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サイケおやじの生活と音楽

追悼:志村けん

2020-03-30 20:01:21 | 追悼

ヒゲのテーマ / たかしまあきひこ&エレクトリック・シェーバーズ (SMS)

志村けんの訃報に接しました。

それもっ!

現在流行の新型コロナウイルスによる肺炎というのですから、絶句です。

故人の功績については、あらためて述べるまでもありませんが、シニカルでありながら、分かり易いギャグに徹した、その笑いの本質を我々に提供し続けてくれた事は、決して忘れられるものではなく、本日突然の悲報にも、所謂「使い果たした」感が無きにしもあらず……。

それほどの燃焼エネルギーには、志村けんという稀代のコメディアンが我々に与えてくれた和みや安らぎが凝縮されていたはずで、矢鱈に自分達だけが笑っている今の芸人連中とは向き合う視点が違っていたと思うばかりです。

しかし、そんな志村けんの弱点のひとつとして、楽器が出来なかったという現実があり、もちろんドリフターズという音楽グループに下積みとして入った頃から、様々に練習は積んでいた事は周知の事実ながら、表向きはギター担当とされながらも、プロのレベルでは無かったと云われています。

ところが、音楽そのものは大好きだった事も知られるほどのマニア性があり、殊更黒人音楽好きという本性を如実に表したのが、ドリフターズの看板番組「全員集合」の中で昭和54(1979)年頃から演じられた加藤茶と共に繰り広げる曲芸コント「ヒゲダンス」の大ウケでありました。

なにしろそこで使った演奏はグルーヴィでファンキーなベースとシャープなギターカッティングが実にキャッチーなインストで、その場の観客も、またテレビの前の我々も、思わず腰が浮くほどカッコイィ~~んですよねぇ~~♪ そして元ネタがテディ・ペンターグラスの1979年のアルバム「テディ」に収録されていた「Do Me」のベースラインであった事から、志村けんがソウルミュージック大好き人間であるという真相が明かされたのですから、コント芸の素晴らしさ共々に「笑わせる&楽しませる」という、そのコメディアンとしての基本的天才は流石の一言でありました。

本日掲載したのは、その大人気故に発売されたシングル盤で、収録A面の「ヒゲのテーマ」は実際のコントの場面で使われていた音源と同じトラックではないかもしれませんが、しかし違和感は無い仕上がりになっているもんですから、当時の宴会芸にも、このレコードの活躍の場は多かったはずで、告白すれば掲載の私有盤も、サイケおやじがその頃、そんな目的でゲットしたものです。

ということで、故・志村けんについては、書きたい事柄が多すぎて、しかし自分の気持ちが纏まらないほどに悲しい思いが心の中に広がっているのは、我ながら不思議なほどです。

個人的には、「変なおじさん」のコントが一番好きですが、それだって「ハイサイおじさん」を使っていたあたりは、流石と思う他はありません。

思えば、新型コロナウイルスによる肺炎で亡くなられた方で実名を公表したのは、日本では志村けんが最初でしょうか?

だとすれば、これからは、もっともっと、この伝染病の怖さを我々は自覚し、感染が拡大しないように努力を重ねていくことが、故・志村けんから与えられたメッセージじゃ~ないかと思います。

ありがとう、志村けん!

サイケおやじは、笑いと安らぎを忘れません。

合掌。

コメント (1)
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