OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

恵まれた人生の今昔裏表

2017-07-07 20:46:09 | 歌謡曲
風のシルエット / 沢田富美子 (CBSソニー)

事業をやっている芸能人は数あれど、アイドルからの転進組では本日の主役たる沢田富美子が図抜けた存在かと思います。

しかも彼女の場合、アイドルデビュー以前はモデルとしても活動していましたから、ルックスも極めて素晴らしく、歌手としてもなかなかの個性を発揮して事は決して忘れられていないはずです。

ところが彼女は、そこまで恵まれた資質を自ら封印したかのように昭和55(1980)年の公式デビューから3年を経ずして昭和58(1983)年頃に引退され、海外留学から不動産投資の世界へ本格的に進み、今や莫大な資産を築いているという、まさに勝ち組!

ただし、その道程は決して順風満帆ではなく、芸能活動の最初のビックチャンスだったモスクワオリンピックの日本におけるイメージガールという仕事が、例のボイコット政策によって頓挫させられたり、最初の結婚も早々に死別という悲劇は、サクセスストーリーの裏にある試練を体現したもののひとつとして、良く知られるところでしょう。

と書いたのも、実は彼女は、そ~した投資事業のコンサルタントというか、関連する講演等々にも積極的で、告白すればサイケおやじも唯一度だけ、件のセミナーに参加させていただきましたが、その時の沢田富美子は本当に綺麗で、セクシー♪♪~♪

さらに当然ながら、柔らかさの中にも凛とした語り口とその佇まいは、今も強い印象として残っております。

さて、そこで本日掲載したのは、サイケおやじが彼女の歌で一番に好きな2ndシングルのA面曲「風のシルエット」で、これが作詞:竜真知子&作曲:小田裕一郎、そして編曲:大村雅朗が提供した、如何にも発売された昭和56(1981)年初秋らしい、アップテンポのアイドル歌謡で、もちろんソングライター陣の顔ぶれからして、松田聖子を痛切に意識したサウンドやメロディ展開は些か当たり前過ぎる感もありますが、それが沢田富美子の個性とも言える甘え口調の程好い節回しと抑えたセクシーさが滲み出るような伸びやかな声質によって表現される、ある意味ではヘタウマ歌唱の魅力がそこにありますから、たまらないんですねぇ~~♪

ちなみに彼女はグラビアアイドル的な人気も高かった事もあり、そっち方面の評価が今や伝説(?)かもしれませんが、もう少し、歌手としての再評価も望みたいわけですが……。

ということで、どんな境遇にも光と影は必ずあって、誰もが成功と失望の二重奏に翻弄されるのは、この世の理なれど、やっぱりひとつの信念があれば、乗り越えられるという可能性を見せつけているのが、沢田富美子というアイドルの今昔物語かもしれません。

もちろん努力という言葉よりは、時の流れの偉大さの方が勝っているのは言うまでもありませんが、だからといって、時の流れに身を任せるほど余裕は凡人には無いと思いますから、ひとつ覚悟を決める場合には、例えば沢田富美子の歌を聴き、彼女の生き様を思い起こすのも無駄ではないような気がしております。
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