装がまぶしい子ども達。

練習の時より、姿勢が良いみたい。
そう思ったそばから、足広がってるけど。
お、もどった。

座っていると、正面の装飾が気になるね。
右へ左へキョロキョロ。
パパやママからは見えない、子ども達の表情です。

証書をもらう間はじっと、園長先生を見ていましたね。
まっすぐに。
これも、パパやママからは見えない顔。
かわいい姿で、主役の務めを果たしています。

おしゃれをして式に臨んでいるけれど、ぎこちなさが、かえって子ども達を少し幼く見せました。
そのまま入園した1歳まで、記憶を一気に引き戻しました。

ママの足にしがみついて片目だけでこっちを睨んでいたな…
公園から帰らないってよく逃げてたね…
何かあるとすぐにワンワン泣いて…
食べる気があるのかないのかってことも…

それがこうして、立派に…。

式の直前、1階に下りて行ったら、いつものように駆け寄ってくれました。
その時握られた手の温かさは、ずっと変わってなかったね。

ちいさな背中

2022年03月21日 | 今日の出来事
「はい!」
多少の緊張を含む声の主に、視線が集まります。

意識して静かな足音。
卒園児としての自覚が、自然にそうさせています。

卒園式の練習です。
お客さん役の3,4歳児クラスの子は、クスクス笑ったり、私にちょっかいを出したり。
ぱんだ組さんにとって大切なことだと分かっているから、遊びに行きたいのを何とか我慢しています。
でもヒマだから、ちょっと先生の背中チクッとやっちゃえ。


卒園式本番は、あまり悲しくありません。
あまりこみ上げてこない。
なんとなく、理由は分かります。

正装に身を包んだ子ども達が、ずいぶんと大人びて見えるからです。
もうすでに未来へ向けて、大きな一歩を踏み出す覚悟を決めたような。
保育園生活とはさようならをしてきたような。
卒園式に臨む姿は、そんな凛々しさを身に纏っています。

だから、笑顔で送り出せます。
ブランコに乗った背中を押すみたいに。


練習は、もう卒園児の退場を残すばかり。
花を受け取って、来た道を通って保育室を出ていきます。

この時の背中には、胸が詰まります。

いつもの恰好のまま、少し伸ばした背筋には、とても多くのことが重なります。
あまり見つめることの無い背中。
笑いも泣きもしないから、だからこそさまざまな思い出が、自由に蘇るのかもしれません。

卒園まであと、10日。