OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

日本ハードロック創世記:バニーズ篇

2015-02-03 15:21:46 | 日本のロック

悪魔のヘビー c/w ストップ / 寺内タケシとバニーズ (キングレコード)

ハード&へヴィロックのルーツが何なのか?

その真相は様々に推察出来るわけですが、少なくとも礎となったR&Rにエレキギターが果たした大きな役割を鑑みれば、我が国ばかりか世界中で「エレキの神様」と尊崇される寺内タケシの屹立は否定出来ません。

昭和42(1967)年に発売された本日掲載のシングル盤は、まさにその証拠物件として、日本におけるハードロックの絶大な破壊力を記録した名盤でありましょう。

もちろん寺内タケシが率いるバニーズの面々にしても、御大の意図を存分に表現せんとした力演を聴かせていますから、後は自ずと血沸き肉躍るGSブームの象徴的な1枚になっているのです。

それは作詞:ささきひろと&作編曲:寺内タケシによるA面収録の「悪魔のベビー」に殊更顕著!

とにかくイントロから炸裂する重低音のファズギター、これまた重心の低いビートを叩き出しているドラムスと共犯関係のベースやリズムギター、さらには井上正であろう、誠にエキセントリックなリードボーカルの凄まじさは、同時期のロック界を俯瞰しても世界に通用するサイケデリックな極みの仕上がりでしょう。

そうです、これは海外でも人気が高いニッポンのロックの金字塔であり、しかも寺内タケシのグループでは一般的な認識になっているエレキインストよりは、ブームが上げ潮だったGSがド真ん中のボーカル曲なんですねぇ~~。

しかし同時に聞き逃せないというよりも、圧倒的な押し出しで迫るエレキギターの多重層的サウンド作りの強烈さは、リアルタイムの世界中を探したところで、どんなロックバンドも敵ではないはずです。

それほど寺内タケシのギターは宇宙的な凄みと決めつけては贔屓の引き倒しになりかねませんが、例え冷静に聴けたとしても、「悪魔のベビー」からはタイトルどおりの魔力が発散されているのを感じるばかり!

ですから、B面に収録された「ストップ」が同じコンビに書かれ、メンバーのボーカル&コーラスというよりも、ほとんど掛け声のエレキテル連合みたいな構成がハードロックスキャットになってしまったのも、ムベなるかな!?

このあたりは実際に聴いていただく他にサイケおやじの稚拙な筆を弄する愚行は忖度を許されませんが、あえて申し上げれば、「ストップッ」というキメの掛け声シャウトの痛快さは至極であります♪♪~♪

ということで、当時の寺内タケシが如何に他のバンドよりも盛大な爆音を鳴らしていたかは、ジャケ写にずら~~っと並べられたアンプ群が証明しています。

実際、その頃のライブステージに接したサイケおやじは、その猛烈な音圧と音の壁に心身共にバラバラにさせられそうになった記憶があり、また残されたライブ音源を収録したアナログ盤レコードを聴いていただければ、そのナチュラルな音の歪み具合がスタジオで作られたものではないという謎解きにもなるような気がしますねぇ~~。

ということで、ヘビメタには拒絶反応も隠せないサイケおやじは、しかしハード&ヘヴィロックは今でも心の支えというのが、本日の結論であります。

この世は騒然、何かしら浮き足立っている感があればこそ、逆に爆発的な衝動を誘発する音楽はひとつの緩衝材になるのかもしれません。

尤も、そういう雑念や邪推を吹き飛ばすのも、好きな音楽の力だと思うのですが、それも人生の修行というのであれば、サイケおやじは喜んで身を投じる覚悟は出来ているつもりです。

 お前がぁ~ 好きなのにぃ~~♪
 どうしてつめたいのぉぉぉぉ~~♪ 

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1 コメント

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Unknown (しょうまん)
2019-12-25 14:53:14
当時、このプロモーションビデオを見た事が有ります。
アンプの間を、バニーズと子供達が追い掛けっこをしているものでした。

どでかい音で、ジャズ喫茶の蛍光灯が割れたというエピソードが納得出来ますね。
生バニーズを体験されて、羨ましい限りです。
アルバム「レッツゴー!運命」で使用している、VOXのバズトーンに音色が似ているので、ファズライトではない様な気がします(レッツゴー!ブガルーは、ファズですね)。

「ストップ」の間奏でのアドリブが、寺内っぽくないので、良い意味で気に入ってます。
反対に、テリーズの「ストップ・ダンス」の方が、寺内節ですね。
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