こんばんは
昨日は内科学会総会で発表してきました。とりあえず、無事終了しました。その行き帰りの電車で村上春樹さんの「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」を読んでおりましたが、なかなか読ませる面白い本でした(読み終わりましたが、また後日読むと別の面白さが出てきそうな気がします)。
さて、今日は先日書きました「勤務医の労務管理ツール?」という記事で、内容がわかったら・・・と書いたところ、情報提供をいただきましたのでそれに関する記事を書いてみたいと思います。
http://dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20130410_3.pdf
ステップ1 勤務医の労務管理チェックリストによる現状把握・分析
① チェックリストの回答・集計
[1]~[7]の5つの設問を一つずつ読み、勤務医の労務管理に関して当てはまるかどうかについて、「はい」、「いいえ」のいずれかにチェックを入れてみましょう。もし、すぐに判断できなければ「わからない」、にチェックを入れます。
回答がすべて終了したら、各分野の最終行にある「合計」欄に「はい」、「いいえ」、「わからない」の回答数(0~5)を記入し、「勤務医の労務管理チェックリスト 分析チャート」を作成します。
[1] 労働時間管理に関する勤務医への周知
1 就業規則を作成し、勤務医に周知しています。
2 労働条件は、すべての勤務医に対して明示しています。
3 労働契約書・労働条件通知書はすべての勤務医に対して交付しています。
4 時間外・休日労働協定(36協定)などの労使協定は勤務医に周知しています。
5 勤務表を作成し、勤務医に周知しています。
[2] 労働時間の適正把握
1 出勤・欠勤だけではなく、タイムカード・自己申告により労働時間数の把握を行っています。
2 カンファレンス・症例検討会に要した時間を労働時間としています。
3 残業命令に基づかない自発的残業であっても、業務上の必要性がありやむを得ず残業している場合には、労働時間として計算しています。
4 仮眠時間中に救急医療を頻繁に行うことが通常である場合、その仮眠時間は休憩時間ではなく労働時間として取り扱っています。
5 外勤アルバイトでの勤務時間を労働時間として把握し、通算して管理しています。
[3] 労働時間・休憩・休⽇の取扱い
1(変形労働時間制を採用していない場合)1週の所定労働時間は40 時間以内、1日の所定労働時間は8 時間以内となっています。
2 1ヵ月単位の変形労働時間制を実施している場合、対象となる勤務医・変形期間・週平均所定労働時間・起算日・始業終業時刻等を適正に定めています。
3 週1回、または4週間で4日以上の休日を与えています。
4 労働基準監督署長の許可を受けて実施している宿日直において、救急医療等の通常業務を日常的に行わせていません。
5 労働時間・休憩・休日の規制の適用除外となる管理監督者の対象者は、「部長」などの役職名ではなく、その職務内容、責任と権限、勤務態様等の実態によって判断しています。
[4] 時間外・休⽇労働協定(36 協定)
1 職員の過半数を代表する者等と36協定を締結し、所管労働基準監督署長に届け出ています。
2 36協定に定めている「延長することができる時間」は、「1ヵ月45 時間」などの限度時間内としています。
3 36協定に定める「延長することができる時間」を超えて労働させることはありません。
4 特別条項付きの36協定を締結している場合、その「特別の事情」は臨時的なものになっています。
5特別条項付きの36協定を締結している場合、その延長時間はできるだけ短く定めるように努力しています。
[5] 割増賃⾦
1 残業時間や割増賃金のカットなど、サービス残業等による割増賃金の不払いはありません。
2 時間外労働等に対して定額の割増賃金を支給している場合、その金額は基本給と明確に区分しており、基本給に含めていることはありません。
3 定額の割増賃金を支給している場合、突発的に時間外労働が増加し、定額の割増賃金額を実際の割増賃金額が上回ってしまったときは、その差額を支給しています。
4 労働基準監督署長の許可を受けて実施している宿日直において、救急医療等の通常の労働を突発的に行った場合には、その時間に対して割増賃金を支払っています。
5 割増賃金の算定基礎となる賃金から除外している諸手当は、住宅手当など適正なものとなっています。
[6] 勤務医の安全と健康の確保(安全衛⽣管理体制)
1 衛生管理者・産業医(常時使用する職員が10 人以上50 人未満の場合は衛生推進者)を選任しています。
2 衛生委員会を設置し、毎月1回以上開催しています(常時使用する職員が10 人以上50 人未満の場合は安全または衛生に関する事項について関係労働者の意見を聴く機会を設けています)。
3 常勤の勤務医について、1年(深夜業を含む者については、6ヵ月)以内ごとに1回、定期的に健康診断を行っています。
4 時間外・休日労働時間が1月当たり100 時間を超え、かつ、疲労の蓄積が認められる勤務医が申し出た場合は、医師による面接指導を行っています。
5「心の健康づくり計画」の策定など、組織的・計画的に施設のメンタルヘルス対策の取り組みを行っています。
[7] ⼥性勤務医の就労⽀援
1 妊娠中、産後1 年を経過しない女性勤務医から請求があった場合には、当直・日直勤務を免除しています。
2 産前6週間のうち女性勤務医から請求があった期間、および本人の就労希望の有無にかかわらず産後8週間は、休業させています。
3 勤務医から申出があった場合には、子が1歳に達するまで育児休業をとることを認めています。
4 3歳未満の子を養育する勤務医について、希望があれば利用できる短時間勤務制度を設けています。
5 妊娠、出産、産前産後休業の取得、深夜業免除などの申出をしたり、受けたことを理由として、退職を勧めたり、不利益な配置の変更を行うなど不利益な取扱いをしていません。
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これを本当に実施するためには、医師数がどれくらい必要なんでしょうかね?
前も書きましたが4年前の年度は僕が病院にいなかった日は2日間のみで、うち1日はJALSG(日本成人白血病治療共同研究グループ)の会議に参加したのみ。
3年前は一応年末年始+夏休みを合わせて10日間、2年前は教授から「お前は良くても、周りが休めなくなるから休め(僕もかなり疲弊していましたし、体重が10㎏低下していた時期だったので助かりましたw)」と言われて隔週で休み(といっても、本当にまずいときは病院に行きましたが)・・・ということで、医師数が少ない病院はこの環境は成り立たないと思います。
実際にこの環境を成立させるためには
「医師数を増やす」
「急に医師数は増えないから、病院の3分の1程度を閉鎖して、医師を集めて、その分搬送能力などを拡大する」
「病院内の業務の分担(特に事務など)」
を行う必要があるだろうな・・・。
現実的には望ましいものの実施不可能なのではないでしょうか?
いや、本来はそうあるべきだと思いますが・・・。これ36協定結んで・・・って医師数それだけで2倍以上必要でしょう?
3倍と言わなかったのは、どこかの病院は医師数に余裕があって交代制をくんでいたり、当直(その翌日は完全休養)制がきちんとしていたり…・しているでしょうから。
ついでに言うと・・・給料の関係・・・そんな超過勤務で給料にプラスされるのであれば、数年前の僕の勤務時間1日15~18時間(15時間は多分平日の最低でないか?)は病院にいるから・・・休日を含めると余裕で月に300時間労働になりますよ?
それを・・・40×4+45=205時間で残り95時間以上はどうするのだ・・・。
患者さんの診療の質を落とせないということはTriageしなくてはならない。
どう考えているのでしょうかね…日医や厚生労働省は・・・?
皆さんはいかが思われますか?
いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。