新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

埼玉県の小児科医療:秋口にはどうなっているのか?

2012-07-15 08:14:27 | 医療

おはようございます。

 

午後には新婚旅行に出発します。とりあえず成田までですけど。

そういうことで1週間はのんびり過ごしてまいります。

 

さて、出発前に一つ記事を。

 

埼玉の医療はもともと厳しい状況にはありますが、小児科医療において秋には撤退する病院がいくつも出そうです。秋は喘息などで入院する子供が増える季節です。そういった子供たちが入院できなくなるとか、残ったところに負担が行き過ぎて崩壊するとか・・・そういうことがないように祈っています。

 

 

 埼玉県志木市の長沼明市長は12日記者会見し、市立市民病院(同市上宗岡)の小児科入院治療を2カ月前倒して今月末で休止することを明らかにした。当直勤務する医師の確保が困難になったためで、長沼市長は「再開を目指す」としているが、見通しは立っていない。

 この問題は、小児科常勤医3人が3月末で退職する意向を示したのが発端。市が医師会など関係機関と対応を検討した結果、9月末までは常勤医2人を慰留し、運営費を一般会計から予算計上して入院治療を継続することとしていた。

 同病院では、非常勤医師46人を加えた輪番制で入院治療に必要な夜間休日の当直態勢を続けてきたが、週1~3回勤務していた医師3人が相次いで今月末までに勤務をやめるとの意向を示した。このため8月から当直に必要な医師数が不足し、入院治療が継続できなくなったという

 入院患者の大半は今月末までに退院する見通し。平日午前中の外来患者は引き続き受け入れるという。

 勤務をやめる非常勤医師は、「常勤する病院での治療に集中したい」などと説明したという。長沼市長は記者会見で、9月末まで入院治療を維持できなかった責任について「医師確保は志木市にあっては難しい問題」と述べ、調整には努めたとの認識を示した。

 県は10月以降の予定で周辺病院での入院治療受け入れを調整していたが、担当者は「8月に前倒しして調整するしかない」と話している。

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さいたま赤十字病院で常勤小児科医が全員退職の危機 新都心移転が影響か

http://sankei.jp.msn.com/region/news/120608/stm12060821250008-n1.htm

2012.6.8 21:23 (1/2ページ)

 さいたま赤十字病院(さいたま市中央区)で、小児科の常勤医師4人全員が退職の意向を示していることが8日、同病院への取材で分かった。同病院はすでに小児科専門外来への新規紹介患者の受け入れを中止、ハイリスク妊婦の受け入れも制限した。同病院は平成27年度に県立小児医療センター(同市岩槻区)とともにさいたま新都心に移転することが決定。高度医療は同センターが引き受けるため、医療関係者からは「軽度の患者しか診察できなくなると思った医師がやる気をなくしたのではないか」との指摘もある。

 同病院によると、小児科の常勤医は部長、副部長を含め4人。全員が秋ごろまでの退職を希望している。理由について同病院は「具体的には明かせないが、医局に戻る医師もいるようだ」としている。

 このため同病院では、今月から心疾患や糖尿病、脳性まひなどの小児科専門外来については、新規紹介患者の受け入れを一時中止。未熟児などに対応するため小児科医が立ち会うハイリスク妊産婦については「受け入れは困難」として予約に制限を設けた。期限は「未定」としている。

 この問題について、同病院の担当者も県の担当課も、新都心への移転問題は「関係ない」としている。ただ、医師でもある日下部伸三・埼玉県議(無所属)は、「県立小児医療センターと一体的に整備されて別棟で隣接するのでは、さいたま赤十字病院の小児科の存在意義が乏しくなるのではないか」と指摘する。移転後、重篤な患者の対応は小児医療センター、さいたま赤十字病院はそれ以外と分担が決まっているからだ。

(以下略)

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あとは光が丘もそうだし、ちょっと違う方向からの情報ではやはり埼玉県南西部の方で厳しい運営をしているところがあるという。

 

いや、まぁどこも厳しい運営をしていると思いますが・・・・。

 

どうなっていくのでしょうかね…埼玉の小児科医療。ひいては日本の小児科医療…もっと大きく、日本の医療は

基本的に医師が3人や4人で地域の医療をカバーしているというのは結構大変です。週に1,2回は当直をし…病棟の患者さんや急患の対応をしなくてはいけない

そうすると翌日はぐったりです。

 

何とか翌日を頑張る先生もいるかもしれませんし、休みだとしても・・・本当に寝るだけの休みになってしまうかもしれません。

あとはいつも書いていますが、医師も人間です。特に自分だけならどうにでもなるのですが、子供とか家族のことを考えたら、いろいろ時間が必要なんです。

 

と、僕は思いますが…皆さんは思われますか?

 

いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。

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それでは、また

 

 

 

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2 コメント

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Unknown (自滅)
2012-07-22 20:42:09
どの地域も医師確保苦労されてますね。鹿児島県鹿屋市みたいに地域基幹病院負担かけないように、開業医が夜間診療やって悲鳴上げた所もあります。本当に難しい問題です。話は変わりますが、赤十字職員のプライドが高い話を聞きます。海外で派遣される時、赤十字職員と一般病院職員とでは受け入れ国の態度が違う話を聞いた事があります。赤十字はナイチンゲールの実質造った所で博愛精神の元政治的中立立場でやっているから待遇が違うのこと。だから赤十字を集団退職するのはあるのかとビックリしました。
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無私の精神 (アンフェタミン)
2012-07-23 21:22:18
>自滅さん
こんばんは、コメントありがとうございます

医師確保に関しては実数が足りていないので、どこも苦労しているのだと思います。一人一人の医師の経験が少なくなるという意見も聞かれますが、それでは医師が持たないこともあります。
それは勤務医も開業医も同じですよね。勤務医の負担が開業医に行けば、開業医もつぶれていくわけで。

赤十字のプライドに関しては…おそらく一定のものがあるのだろうと思います。日本はその赤十字ブランドがどれほどかはわかりませんが、諸外国では・・・。

日本では驚くべきことではないのかもしれません。僕も大きな病院というほかに赤十字にイメージはないです。日本だったら。

日本の医療従事者は赤十字はもちろん、他の医療機関も身を粉にして働いていますから。

また、コメントいただければと存じます
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