OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

賭けるほどの人生って、素晴らしいはず

2016-08-29 19:46:03 | Rock
この人生に賭けて / Joe Walsh (Asylum / ワーナーパイオニア)
 
今となってはジョー・ウォルシュもイーグルスでのキャリアが一番に輝くロックスタアという認識が強いわけですが、サイケおやじとしては、それ以前のジェイムズ・ギャング時代やソロ名義での諸作も大好き♪♪~♪
 
音楽スタイルとしては様々な流行物を意識しつつも、アメリカンハードな本質は常に保っていたように感じますし、なによりも天衣無縫というか、その時々にやりたいようにやった結果としてのレコード制作が賛否両論とはいえ、そ~ゆ~幸せの御裾分けに共感している次第です。
 
そこでご紹介したいのが、1978年に発売された自己名義のLP「ロスからの蒼い風 / But Seriously, Folks...」からシングルカットされた、如何にも「らしい」大ヒット「この人生に賭けて / Life's Been Good」で、もちろん皆様ご存じのとおり、その頃のジョー・ウォルシュは参加していたイーグルが驚異のメガヒットアルバム「ホテル・カリフォルニア」を出した後だったというのに、そのプレッシャーなんか何処へやら!?
 
なぁ~んていう印象さえ滲みまくりの態度が全開というか、バーニー・レドンに替わってイーグルスに参加したのが1976年末、そして約10ヶ月を要したという前述のアルバム「ホテル・カリフォルニア」の制作においては、持ち前のハードロック魂を存分に発揮し、それこそが新生イーグルスの頂点への道にはジャストミートだったことは否定出来ない真実のひとつだったのですから、そんなこんなの大成功の後に、自己名義とはいえ、お気楽なレコードなんかは出せないはずというファンや業界周囲の思惑に対し、見事な肩すかしをキメてみせたのが新作アルバム「ロスからの蒼い風 / But Seriously, Folks...」であり、そこからの大ヒットシングル曲「この人生に賭けて / Life's Been Good」だったんですねぇ~~♪
 
なにしろハードロックがガチガチのギターリフから入って、アコースティックギターのコードカッティング、さらにはレゲエのリズムを用いてメロディアスな主旋律が歌われるという、ある種の組曲っぽい、なかなかバラエティな作風がニクイばかりで、実はアルバム収録のバージョンは8分ほどの大作だったものを、このシングル盤では約4分半に編集した短縮バージョンという真相があるにせよ、これにはナチュラルにノセられてしまうツボが絶対にあるわけです。
 
それと特筆しておきたいのが歌詞の面白さで、結論から述べさせていただければ、「大金持ちになってマンションや高級車も持っているけれど、旅回りのホテル住まいも捨てがたい人生さ」なぁ~んていう庶民からすれば羨ましいかぎりの男の独白(?)が歌われた後に、「もちろん文句は言えないが、それでも時々は言ってしまう……」等々、なかなか皮肉な自嘲がオチになっているあたりが、なんとも憎めません。
 
実は、この歌の主人公はザ・フーのキース・ムーンであるという説が広く流布されているんですが、思い返してみれば、ジョー・ウォルシュが最初にブレイクしたのは、そのザ・フーの前座を務めていたジェイムズ・ギャングに在籍していた時であり、ザ・フーのメンバー各々から絶賛されたと言われるジョー・ウォルシュのギタースタイルがあればこそ、アメリカンハードの美しき流れがイーグルスに注がれたのもムベなるかな!?
 
当然ながらイーグルス本隊がデビュー盤制作において、イギリスで敢行したレコーディングの成果により、それまでの西海岸ハリウッドポップスやサイケデリックサウンドとは一線を画した新しいウエストコースロックのイメージを確立させたことに鑑みても、ジョー・ウォルシュのギタースタイルに明確に表れているブリティッシュロックっぽさがすんなりと馴染んでしまうのも不思議ではないわけで、だからこそ偉大なロックスタアに成り上がったという世評を逆手に活かしたようなレコード作りが出来たのかもしれません。
 
ちなみに「この人生に賭けて / Life's Been Good」が入っている本篇アルバムの邦題が「ロスからの~」なぁ~んていう気を惹くウリになっているのは、原題「But Seriously, Folks...」、つまり「でも、俺はマジだぜ」という意味合いにおいても笑って許してのイメージでしょうか?
 
あくまでも、これまでの活動歴を追っているサイケおやじの感性ではありますが、本質的にユーモアとか稚気を大切にしているジョー・ウォルシュのことですから、そっちがOKならば、こっちもねっ♪♪~♪
 
てなもんだったと思いたいですねぇ~~♪
 
一応、追記事項になりますが、件のアルバムのレコーディングはロスではなく、マイアミで行われていたんですが、その所為でしょうか、何時にも増してお気楽で陽気なムードが横溢した作風が全篇のイメージを決定づけていますし、このシングル盤のジャケ写だけでは分かりにくいかもしれませんが、実はプールの中でディナー(?)を楽しむという趣向が如何にもです♪♪~♪
 
最後になりましたが、ジョー・ウォルシュがイーグルスに途中参加した経緯について、実は本人とイーグルスが同じエージェントに所属していたという実情に加え、両者のレコードプロデューサーがビル・シムジクであったという関係の深さ等々、歴史には、そ~ゆ~必然性・蓋然性があるんだなぁ~~、という思いを強くしているのでした。
 
うむ、まさに「この人生にかけて / Life's Been Good」に偽り無し!?
 
あっ、イーグルスが1980年に出したライブ盤「イーグルス・ライブ」では、「この人生に賭けて / Life's Been Good」のイーグルス・バージョンが楽しめますので、よろしくです♪♪~♪
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