廬山は高さが1474mある。麓までバスで行った。麓は、普通の土曜日なのにメチャクチャたくさんの人でごった返していた。「ゴールデンウィークには登山は無理」ということが実感された。どこへ行っても中国は、人、人、人だらけだ~。
しかし、山の空気はいい。北海道と同じだ。植物も北海道に生えているのとよく似ている。
総勢9名の部隊はしょっちゅう休みながら、それでも最後まで全員登った。私は山頂までバスで行くと信じていたので、荷物はナント!旅行用キャリーバッグということで、非常に、非常に場違いだった…。
それも全部親切でパワフルな九江学院仏教徒3人組が引き受け、私はSさんが1元で買ってくれた杖をついて登るという、まことに至れり尽くせりの身分におさまってルンルンと登っていった。
写真は、財大のデコボココンビ、範さん(中国の「赤毛のアン」)、劉さん(若い頃のアグネス=チャンをより楚々とした雰囲気)。範さんは、しゃべくりながら、歌いながら、ゼーハー言うので、そのゼーハーも歌の部分かと思うほど、にぎやかで、へこたれやすかった。赤毛のアンがよく自分のことをワーワー言って大げさに悲しんだり、意見を述べてみたりするのとまるで瓜二つの態度。控えめで気配りの劉アグネスさんとは好対照だ。それでも、二人は持ちつ持たれつ、登っていった。
途中、見晴らしが良いところでは、日本のように「ヤッホー」とは言わず、「あー!」と言うのが中国式だそうだ。しかしながら、彼女たちは日本語学科のエリートだけあって、「日本、ガンバレー!」とか「ガンバルゾー!」とか日本語で叫んでいた。(ああ、日本の困難な状態を気遣ってくれているんだ)と、不意打ちを喰らった胸がじゅわーんとなった
。
登山が終わったところで180元の入山料を取られた。なんかなあ…。日本の観光地では聞いたことがない。
登り切ったと思ったところに、1万人ほど住んでいる小さな町が出現した。中国ではないような不思議な雰囲気の町並に、誰かが「桃源郷みたい。」とつぶやいた。私も心で思っていたところだった。
廬山はたくさんの有名人が避暑に来たところだ。蒋介石&宋美麗、毛沢東&江青、江沢民の写真もあった。なんとまあ、パール=バックさんも。古いところではもちろん白居易(白楽天)さんも住んでいた。『枕草子』で有名な香廬峰というのは廬山の山々のうちのどれからしいが、どれかは分からなかった。どの山もこの山も、似たり寄ったりで、つまりどれでも山はいいものだ、ということなのだ。
山頂の町の雰囲気は、南昌などとは全く異なる、どこか外国っぽい避暑地。国際的観光地というのはどこもこんな風におしゃれになるのか、と思える。シアトルからカナダのビクトリア島に行ったときに感じた「作り物の世界の楽しい町」という雰囲気にも似ている。売られている品物も高いが、日本にもありそうな店が一杯並んでいて「南昌郊外の全家百貨にはこんなおいしいパンはない」と、つい7元もする豆入り食パンを買ってしまった。全家百貨では4.5元。安売りの日には3.8元だ。まあ、たまにはいい。いつも節約するのが当然の暮らしをしているので、その分贅沢しよう。(ケチくさい贅沢…)
それにしても、中国の人たちは買い物好きだ。夜9時過ぎでも、廬山の山頂の町はワイワイがやがや、廬山ブラする人々で迷子になりそうなほどだった。遠くから山頂を眺めて、誰がそのようなことを想像できるだろう。しかし、中国13億の民は、こんな山の上からもこぼれ落ちそうなほどの勢いなのである。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます