新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

士別小児科医過労死認定:時間外勤務と立証責任は使用者側に!

2008-06-13 06:36:27 | 医療

おはようございます

 

今日は出発前に皆さんに、士別病院小児科過労死認定をお届けします。

 

医師急死は公務災害 市立士別病院小児科、過労で 審査会が認定

(06/13 00:20)  

 

市立士別病院に勤務し、民間病院に転勤した直後の二〇〇三年十月に突然死した小児科医の男性=当時(31)=について、地方公務員災害補償基金道支部審査会が、医師の死亡を市立士別病院での過労の蓄積による公務災害と認定したことが十二日分かった。公立病院で地域医療を支える医師の過労が問題となっているが、医師の突然死が公務災害と認められるのは全国的にも珍しい。  

小児科医は、〇三年十月に富良野市の民間病院へ転勤した六日後、自宅で急死した。  

医師が勤務していた当時、市立士別病院の小児科医は定員五人に対し、三人だけだった。医師は〇三年四月から同九月まで、毎月の時間外勤務時間が百五-百五十七時間に上り、国の過労死の認定基準の月八十時間を大幅に上回っていた。  

遺族は〇四年、死亡直前に勤務していた民間病院について労災、市立士別病院について公務災害の認定をそれぞれ請求した。労災は認定されたが、公務災害は、「士別市立病院に時間外勤務の記録がない」として、同基金道支部が〇六年十二月に公務外と認定。遺族は処分取り消しを求め、同審査会に審査請求をしていた。  過労死弁護団全国連絡会議(事務局・東京)の集計によると、医師の突然死が公務災害と認められるのは全国七例目で、小児科医は初めて。代理人の高崎暢弁護士は「時間外勤務の管理と立証責任が使用者側にあると認めており、意義のある裁決結果」としている。

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まず、亡くなられた医師はかえってくることはないですけど・・・哀悼の意と過労死認定に関して喜びを申し上げます。

 

この裁決には二つの大きな意味があって、一つはもちろん過労死認定。

「記録がない」と言う理由から、過労死認定されていなかった医師が自宅に帰宅してからの突然死を「過労死」と認定された事

 

もう一つは「時間外勤務の管理、立証責任」が病院側にあると言う事

 

この認定により・・様々な意味で、病院側の管理責任が問われる事になります。

 

例えば、国立循環器の看護師の過労死訴訟。 実際の勤務記録と現実がずれている。

こういった問題は・・・病院側に責任があることになります。

「看護師・村上優子さんの過労死認定・裁判を支援する会」http://www.pure.ne.jp/~umasuhe/

 

僕も研修医時代に、血液+αのときは週に150~160時間働いていた事もあったので(睡眠時間1時間以下×7日・・・2つの階で患者さんが亡くなるまで・・・・ナンバー内科なので複数の診療科の重症を持たされて身動きが取れなくなりましたw)・・・。

 

 

今回は血液で帰る際に・・・昨日の女医さんではないですけど

 「命かけてやらねばなるまい」

と言うところですねw

しかし~この研修中死んでいたら、僕の勤務記録ってどうだったんだろw

ま、いいか(良くない・・・)。

http://blog.with2.net/link.php?602868

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なかのひと 

と言う事で、士別病院小児科過労死認定の報告でした。 では、また

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5 コメント

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Please forgive my rudeness. (エビ)
2008-06-13 08:34:53
先ずは、記事にして下さりありがとうございます。

彼女を想ってかけて下さる言葉だとしても、「おめでとう」や「よかったね」や”喜こび申し上げる”などの言葉をたくさんかけられ悲しまれてないか、それから少しでも護りたくて今彼女にmailしました。
過労死…労災や公務災害は認められても、めでたいことでは決してないのです。機敏な感情を汲み取って下さる先生に甘えて失礼を申し訳ありません。

他の医師の労働環境が改善へ向かうよう想っています。
返信する
言葉は難しいですよね (アンフェタミン)
2008-06-13 22:02:29
>エビさん
こんばんは、コメントありがとうございます

遺族にとってはどのような言葉であっても、亡くなった本人が帰ってくるわけではないと思うので・・・何を申し上げても難しいと思いました

めでたいとは思いませんが、まずは第一歩を成し遂げたと言う事で・・・・。

このことが多くの人の幸福に繋がる事を祈念しております

また、コメントいただければと存じます
返信する
ご冥福をお祈りします。 (ひろみ)
2008-06-13 22:31:57
先生こんばんわ。
・・そうですか。今年当市と小児科が統合されたS市の先生,残念ながら統合前に過労で亡くなっていたのですか。
地方の医師不足は、お医者さん、患者さん双方の不幸でしかないのにもかかわらず、今年も医療費を削減するという総理・経済財政諮問会議こそ、この世から消えてなくなって欲しいです。
返信する
ARIGATOU (エビ)
2008-06-13 22:59:10
今日Dedicateという記事に彼の遺した子への詩を書き、捧げました。

『Please』
Please don't be said to congratulations to this child.

This child's father died by death from overwork.

What did he die of?
Who killed him!?
Now, truth comes to light.

But please don't be said to congratulations to this child.
Because this child's father died.


アンフェタミン先生は違いますし、また傷つける為に言う訳でなくても、"画期的"だとかハッピーな言葉を彼らがかけられ複雑な苦しい想いをするのが私には辛くて。本当に悲しい思いをした者同士にのみ解る感情ではあると思います。
気持ちを汲み取って下さり、ありがとうございました。
返信する
同感です! (アンフェタミン)
2008-06-14 07:28:31
>ひろみさん
おはようございます。コメントありがとうございます

地方の医師不足だけではなくて、都会に関しても状況は悪化しています。それに気がついていないのは、現場を知らない政治家やお役人と、現場からずれている偉い先生方だけでしょう。

こういう方々には期待はしていません

医師不足に関しては、ひろみさんがおっしゃるように「医師」「患者」双方の不利益にもかかわらず、それがわかってきているにもかかわらず・・・「箱重視」の国や総理に関しては、厳しい意見を国民が出していかなくてはならないと思います

また、コメントいただければと存じます

>エビさん
おはようございます。コメントありがとうございます

遺族に関しては、悲しい出来事であることは疑いありません。また、エビさんのおっしゃっているように「物事が明るみに出て、はっきりした」と言っても、起こってしまった事は戻らないのですから。

ただ、他の悲しい思いをしている方々が、このことによって後押しされるようになれば・・・、また日本の医療問題なども更にピックアップされていくかもしれません。

病院が過重労働を管理しなくてはならなくなり、そのことで医師不足は明らかになるのですから。

また、コメントいただければと存じます
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