なっちゃん農園たより

ネコじいじが、都会に住む農園主のなっちゃんに、農園たよりと館山の花だよりを送ります。
お花好きな方もコメントどうぞ。

チヂミザサ

2020年09月29日 10時11分07秒 | 野草

イネ科のチジミザサです。

北海道から本州、四国、九州に分布する多年草、林の縁や草地で見られます。半日陰の場所が好きなようです。

茎は地をはい、枝分かれして立ち上がります。

葉は互生、細長い卵形で先がとがり、葉脈が葉柄から葉先に向かいササの葉ににています。

葉の基部は鞘となっていて茎を巻きます。

葉は全体に波打ち、着物の「縮織」のようなので「チヂミザサ」とよばれます。

茎の先は花穂となり、多数の花がさきます。

花弁は無く、包穎2枚に包まれています。

苞穎から上向きにブラシのようなものが出ているのが雌しべ。

写真下の方で、下向きに垂れているのが雄しべの葯です。

花から針のような長い芒(ノギ)が出ます、種子が熟すと芒が粘つくので動物について種子が運ばれます。

受粉は風媒花ですが繁殖は動物に頼っています。

 


アカネ

2020年09月27日 10時22分47秒 | 野草

アカネ科のアカネです。

本州から四国、九州に分布する多年草、つる性で周りの低木や草をおおってしまいます。

茎の断面は四角形、細かなトゲがあります。

葉は対生、葉柄は長く先のとがった卵形の葉が付きます。

葉と同じ場所から托葉が出るので、4枚の葉が輪生するように見えます。

托葉は本来の葉と同じ形で、少し小さい。

葉の付け根から花枝をのばし、枝分かれして数個の花がさきます。

うすい黄緑色の花弁は5枚、大きく開きます。雄しべは5本、雌しべの花柱は2本に分かれます。

根は太いひげ状で濃い黄色、乾燥すると赤紫色になります。

乾燥した根を煮ると「茜色」の染料となります、「茜の根」なのでアカネとよばれます。

 


キハギ

2020年09月26日 10時02分42秒 | 野草

マメ科のキハギです。

本州から四国、九州に分布する落葉の低木。林の縁や土手などで見られます。

「ヌスビトハギ」などが多年草の草ですが、キハギは幹が立ち上り見るからに木の肌が低木なので「木萩」の名前が付いたそうです。

葉は互生、小葉3枚の複葉です。小葉は卵形で縁はなめらか、波打つ場合もあります。

花は短い花枝に房状に密生して、つぼみが順にさいてゆきます。豆科の蝶形の花です。

大きく立ちあがる旗弁は白色で付け根に青紫色のもようがあります。

中央の竜骨弁は白色、左右に着く翼弁は青紫色です。

種子は一粒づつ莢に入っています。

 


ゲンノショウコ

2020年09月24日 10時02分46秒 | 野草

フウロウソウ科のゲンノショウコです。

北海道から本州、四国、九州に分布する多年草、草地や崖、道ばたで見られます。

高さは20センチから50センチ、茎は細く地上を這って立ち上がり、枝分かれします。

葉は対生、長い葉柄を持ち3裂して葉先は細かく3枚から5枚に分かれます。

茎から枝分かれして花がさきます。萼が5枚ひらき、白色から紅色、うすい紫色の花弁は5枚開きます。

雄しべは10本、花糸の先に花粉袋がつきますが、写真では写っていません。替わりに雌しべの柱頭が5本に開いています。

ゲンノショウコの花は、雄しべがさきに成熟して花粉をだし、花粉袋が落ちてから雌しべが開きます。

雄しべがさきに成熟して、その後雌しべが開くのは自家受粉をふさぐためのようです。

花はこのあと子房がのびて、子房の付け根に種子ができます。

種子が熟すと子房が5枚に裂けて巻き上がり、根元の種子を遠くに飛ばします。

種子を飛ばしたあとの、子房が巻き上がった形がお神輿のようなので「お祭り草」や「お神輿草」とよばれます。

 


ヒガンバナ

2020年09月22日 13時49分17秒 | 野草

ヒガンバナ科のヒガンバナです。

中国原産の多年草、古い時代に米作りとともに日本へやってきたようです。

秋の彼岸頃に花をさかせるので「彼岸花」とよばれます。

別名「曼珠沙華」は仏教用語でサンスクリット語からきているそうです。

地中に球根を持ち養分を蓄えています、この養分で秋になると花茎をのばし花をさかせます。

花のあと花茎は枯れて、ニラのような緑色の細長い葉がのびて、春になるまで養分を蓄えるのです。

花茎から6個の花がさきます。紅色の花弁は細長く逆向きになるまで開きます。

長い花糸を持つ雄しべも6本少し上を向きます。

雄しべと思われる中に、花粉の入ったやくを持たないのが雌しべの1本です。

花がさいても種はできません、種の着くものを売らなかった中国商法は太古の昔から変わっていません。