新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

本田宏先生の訴え:せめて先進諸国レベルまで医療費と医師数を!

2008-05-28 21:41:02 | 医療

こんばんは

今日は出張して、何でも屋をしていました。何でも屋ですので、いろいろやります。

 椎間板ヘルニア、シンスプリント、ヒ骨骨折(ひびくらいだろうけど)など整形外科関係から・・・ 先日健康診断で見つけた方・・・とか(結局、あさって僕の外来に来て検査をして・・・という流れで行く予定)。

 

 ただ、今回のTopicsは「麻疹」ですね。今日・・・臨床的診断2名ですね。

2回目の発熱と同時に顔面主体に体幹部へ広がる発疹があり、麻疹のワクチンも感染暦もない。 コプリック斑もあるし~。一人は微妙だったので(コプリックが)保健所への報告はせずに様子を見ていますが・・・(というか、2日前に発疹がでて、すでに色素沈着し始めていたので、今更と思い・・・今週仕事を休ませました)。

 

さて、今日はCBからこの記事です。本田宏先生が医師不足の現状と医師の増員の必要性、そして国民の責任に関して訴えられました。

 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080528-00000004-cbn-soci

爆発的医療需要に備え医師増員を  

現役の外科医として臨床に携わる傍ら、全国各地で医師不足などの医療問題をテーマに講演している埼玉県済生会栗橋病院副院長の本田宏さんが5月28日、さいたま市内で開かれた連合埼玉の政策フォーラムで、日本の「医療崩壊」について語った。本田さんは、米国や英国など先進諸国が高齢化に備えて医師を増員しているのに対し、日本では医師数を抑制していることを批判。「このままでは医療ばかりか日本が崩壊してしまう。医療崩壊を食い止めるのは、医師を含む国民みんなの社会的責任だ」と訴えた。  

 

日本の医師数は約26万人で、人口1000人当たりで比較すると世界63位にとどまり、経済協力開発機構(OECD)加盟国の平均と比べると、約14万人不足している。このまま推移すると、2020年にはOECD加盟国の中で最下位になるという予測に触れ、本田さんは「日本の医師数について厚生労働省は偏在としているが、そうではなく絶対数が足りない」と指摘。医師が不足する中、特に勤務医は当直を含め36時間連続勤務を強いられるなど、過酷な労働環境に置かれていることを紹介し、「高齢化や医療技術の進歩に伴って医師数を増やしている世界のグローバルスタンダードから、日本は大きく立ち遅れている」と述べた。  

「医療崩壊」については、英国がサッチャー政権時代に医療費を抑制したため、手術の半年待ちなどといった異常事態を経験したことを指摘。その反省から、英国では医療費を国内総生産(GDP)比10%を目標に増額し、医学部の定員も50%増にする政策に転換したものの、劇的な効果には至っていないため、「医療は一度崩壊すると、元に戻るまでに相当の年月を要する」と警告した。  

また、既に日本よりも人口当たりの医師数が多い米国が、将来の高齢化に備えて医師の増員を図っていることを取り上げ、「今後、団塊の世代が高齢化していく日本では、爆発的な医療需要が発生する。大量の医療難民を出さないために、日本の総医療費を国力に見合うよう、G7(先進7か国)並みのGDP比10%に引き上げる必要がある」と強調した。  

 

財源については、「ガソリン税をはじめとする特別会計や公共事業の無駄遣い、特別会計などの『霞が関埋蔵金』を見直すことで、医療に公的資金を注入することは十分に可能だ」と指摘。その上で、「医療は国民の『命の安全保障』。医療や介護など社会のセーフティーネットを整備することで、国民は安心して経済活動や社会活動に専念できるし、永続的な雇用効果も生まれる。医療関係者はもちろん、国民も医療現場の正しい情報を共有し、日本の医療を立て直すために発想の転換を図り、医療崩壊阻止への決断に踏み出すべき時が来ている」と訴えた。

更新:2008/05/28 20:19 キャリアブレイン

--------------------------------

本田先生の講演は非常にわかりやすく、笑いありで非常に面白いです。

 

それはさておき、医療に関して 「医療費の増額と医師の増員は必要であり、医療費はその性質上、公的資金を投入するべきである」 と、僕も思っています。そして、その資金は特別会計(一般会計の2倍くらいでしたっけ?)や公共事業費などの見直しで可能であるというのも同意見です。

 

医師の増員に関しては、イギリスと同じ政策は取れないと僕は思っています。50%もあげたら、今の大学では教えきれないと思っていますので、少なくとも何か一つアクセントを入れなくてはならないと思います

 

 ただ、どのような方策も「医療費を上げる」「医師数を増やす」という事が、国策として決められてから動き出すものですし・・そう決まれば、僕も「職場から退散」して、そういう仕事にも協力したいという思いがあります。

 

もちろん、死ぬまで「臨床家」として・・・血液腫瘍や臨床腫瘍学を、研究者として腫瘍関係の研究をし続けていくことは、心に決めていますが・・・。

いずれにせよ、本田先生がおっしゃるように「医療費の増額」「医者の増員」をせめて「先進7カ国」レベルまで上げる必要は在るのではないかと思っています。

 

どうせ、追いつくころには・・また突き放されているでしょう。更に分野や生活の場所が広がってしまい、更に不足しそうな気がします。

 

まとめます

 

本田先生がおっしゃるように、せめて先進7カ国レベルまで医療費や医師数を上げていくことで、日本が完全に医療崩壊をする前に立ち直らせる事が必要だと思います。

一からの再生は・・・かなり厳しいものになると思われますし、壊れるのが予想できるのに放置するのは問題ありだと思います。

同感だと思われる方は、応援をよろしくお願いいたします

http://blog.with2.net/link.php?602868

人気ブログランキングへ

なかのひと 

また、何かあれば記事を追加します。

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 森永卓郎氏の意見:質を下げ... | トップ | 麻疹の流行とインフルエンザ... »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
シンプルが一番。。 (ひろみ)
2008-05-29 22:15:19
先生こんばんわ。
最近また涼しいですね。

本田先生のお話、ほんとにシロウトにもわかりやすくてうれしいです。
(それに比べて後期高齢者医療制度の内容とかは、何度聞いても複雑怪奇で・・しくしく)

ともかく与党は逃げ隠れせずに正々堂々と選挙して、医療費をどーんと増やしてほしいです、一日も早く。

どう考えてもこの先道路に59兆円も要らないし、特別会計も不透明分だけで年間12兆円もある?という話なので、借金で財源がないから削る・・というのは大うそつきだと思います。

アンフェタミン先生が研究・命なのはよくわかりますが、是非、お仕事をベースにこの国の医療の再生にかかわる方向もお心においといてくださいね。

先生やエビさまに教えていただいた横井しょうなんのお言葉を思い出しつつ・・。
返信する
医療の再生への道 (アンフェタミン)
2008-05-30 23:04:14
>ひろみさん
こんばんは、コメントありがとうございます

最近は涼しいというか、寒いというかw

本田先生の話は、本当に聞いていてあきませんね。面白いです。

特別会計不透明分、埋蔵金と呼ばれる類のものをしっかりと処理して、うまく制度を作り直していければよいと思います。

何も考えずに使うのは問題ですが、ためておくだけなのは宝の持ち腐れ以外の何者でもないと思います

診療も研究も、臨床も全て頑張りたいと思います

また、コメントいただければと存じます
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

医療」カテゴリの最新記事