九条バトル !! (憲法問題のみならず、人間的なテーマならなんでも大歓迎!!)

憲法論議はいよいよ本番に。自由な掲示板です。憲法問題以外でも、人間的な話題なら何でも大歓迎。是非ひと言 !!!

自民党が憲法改正の原案まとめる。    大西五郎

2012年02月29日 18時58分22秒 | Weblog
東海放送人9条の会に大西さんが投稿された原稿を転載します。
                              らくせき

自民党が憲法改正の原案まとめる。
天皇を元首に、自衛軍を保持する。
                         代表運営委員 大西 五郎

 自民党は憲法の改正案を練っていましたが、28日の憲法改正推進本部の会議に
起草委員会の原案が示されました。
 それによりましと、「わが国は、長い歴史と固有の文化を持ち、
日本国民統合の象徴である天皇を戴く国家である。」と前文に明記し、
天皇を「元首」とするとしています。
そして国旗、国歌について「日本国の象徴として法律で定める。」とした上、
国民が尊重することを義務付けています。

集団的自衛権の行使に道を開く

 第9条については、「戦争の放棄」は維持するものの、
「首相を最高指揮権者とする自衛軍を保持する。」とした上、
集団的自衛権の行使も念頭に、「自衛権の発動を妨げるものではない。」
としています(朝日新聞)。
有事やテロ、大災害の際の緊急事態が発生した場合は、
首相は閣議で「緊急事態」を宣言し、法律と同じ効力を持つ政令を制定し、
「何人も国その他の公の機関の指示に従わなければならない。」と
規定することにしています。

 憲法改正の発議についても、現行の衆参両院で3分の2以上の賛成を得て、
国民投票にかけるとなっているのを、衆参両院で過半数の賛成で
発議できることにするとしています。

憲法を「国民が権力を縛る」ものから「国民を統制する」ものに

 大阪の橋下市長も「天皇の元首化」を唱えており、
「維新八策」は自民党案と共通する部分がいくつかありますが、
あえて今「元首」を持ち出す意味は何でしょう。
共通しているのは、上に立つ者が方針を示し、国民(市民)はそれに黙って従えと
いう国家主義の強権思想です。
 近代国家が生まれる過程で人民の権利を保障し、
国家権力の行使を制限するもとして憲法が誕生したのが世界の歴史です。
自民党の改正案は、憲法が国民を統制支配するためのものという
旧帝国憲法時代の考え方に逆戻りするものです。
 自民党は今後この原案を基にサンフランシスコ平和条約発効から
60年にあたる4月28日までに党としての憲法改正案を決定し、
国会に提出するとしていますが、
党内の一部に「改正原案は右傾化しすぎている」と
いう意見も出ている(毎日新聞)ということです。

「元首」って何ですか

 ここにきて急に「元首」問題が浮かび上がってきましたが、
「元首」って何でしょう。いろいろな辞典で調べてみました。

岩波・広辞苑
       国家を代表する資格を持った国家機関。
       君主国では君主、共和国では大統領あるいは最高機関の長など。

講談社・日本大辞典

       一国を代表する国家の最高機関または行政府の首長。
       Head of state

角川大字源
       君主・天子・帝王。今では君主制、民主制を問わず、
       国家の代表者・最高位者。大統領・国家主席など。

三省堂・大辞林
       ①国家の首長 ②国際法上、外部に向かって国家を代表する
       資格をもつ国家機関。
       君主国では君主。共和国では大統領。日本では旧憲法下の天皇。
       現行憲法には規定がない。

小学館・国語大辞典
       ①国の首長。国家の統治者。君主。天皇。
       ②国際法上、外部に対して一国を代表する資格を持った国家機関。
       君主国では君主、共和国では大統領。

新潮社・国語辞典
       一国の君主。一国の統治者。
       国際法上、外部に対して国家を代表するもの。君主国では君主。
       共和国では大統領など。

平凡社・世界大百科事典
       有機体としての国家の首部だとか、国家権力の全能者という
       元首の観念はほとんど歴史的役割を果たし終え、
       今日では、通例、対外的に国家を代表する地位にある国家機関をいい、
       条約の締結、外交使節の任免、全権委任状・信任状の発受などの
       外交権能を伴なう。
       元首を、君主のように世襲によるものとするかどうか、
       合議機関(例、旧ソ連邦最高会議幹部会)とするかどうか、
       また実質上行政の首長として国政を統轄するものとするかどうかは、
       それぞれの国の憲法の定めるところによる。
       明治憲法では天皇は<国ノ元首>(4条)として統治権を総攬したが、
       日本国憲法では天皇は主権者・統治権者としての地位から
       象徴の地位に変わり、対外面でも全権委任状・信任状、
       批准書その他の外交文書の認証、外国の大公使の接受など限られた
       国事行為を行うにとどまる。
       したがって、天皇を元首とみることは困難で、
       むしろ外交関係の処理や条約締結の実権をもつ内閣が
       元首的地位に近いといえるが、それも決定的ではない。
       元首条項を排除している国民主権の憲法下であえて
       元首を求める意義自体が問われよう。
             ――高野真澄(香川大学名誉教授・憲法専攻)

 天皇を「元首化」しようとする考えの中に、国民主権や民主主義を嫌い、
「天皇の権威」を利用して自分たちの考えを国民に押し付ける政冶にしようとする
意図が私には感じられてなりません。

            

コメント (9)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

       ドキュメントには違いないが、しがらみナシか?      只今

2012年02月29日 16時57分06秒 | Weblog
       話題になっている「民間事故調」の調査書について、
  「この仰々しい名前の委員会は、官僚OB、御用学者・ジャーナリストから構成され…」   
  「親米保守の、ひと握りのグループによる噴飯ものの私的報告書」 

     前者の罵言は『産経』。後者の揶揄は、天木直人氏。 
     そこで、ちょっとだけ調べてみました。

   この委員会名は、『日本再建イニシアティブ』といい、理事長は舟橋洋一氏。
   
   たしかにエリート臭紛々の名称であり、
   舟橋洋一氏は『朝日』をアメリカ一辺倒にさせたとの陰の声を聞いたことがあり、
   両者はこのことを指しているのかと合点しましたが、
   委員の皆さんはどんな人物か、それが知りたく、28日の記者会見の動画を見てみました。

        「委員の皆さんは、原発をどう思われますか?」
           という質問に対する各委員の答え。

   ◇北澤宏一(前科学技術振興機構理事長)委員長
      「事故に関する調査を旨としましたので、そのことはちょっと…」
   ◇遠藤哲也(元国際原子力機関理事会・議長)※IAEA。
      「こんなになってしまったのは人災。人災ですから克服できます」
   ◇但木敬一(弁護士)
      「再生可能エネルギーの道が可能であればいいのですが…」
   ◇野中郁次郎(一橋大学名誉教授)
      「白か黒かという問は、好きではありません」
   ◇山地寛治(地球環境産業技術研究機構理事・研究所長)
      「日本にとっては、維持すべきものと…」

   ◆いろいろなやりとりの中で判ったことの一つに、こんなことがありました。
    例えば、「管の独断的な指示が、混乱に拍車をかけた」
    といった見出しが多くみられましたが、
    それがでてくる前には、こんな状況があったことです。
     「問うても、答えられないことが重なるなかで、
      『安全・保安院』、『東電』への不信が高まって…」

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする