今回ご紹介する随筆は 8日にここに載せた「キュウリ」と同じ、K・Kさんの作品。よくある光景と思い、ちょっと義憤に駆られたりして、広く世に広めてみたいということです。
【 つわり K・K
娘が第二子を授かって、つわりが始まった。三十七度の微熱でだるい。吐き気でお腹を押さえ、不機嫌な顔になる。
夫は「そんな仏頂面見たくない。帰れ」と、週末に二歳の子を連れて来た娘に、面と向かって不愉快そうに言い捨てる。あまりの冷たい態度に私も驚く。こんな人と今まで過ごしてきたのかと、夫の違う一面をみた。
つわりは病気ではないが、一、二か月間、二日酔い、船酔いのようなムカムカが一日中続き、ほとんど食べられない。夫は三十七度の発熱でも、フーフーと大げさに訴える。一人で寝ていればいいのに、皆のいる居間に起きてきて機嫌が悪い。私が「自分だって……それを忘れたの」、言い返すと、プッと膨れて、横を向いて黙ってしまった。
いくら説明しても分かってもらえない。もう、いい。分かってたまるか。経験したものでないと、このしんどさは理解できないのだ。無理して動くと流産の危険もある。身を守るために自然に動かないようにしているのに……。怠け病と勘違いされてる。娘は共働き。自分は食べれなくても、子どもの食事は作らなくてはいけない。横になる時間などない。
「どうして、女の人ばかりこんなに……。不公平だ」娘は、思うように動かない体につい愚痴がでる。欲しくて授かったのだし、頭で分かっていても体がついてこないのだ。一か月で五キロも減り、やせた背中を見ながら、私は考えがみつからなかった。】
【 つわり K・K
娘が第二子を授かって、つわりが始まった。三十七度の微熱でだるい。吐き気でお腹を押さえ、不機嫌な顔になる。
夫は「そんな仏頂面見たくない。帰れ」と、週末に二歳の子を連れて来た娘に、面と向かって不愉快そうに言い捨てる。あまりの冷たい態度に私も驚く。こんな人と今まで過ごしてきたのかと、夫の違う一面をみた。
つわりは病気ではないが、一、二か月間、二日酔い、船酔いのようなムカムカが一日中続き、ほとんど食べられない。夫は三十七度の発熱でも、フーフーと大げさに訴える。一人で寝ていればいいのに、皆のいる居間に起きてきて機嫌が悪い。私が「自分だって……それを忘れたの」、言い返すと、プッと膨れて、横を向いて黙ってしまった。
いくら説明しても分かってもらえない。もう、いい。分かってたまるか。経験したものでないと、このしんどさは理解できないのだ。無理して動くと流産の危険もある。身を守るために自然に動かないようにしているのに……。怠け病と勘違いされてる。娘は共働き。自分は食べれなくても、子どもの食事は作らなくてはいけない。横になる時間などない。
「どうして、女の人ばかりこんなに……。不公平だ」娘は、思うように動かない体につい愚痴がでる。欲しくて授かったのだし、頭で分かっていても体がついてこないのだ。一か月で五キロも減り、やせた背中を見ながら、私は考えがみつからなかった。】