ツバキ科のヤブツバキです。
通称は「椿」学名は「ヤブツバキ」だそうで、「山椿」ともよばれるそうです。
本州から四国、九州の海岸沿いで温暖な場所で見られる、常緑の小高木です。
房総半島では「照葉樹林帯」があり、その中や林の縁などに自生しています。
昭和の始めまで材は工芸品に利用されました。椿の炭は高級品で、灰は染色や日本酒の醸造に使われてそうです。
種子から採れる油は、灯りの燃料、食用油、刃物油、整髪量に使われました。
高さは5メートルから15メートルにもなります。幹が1本立ち上がり上部で枝分かれする樹形です。
葉は互生、先のとがった卵形で厚くて艶があります、縁には細かい鋸歯があります。
鋸歯は、サザンカより細かいのですが、並べてみないとわかりません。
これから早春にかけて花がさきます、紅色の花弁は5枚、中心に雄しべ多数が筒型に並んで花糸の下側は筒状に繋がっています。
雄しべの下側が繋がっているのは「サザンカ」との見分け方で、サザンカは離れています。
花弁は1枚づつはなれていますが、花が終わると5枚が付いたまま落ちます。これは花弁が1枚づつ落ちる「サザンカ」との見分け方です。
「ヤブツバキ」は野生椿の基本種で、八重咲きや色物など多数の園芸種が作られています。
化粧品で有名な「資生堂」を創業した福原有信が館山市生まれであったことと、市内の照葉樹林帯に「ヤブツバキ」が多かったことから、館山市の木とされました。
福原有信も、ふるさとにさいていた花を思い出して資生堂のマークにしたようです。
資生堂の椿は「花椿」とよばれるそうです。