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シリア政権、国連加盟国の権利  文科系

2017年07月30日 | 歴史・戦争責任・戦争体験など
 以下の文章は昨日の「シリア論争 僕なりのまとめ」の続編に当たる。内容は、この6項目の国連法的考察ということだ。つまり、こういう国連法があるから昨日の6項目は正しいということを論ずることになる。なお僕には、日米マスコミがこういう論点を全く放棄しているように見えるのである。ネトウヨ諸君が国連を語ったことがないのは、日本関連のことしか知らないだけではなく、イラク戦争のように世界の警察官に励むべく国連を無視してきたアメリカ世界戦略の産物でもあると観てきた。


 昨日の「シリア問題、僕なりのまとめ」の箇条書き6点を、ほぼこのままエントリー以前に書いたコメントに、1970さんから、4本のご応答があった。その応答内容が国際法上極めて重要な事項に抵触する言葉、考え方が多いと読んだので、ここにエントリーとしてお応えすることとした。
 70さんの応答内容が抵触する主要な論点は三つあるだろう。一つは、国連憲章第2条「(国連の)原則」第4項の「領土保全又は政治的独立」にかかわるもの。ついで、同じく第7項「いずれかの国の国内管轄権内にある事項に干渉する権限」に関わるもの。および、これら2条に示されたような権利享受を認められた加盟国の重要さに鑑みた「第2章 加盟国の地位」と、これを巡る加盟手続きである。
 以下、70さんの問題文章を上げて、以上を論じてみたい。

①『独裁者による限度を超えた圧政や民衆の虐殺を正当化する国際法なんてのも何処にも無い』
 虐殺や独裁を正当化する法律は確かにどこにもない。だが、国連加盟国には守られる権利が数々あるのだと示してみよう。
 第2条第4項は「領土保全又は政治的独立」を保証していて、「武力による威嚇又は武力の行使」を受けないことになっている。
 また、加盟国の内政問題には国連でさえ、ましてや加盟各国は干渉できないというのが、2条7項である。
 例えば、アメリカによるシリア空軍基地へのミサイル打ち込みが以上の国連法に違反するとは、世界の法律家のほとんどが解釈することだろう。

②こういう国連と加盟各国であるからこそ、国連加盟国問題は非常に厳格なものだ。加盟承認と、「加盟国としての権利及び特権の禁止」、「加盟国の除名」などは、国連総会決定事項とされており、しかもそこで3分の2の多数を要することになっている。日本国憲法改正のような重々しさと言える。国連から見たアサド政権とは、何よりも「こういう存在だ」ということを強調しておきたい。
 国連は独立国単位の加盟組織であるから、そしてどんな国にも内乱や政権交代があるのだからから、「加盟国とは何か」というのは極めて重要な視点、話題になる。

③ では、70さんが心配されているやのこういう問題は、どうなるのか。
『まあホントにそんなこと考えてるなら(と、昨日の僕の6項目を挙げて)・・・世界に蔓延る独裁者達が泣いて喜ぶよ』
『加えて国際法ってやつは残念ながら、法的拘束能力も強制執行機関も無い。独裁者の殺戮に怯える民間人は誰に頼ればいいんだ? その視点が決定的に欠けてるよ』
 こう言える側面が、国連法に存在するのは確かだ。自衛権の発動と安保理の承認があった時以外は、武力の行使は出来ないのだし、武力行使が、相手国の「国内管轄権内にある事項に干渉する権限」に関わるものであるならば、「安保理の承認」議題にさえ上げられないのである。よって、以下のような解説も必要になろう。

④ 民主主義にもとる強権的政権の改善は、現在の国連法に関する限りなによりも国民がやることとされている。それが、第2条第7項「いずれかの国の国内管轄権内にある事項に干渉する権限」(の禁止)、つまり、革命の輸出による被害の方が遙かに大きかったと、数々の歴史から学んだ結果なのだ
 古くはベトナム戦争。国連の制止を振り切って敢行され関連死含めて50万の死者を出したイラク戦争。アメリカ、サウジ、カタールなどが関わった外からの猛烈なシリア内乱工作。これらの被害がどれほど大きかったか!
 またちなみに、これらの戦争で攻め入られた国連法上の独立国政権側が例えばロシアに支援を求めるのは、国連法で言う自衛権に属することとさえ見うるのではないか。
 また、アル・カーイダ、イスラム国、シリア・ヌスラ戦線、世界へのテロの拡散、膨大な数の難民。これらすべてが、徒な外部からの干渉の産物だったという側面も見ておかねばならない。アサドの残忍さなるものでさえ、彼らとの間のこういう憎しみの連鎖、このエスカレートの結果、産物とも言えるのである。外から憎しみの連鎖を駆り立てるのは、国際法上最悪の行為ということであろう。

 こういう憎しみの連鎖の結果あれこれを、「シリアの友」側から一方的に見る論調は、以上全てから言って国連法の見方ではない考える。つまり、「いずれかの国の国内管轄権内にある事項に干渉する権限」は、これを認められないということだ。現在までの国際法では、そういうことしかできない。
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1 コメント

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Unknown (sica)
2017-08-01 04:03:51
>アサドの残忍さなるものでさえ、彼らとの間のこういう憎しみの連鎖、このエスカレートの結果、産物とも言えるのである。

アサド政権が一番攻撃したのは、ISなどのテロ組織ではなく、一般市民に対してです

>国連法上の独立国政権側が例えばロシアに支援を求めるのは、国連法で言う自衛権に属することとさえ見うるのではないか。

ロシアに支援を求めることは何ら問題ではありません
ただし援軍であってもロシア軍による一般市民を目標とした攻撃は当然ながら戦時国際法違反です

アサド・ロシアが行った「市街地への無差別空爆」は明らかな戦時国際法違反であり、非難されるべきものです
ましてや、病院や学校を空爆したり、市街地ど真ん中にクラスター爆弾を投下するとか、正気の沙汰ではありません

シリアはもともと少数派で迫害されていたアラウィ派が、国民の8割を超える多数派であるスンニ派を、武力により抑え込んで政権を建てたのがアサド(アラウィ派))です
「アラブの春」の影響により国民の大多数であるスンニ派が反政府活動に走るのは歴史の必然です
そしてそのような「少数派が多数派を支配する」という構図を作ったのは、英国やフランスです

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