毎日がちょっとぼうけん

日本に戻り、晴耕雨読の日々を綴ります

「日本語学科初の祖父母参観」 2013年3月6日(水)No.582

2013-03-06 20:31:57 | 中国事情
今日の1年会話授業は面白かった!

はるばる日本の大阪から海を飛び越えてやって来たお嬢さん一人と
そのお祖父さん・お祖母さんが参加してくれたのだ。
簡単に紹介すると、
お嬢さんとは中国帰国者三世の石田キコさん(関西大1年)。
お祖父さん、お祖母さんは生粋の中国人(黒竜江省ハルビン在住)。
普段滅多に会えない日本の孫が、
江西省の大学で2週間ボランティア交流すると聞いて
応援団としてともに南昌入りし、ご夫婦だけ旅館に滞在している。
(キコさんには留学生寮をオフィスが用意してくれた)。
週末は南昌市内などを3人で観光すると言っても、
平日は暇を持て余すのでは?と思った私は
(ちょうどいいから授業参観してもらい、ついでに手伝っていただこう)
いいことを考えちゃったのである。
で、今日の写真は全部お祖父さんに撮っていただいたものだ。(´∀`*)


全く言葉の壁が感じられない祖母と孫娘。
お母さん(帰国者二世)が、祖父母と話も出来ない子にだけはするまいと、
必死で幼い頃から中国語を教えてきたという。

一年生は正味まだ3ヶ月しか日本語を学んでいない。
今日の授業はそんな彼女ら彼らにも、
(日本語が話せるって、面白い!)という実感を味わってもらおうという試みだ。
キコさんには自己紹介を超短く、
「初めまして。石田キコと申します。大阪から来ました。
大学生です。どうぞよろしく」
だけにしてもらった。
その後、習った言葉をテキストからほじくり返して
質問作成(3分)。


その後、
学生たちの根掘り葉掘りの質問が開始された。
質問者は、キコさんが適当に名簿から指名したが、
当たった子の楽しそうなことといったらなかった。
中には「好きな人か、彼はいますか。」
と質問して、
「いいえ、いません。」
と言われると、
「それは残念ですね。」
と同情を示して、「キコさん余計惨め状態」を現出させた。
「大阪を案内しましょうか。」
と、まだ「~てください」を習っていない悲しさ、必死でお願いしていても、
私に「え?誰が誰を案内するの?」と、知ってて意地悪言われる子も。


休み時間は「写真を撮りましょうか。」
う~ん、「撮りませんか。」と言って欲しかったな(^O^)


ほとんどアイドル状態のキコさん。
左のユウケイヒン君が持っているのはお湯ポット。
ここでは飲料用と暖房用にお湯ポットは欠かせない。

最後の30分は、中国語が分からない私のために学生たちが通訳する、
ということで、
お祖父さん、お祖母さんにハルビンのあれこれをインタビューして
私に日本語で伝えてくれた。
美味しい食べ物、おもしろいもの、きれいなもの、生活の困難など、
なかなか分かりやすく日本語にしていた。
ウインナーソーセージ、アイスクリーム、龍タワー、スキー、スケート、
○○島(名前を忘れた)、松花江、センター大通り、氷祭り・・・。
説明を聞いて、すっかりハルビンに行きたくなってしまった。
最後にジョライさんの一言、
「先生、一緒に行きましょうか。」
で授業は終わった。
たった3ヶ月の日本語学習で、
そこそこ通訳できるまでになった1年生たち。
しかも、日本語をいかにも楽しそうに話すのだ。
これを教師冥利に尽きると言うのだろう。
このクラスには、今学期も英語学科の聴講生羅君が参加している。













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6 コメント

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田中先生に感謝 (石田キコとその祖父母)
2013-03-07 21:37:40
田中先生。
こんばんは。
只今お世話になっています。石田キコです。
お母さんからブログを教えてもらいました。
先生の授業に参加し、初めての1年生との授業なのに、自分も自然とクラスの一員になれたこと、先生の授業は素晴らしいなと思いました。

このブログを読んだ、祖父母からのメッセージ
私たちに授業を参加させてくれてありがとうございます。
先生の教え方の技術の素晴らしさを尊敬します。
是非、ハルピンに遊びに来てください。その時はガイドをかって出ます。是非生徒のみなさんも!
返信する
ありがとうございます\(^o^)/ (Unknown)
2013-03-08 23:52:24
田中先生のブログを見ながら、キコとおばあちゃんから、授業の内容が聞きました。キコはやはり違う国によって、授業の雰囲気も違うと言っていました。中国の大学生たちは先生たちを先輩よりも尊敬しています。
先生の言う事、例えば、みなさんテキストを一緒に読んでくださいと言ったら、学生たちは一斎に大きな声で読みます。おばあちゃんとおじいさんは自分大学卒業以来、50年経って、初めて大学の授業に参加できて、自分が主役となって、特に孫娘と一緒にする参加することができたことは、一生忘れないと言っていました。(中国の学校には、日曜参観とかがないので、とても印象的でしたとも言っていました。)写真を見て、このクラスは学生たちと田中先生の笑顔で溢れているなあと思いました。
返信する
授業の雰囲気が素敵!! (コオリ)
2013-03-09 16:01:13
先生の生徒たちがとても素直で明るいですね。
特にあの男の子ですがこの切っ掛けでこれから
日本語の勉強を一所懸命にする気がしますわ。(笑)
返信する
石田キコ様・お祖父様・お祖母様 (ブルーはーと)
2013-03-11 16:24:27
キコさん
一年生にとっては、実際に習った日本語を使って話す素晴らしい機会ができて、こちらこそ(TдT) アリガトウです。
日本に帰って、財大生との交流で感じた色々なことを周囲の友人知人に伝えてください。特に中国と日本の人々は文句なしに、トーゼンに、絶対に、仲良くなれることを必ず伝えてくださいね~( ´ ▽ ` )ノ
お祖父さま・おばあ様にも私が感謝していたことをお伝えください。
返信する
華恵さま (ブルーはーと)
2013-03-11 17:01:04
コメントありがとうございます(=^0^=)
キコさん、お祖父様、お祖母様の三人のおかげで普段と違った生き生きとした学習活動ができました。いつもは「読んで・真似して・暗記して」という単純作業でオハズカシイ・・・(//∇//)
キコさんが指摘したように中国の学生は教師を尊敬しています。教えられる者が教える者に尊敬や謙譲の気持ちを持たなければ、効果的な教育活動は成り立ちません。
(反面教師というのはありますけどね
そういう意味で、中国の学校教育は成果をあげています。
日本の教育現場(学校)は今の社会がヘンなので、そのとばっちりを受けています。教師たちの苦しさは大変なものだと思います。日本が中国の教育から学ぶものは、まず、施設設備以前の「教師への尊敬」だと思いますね。
それをぶち壊しているのが大阪では橋下市長でしょう。ε=(・д・`*)ハァ…
返信する
こおりさん (ブルーはーと)
2013-03-11 17:13:00
お久しぶりですね。
この大学日本語学科の学生は本当に真面目です。
何人もの子が早朝朗読と夜の朗読を毎日繰り返しています。私は自分の学生時代を振り返り、まるっきり違うので、この中国の学生達の勤勉さに感動しています。
こおりさんもきっと真面目な大学生だったんでしょうね。
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