私が使っているブログ人の機能に「アクセス解析」というのがあります。私のブログをご覧になった方々が、どこのサイトのリンクからやって来たかを見ることができます(「誰が」まではIPアドレスも含めて判りません)。そして、検索サイトからのリンクだった場合には、検索ワードを見ることもできます。
これがなかなか面白い TVのリモコン受光窓がセンター・スピーカーで隠れてしまう(こちらとの記事)とか、双眼鏡がベタベタになった(こちらとこちらの記事)とか、私と同じ悩みを抱えている人が相当いることが判ったり、同好の士のサイトを発見したりとか、かなりの楽しさです。
そんな、私のサイト(こちらのページ)にやって来た人が参照した検索結果をタラタラと見ていますと、あるサイトで注目すべき本を見つけ、さっそく注文しました。
Ounce Dice Trice (New York Review Children's Collection) 価格:¥ 1,503(税込) 発売日:2009-09-08 |
詩人であり翻訳家であり随筆家でありラテンアメリカ文学の研究者であるAlastair Reidが書いた子ども向けの「ことば遊び」の本で、わが敬愛するBen Shahnが挿画を描いています。中味をちょっとだけご紹介
左上の「はさみで紙を切り刻む」絵、良いですなぁ~。あれ? 右利き用のはさみを左手で持ってますねぇ。
ところでこの本、声に出して、ことばの響きを楽しもうというもので、新聞や雑誌では見かけないことばがたくさん出てきます。辞書を片手に読むのは興ざめなので、著者の趣旨に従って、単純に楽しむことにします。もちろん、Ben Shahnの絵は存分に楽しませていただきますよ。
と、「ことばの意味はさておいて」のつもりながら、この本のタイトル「OUNCE DICE TRICE」が気にかかります。読み上げると、「アゥンス、ダイス、トゥライス」。「ce=ス」の脚韻を踏んでいて、なんとなく、「One Two Three(1・2・3)」っぽい感じがします。
辞書を引くと、Ounceは重さや液量の単位である「オンス」、Diceはサイコロ、Triceは「ロープで吊り上げる」という意味だそうで、やはりことばの意味そのものではなく、「語感重視」のようです。
本をペラペラめくると、その答えが見つかりました。
「one, two, threeと数えるのに飽きてしまったら、君だけの数え方を作ってみよう」という趣向で、こんな「数字」が例示されています。
- OUNCE (オンス)
- DICE (サイコロ)
- TRICE (吊り上げる)
- QUARTZ (石英・クオーツ)
- QUINCE (マルメロという植物)
- SAGO (サゴヤシからとったデンプン)
- SERPENT (ヘビ、へび座)
- OXYGEN (酸素)
- NITROGEN (窒素)
- DENIM (デニム)
我ながら、良い勘です。良い勘ついでに思ったのは、この「数詞」たち、何かの規則性を持っているのではないかということ。
例えば、音楽では、2重奏:Duo または Duet、3重奏:Trio、4重奏:Quartet、5重奏:Quintet、6重奏:Sextet、7重奏:Septet、8重奏:Octet、9重奏:Nonet、10重奏:Dectet です。頭が一致しています(子ども向けの本で 6:Sex はまずいでしょう)。
もう少し遡ってみましょうか。音楽用語はイタリア語が基本ですから、イタリア語の元のラテン語の数詞を眺めてみます。
- ūnus
- duo
- trēs
- quattuor
- quīnque
- sex
- septem
- octō
- novem
- decem
イタリア語でもラテン語でもあまり変わりませんな。
でも、Alastair Reidがラテン語系の接頭で数詞を作ったらしいことは推察されます。
ここに至って、ちょっと気になることが…。
それは、
7. septem
8. octō
9. novem
10. decem
のところ。
septem⇒September(9月)、octō⇒October(10月)、novem⇒November(11月)、decem⇒December(12月)と、見事に一致します。
これは、この記事を書きつつ、スペルチェックしている時に判ったことですが、September~Decemberはそれぞれ「7~10番目の月」という意味で、ローマ暦の7~10月なのだとか。
なぜローマ暦は現在の暦と2ヶ月ずれているのか、興味がわきます。
ですが、かなりダラダラ状態になってきましたので、つづきはまた後日。
【追記】最後の部分にかなり明らかな間違いがありましたので修正しました。(09/10/11 19:07)
つづき:09/10/13 「ローマ暦」を調べてみました