「紀伊半島旅行記(その28:奈良④)」のつづきは、奈良県立美術館で観た「アメリカ現代美術の巨匠達」のお話です。
この展覧会は、副題に「CCGA現代グラフィックアートセンター所蔵版画名品展」とあるように、大日本印刷が開設(運営はDNP文化振興財団)したCCGA現代グラフィックアートセンターの所蔵展なわけなんですが、気前よく、撮影可でした。
その代わり(?)、図録が貧弱(出品作品の作家の紹介がメインで、図版は1人1点のみ。でも用語解説は丁寧です)なのはご愛敬でしょうか?
それはさておき、私の版画に対する常識を覆す作品がドッと展示されていて、かつ、その作品も素晴らしく、かなり満足できました。
「私の版画に対する常識を覆す」というのは、この大きさ
ジェームズ・ローゼンクイストの「時の塵」は2.2m×10.7mもの大作、こんなに大きな版画は見たことがありませんでした
このCCGA(Center for Contemporary Graphic Artの略らしい)所蔵の作品も、上にリンクを貼ったテート・モダンの作品も、制作したのはタイラー・グラフィックスという版画工房です。
CCGAのコレクションの柱は、
アメリカ現代美術史を彩るアーティストたちが版画工房タイラーグラフィックスとのコラボレーションで制作した版画作品群「タイラーグラフィックス・アーカイブコレクション」と、国際的に高い評価を得ている日本の現代グラフィックデザインの秀作を一堂に集めた「DNPグラフィックデザイン・アーカイブ」の2つです。
だとか。
巨大なもの以外にも、複数の素材を用いたもの(リキテンスタインの「クラッシュに反射」)とか、
立体的なものもあって、「版画」の広さを感じることができました。
上に載せたアラン・シールズの「ボックス・スウィート・ジェーンの卵、3点組:II、ルーズヴェルト・セット」を観て、こちらの記事を思い出しました…
さて、この「アメリカ現代美術の巨匠達」展、冒頭は、ポスターにも使われている(だから私の目に止まった)リキテンスタインの作品でした。
う~ん、欲しい… 「お持ち帰り」したいゾ
リキテンスタイン以外にも、ホックニーの作品とか、
日本美術の影響を受けていそうなエド・ベイナードの作品も良かった
この展覧会では、現代アメリカのアート作品だけではなく、日本人の作品も展示されていまして、これがまた楽しかった
まず、奈良県立美術館のコレクションから田中一光の作品なんですが、その展示の仕方がExcellent
書院造りを再現した「和室展示室」の床の間に額装の現代アート
不思議と違和感がありません
こういうのもアリ と思いました。
そして最後は、現代の浮世絵師、寺岡政美の作品。
ひやぁ~、楽しい
古都・奈良で現代アートを楽しませていただきました
これで観覧料800円というのは安いなぁ~。
と満足感に満たされて展示室を出ますと、、、
「次回以降の展示案内」って、雑誌かTV番組みたいですが、これってかなり目新しい、そして楽しい企画だと思います。
奈良県立美術館のコレクションは、近・現代アートが多いようです。(日本有数の国宝密集地ですから古美術を集めてもねぇ…)
古美術や古建築見物のお口直しにちょいと立ち寄るのも、奈良観光の良いアクセントになりそうな気がします。
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