なっちゃん農園たより

ネコじいじが、都会に住む農園主のなっちゃんに、農園たよりと館山の花だよりを送ります。
お花好きな方もコメントどうぞ。

ヤブカラシ

2022年07月31日 10時31分59秒 | 野草

ブドウ科のヤブカラシです。

 北海道南部から本州、四国、九州に分布する多年草、つる性で周りにある樹木に登り樹冠を覆います。

 また、地下茎を長くのばして、隣の宅地や離れた畑にも芽を出します。

 芽の部分だけ抜いても地下茎が残るので、絶えることはありません。

 葉は互生、葉柄は長く先端の小葉1枚が大きく、小さな4枚が柄側につく複葉です。

 小葉は先のとがった卵形で、周りには鋸歯があります。葉と対生して巻ひげが出ます。

 茎の途中から花枝がのび、数回枝分かれして散房花序に花がさきます。

 うすい緑色の花弁が4枚大きく開きます。大きな花盤があり、縁に4本の雄しべがのび、雄しべ期となります。

 花盤は紅色から橙色に変わると雌しべ期となり、花弁と雄しべが落ちます。

 花盤の中央に立つ雌しべの花柱は少しのびます、花盤には蜜がたっぷりとついて虫を呼んでいます。

 


ハエドクソウ

2022年07月29日 11時19分31秒 | 野草

クマツヅラ科のハエドクソウです。

 北海道から本州、四国、九州に分布する多年草、林の縁や土手の下など半日陰の場所で見られます。

 高さは30センチから60センチ、株側に葉が集まり花枝が立ち上がります。

 葉は対生、次の段の葉は90度ずれるので、上から見ると十文字になります。

 葉は細長い卵形で先がとがり周りには粗い鋸歯があります。

 花枝の先に花が対生してつきます。

 花は白色からうすい紫色、筒状で上下に先が開きます。

 上側は短い2枚が立ち上がり、下側は3枚に分かれて前方に長くのびます。雄しべは4本あります。

 花は下側から順に数個づつさきます、花が終わると下側を向き、「イノコヅチ」に似た果実がつきます。

 果実は先にトゲが有り、動物に付いて遠くに運ばれて繁殖します。

 下の写真では花枝の上側がつぼみ、花が2個さいて、下側はイノコヅチのような果実になっています。

 ハエドクソウの根を煮出して紙に塗り、この紙を細長く切って吊るし「ハエ」を取ったことから「蠅毒草」の名前がついたそうです。


ヤマハギ

2022年07月27日 10時13分42秒 | 樹木

マメ科のヤマハギです。

 北海道から本州、四国、九州に分布する落葉低木、林の縁や道路わきの土手などで見られます。

 高さは1メートルから2メートル、株から細い茎がのびて枝分かれするので群生して見えます。

 茎が細いので、土手などでは垂れ下がることが有ります。

 葉は互生、小葉3枚の複葉です。

 小葉は卵形で縁はなめらか、先端は「ヤハズハギ」のように凹む場合があります。

 茎から少し長い花枝をのばしてす、他のハギより花枝が長いのが特徴です。

 花は穂状花序に数個つき順にさきます。うすい紅色から紅紫色の花弁は5枚です。

 上側に大きな旗弁が立ち、下側に雄しべと雌しべを包む竜骨弁があります。

 竜骨弁は2枚、その左右を囲む側弁も2枚です。

 秋の七草の「ハギ」です。

 


マンリョウ

2022年07月25日 15時50分21秒 | 樹木

サクラソウ科のマンリョウです。

 関東地方以西の本州から四国、九州に分布する常緑の小低木です。

 木漏れ日のさす林内などで見られ、冬に紅色の果実がきれいなので庭にも植えられます。

 高さは60センチから1.5メートル、まわりに草や低い樹木があると首をのばします。

 幹は分かれずまっすぐ立ち上がります、株から新しい幹をのばすので数本並ぶこともあります。

 葉は幹の上部で枝をだし、一枝に数枚の葉がつきます。

 葉は細長い卵形で厚く光沢があります、先がとがり縁には全周に波打つような膨らみができます。

 葉よりも一段下がった幹から花枝を横に出します、花枝の先は4本から8本の花柄が分かれて花がつきます。

 白色の花弁は5枚、大きく開いて花柄側に反り返ります。

 花の中心に雌しべの花柱が長くのびて、黄色い雄しべ5本が囲みます。

 秋から冬にかけて紅色の果実がつきます。

 幹の表面に枝が取れた後が瘢痕として残っています、毎年上に上にのびた跡です。

 ここまでのびるに何年もかかるので、「千両」のように切り花にはできないのです。

 


ヤブミョウガ

2022年07月23日 10時36分57秒 | 野草

ツユクサ科のヤブミョウガです。

 関東地方以西の本州から四国、九州に分布する多年草、湿った林の縁や林の中で見られます。

 高さは50センチから1.5メートル、茎は1本で立ち上がります。

 地下茎をのばして増えるので群生しています。

 葉は細長い卵形、葉先がとがり、葉柄側も細くなります。縁はなめらかでつやがあり、葉柄は茎を鞘状に巻きます。

 茎の上部は花茎となり、花枝が段々に輪生して枝先に数個の花がつきます。

 花弁は白色で3枚、萼も3枚あります。

 一株の花の中に、雄しべの退化した雌花と、雌しべの退化した雄花が混じります。

 白い1本の花柱がつきだしたのが雌花で、雄花は6本の黄色の葯を持つ雄しべがあります。

 下の写真で、雌しべが無く、黄色っぽい花が雄花のつぼみのようです。

 秋には果実が青紫色から黒色になります。