毎日がちょっとぼうけん

日本に戻り、晴耕雨読の日々を綴ります

「日本からの交流生キコさんとの一週間」 2013年3月8日(金) No.584

2013-03-08 21:10:04 | 中国事情
今日でキコさんが大阪からやって来てまる一週間経った。

普段、中国人学生たちと日本語や日本事情、文学などの話をしていると、
どうしても中国と日本を対比して違いや共通性などを論じることが多い。
しかし、今週、キコさんとお祖父さん・お祖母さんの登場で、
その思考パターンには漏れがあることに気がついた。
それは的確な表現かどうかちょっと不安だが、
敢えて言うと『融合』的視点とでも言おうか。

ハルビンのお祖父さん、お祖母さんは先祖代々の中国人カップル。
キコさんのお父さんのご両親だ。
ずっとハルビンで暮らしている。
キコさんのお母さん方の祖父母は帰国者一世と中国人カップル。
戦後中国で育った日本人のお祖父さんと中国人のお祖母さんが結婚した。
キコさんのお母さんは帰国者二世。
お父さん、お母さんは中国生まれ。20年近く前に日本に来て、
ずっと大阪に住んでいる。
キコさんは1歳頃から今まで日本で成長を重ねてきた。
こうなってくると、どこからどこまでが日本人で、
どこからどこまでが中国人か、といった線引きが
ほぼ無意味な気がする。

はっきり実感できるのは、
哈爾浜から南昌まで孫娘をバックアップしようと
駆けつけたお祖父さん・お祖母さんの孫への愛情、
自然に任せていると日本語しか話せない子に育つはずのところを、
祖父母との交流を考え、何が何でも中国語をマスターするよう
娘を育てた日本のお母さんの家族愛、
それらを一身に受けてすくすく育ったキコさんという、
日本語も中国語も豊かに話す19歳の女の子の存在だ。

控えめなお祖母さんの眼差しの優しさといったらない。
教室へ授業参観に来てくださったとき、
1年生のある男の子は、お祖母さんの横にピタッとくっついて座り、
離れなかった。
この一週間、私は「中日友好」と言うより、
それを超えて「中日融合」みたいな愛と信頼オーラに包まれていた気がする。
それを振りまいてくれたのが
キコさん・お祖父さん・お祖母さんの三人組だ。

いや~、いい一週間だったなあ
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