新・徒然煙草の咄嗟日記

つれづれなるまゝに日くらしPCにむかひて心に移りゆくよしなし事をそこはかとなく紫煙に託せばあやしうこそものぐるほしけれ

愛知(名古屋・犬山)旅行記(その6)

2014-01-13 19:56:20 | 旅行記

1週間以上の中断を挟んで「愛知(名古屋・犬山)旅行記(その5)」のつづきです。

名古屋城を楽しんだ私は地下鉄名城線に乗り、金山駅へ。
「金山総合駅」の南口を出ると、すぐ右手にそびえ立つ高層ビル名古屋ボストン美術館がありました。

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これほど交通至便な美術館・博物館って、そうそうあるものではないと思います。

ところで、「総合駅」って名前を初めて聞きました。
「名○」「基幹バス」と並ぶ名古屋語かもしれませんな。

140113_1_01それはさておき、名古屋ボストン美術館では、この日、12月21日から「ボストン美術館 浮世絵名品展 北斎」が始まっていて、私は1ヶ月前から前売り券(1,000円)を準備してこの日に備えておりました。

おぉ、立派な柱 っつうかオブジェ

140113_1_03 いわゆる「イオニア式」ってヤツですな。

   

今を去ること8年前、東京国立博物館(東博)「北斎展」を観ました。

このときは、東博の特別展おきまりのすんごい人出で、とてもじっくり鑑賞する雰囲気ではありませんでした。加えて、出品作が多くて、じきに飽きてしまい、途中からは足を止めることなく順路に従って会場を歩き続ける始末…
おかげで、「北斎展」「混んでいた以外の印象が残っていません

それに比べると、名古屋ボストン美術館での「ボストン美術館 浮世絵名品展 北斎」は、寂しくない程度の観客数で、思う存分、北斎の作品を楽しむことができました。
これは旅行の醍醐味の一つかもしれません。

この「ボストン美術館 浮世絵名品展 北斎」で、良いなぁ~と思った作品を、出品目録に印をつけてきました。
その作品は以下のとおりです。

19 瀬川路之助の女房こむめ (1807)
23 吉原遊郭の景 (1811)
30 しんはんくみあけとふろふゑ 天の岩戸神かぐらの図 (1808-13)
38 富嶽三十六景 五百らかん寺さゞゐどう (1831前後)
75 紫陽花に燕 (1933-34前後)
87 百橋一覧 (1823頃)
104 百人一首うわかゑとき 持統天皇 [校合摺] (1935頃)
137 朱鍾馗図 (1811)
139 寿字と唐子図 (1845)

上に挙げてはいませんが、代表作の「富嶽三十六景」から「凱風快晴」「神奈川沖浪裏」も素晴らしくて後光が差しているように見えました。
でも、この2点を挙げるのは、ちょっとまともすぎて…

「富嶽三十六景」といえば、私が楽しみにしていたのは、地元尾張からの視点で描かれたこちらの作品でした。

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制作中の桶の向こうに富士山が見えるという、北斎らしい計算尽くの名作「尾州不二見原」です。
なんでも、桶の向こうに見える山は富士山ではない名古屋から富士山は見えない、というのですよ。

ちょっと前に観たTV番組でこの事実を知った私は、意地悪く、この作品が名古屋ボストン美術館で展示されているのか、もし展示されていればどんな説明がつけられているのか、興味津々でした。

んで、この展覧会で展示されていた「富嶽三十六景」21の中に、「尾州不二見原」はありませんでした…

ちょいとがっかり

でも、上に挙げた「五百らかん寺さゞゐどう」楽しいなぁ~

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一人を除いて、みんな後ろ姿だというのがイイ

これと似たような理由で、こちらの作品「甲州 三嶌越」も好きです。

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巨木を前にした旅人たちが、富士山なんかそっちのけで、みんなで手を繋いで幹周りを測っています。

江戸時代の庶民は、物質的には現代人より貧しかったに違いありませんが、この好奇心というか、遊び心というか、その精神的な余裕に私はほれぼれしてしまいます。

一緒に飲んだらさぞかし楽しいだろうな…

   

ここで、私が気に入った作品について、順不同でザザッと感想を書いておきましょう。

まず、瀬川路之助の女房こむめ

140113_1_07 カッコイイ
不自然なポーズながら、この安定感は凄いと思います。

次は「朱鍾馗図」

140113_1_08

 

魔除け絶大な効果を発揮しそうで、実家の床の間用に「お持ち帰り」したかった作品です。

次は、史料としても価値が高そうな「吉原遊郭の景」

140113_1_09z

大判5枚続の大作で、「洛中洛外図」ばりに、じっくり見始めたら、この作品だけで1日が暮れそうです。

きょうは、こんなところで、「その7に続く…

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