OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

ショーケンの問答無用

2014-10-21 15:15:20 | 歌謡曲

もどらない日々 c/w 何もない部屋 / PYG (ポリドール)

死ぬほどカッコE~~! ステージショットを使った萩原健一=ショーケンのシングル盤は皆様ご存じのとおり、PYG のデビューアルバムからカットされた両面2曲を入れたものですから、厳密に言えばショーケンのレコードではないんですが、実質的には本人のリードボーカルに PYG の面々がバックをつけたという体裁(?)を優先させたのでしょう。ジャケットには「萩原健一 歌 + PYG」とクレジットされているあたりに当時の諸々な事情の反映が……。

説明不要とは思いますが、PYG はニューロックを標榜した音楽性の追求と共にスタア集団というウリがあり、それは懐かしい用語では「スーパーグループ」と言われた存在ですから、必然的にファンが求めるヒット曲とバンド側の思惑がズレるであろう事は想像に易いと思います。

しかし現実的にはジュリー=沢田研二とショーケンの二枚看板がある以上、日本語で歌う事はひとつの義務であり、それが「日本語のロック」と認識されないというあたりは、やはり宿命かもしれません。

極言すれば歌謡スタアが「一見、ロックバンドの如し」をやっていたという辛辣な批評さえ、今日まで通用しているのですから、いやはやなんとも……。

と同時に、ジュリーが PYG に在籍していながらソロシンガーとして成功の道を歩み始めていた状況からすれば、ショーケンをメインにしたシングル盤を出すことも不自然ではありません。

そこでA面曲「もどらない日々」は作詞:岸部修三&作曲:井上堯之が書いた、今風に言えばアンプラグド系のベタベタな歌謡フォークで、哀しさが胸に染み入るトーチソングですから、ほとんどジャケ写のイメージとは正反対!?!

正直、これはど~解釈しても、ロックとは呼べないと思うんですが、実は個人的には泣きメロ全開のサビの展開も含めて、かなり好きな歌のひとつなんですねぇ~♪

そしてB面の「何もない部屋」がちょっぴりドラマチックな展開も心地良い歌謡曲というよりも、これが歌謡ロックに仕上がっているのを嬉しい誤算と言えば、各方面からのお叱りは覚悟しなければなりません。

それでも井上堯之の泣きのギターやバンド全体の力強いグルーヴは、なかなか素敵ですよ。

ちなみに楽曲クレジットを確認すれば、作詞:萩原健一&作曲:沢田研二という、今では夢の真実が嬉しいところ♪♪~♪

う~ん、2曲とも発売された昭和46(1971)年の音がしていますねぇ~~♪

思わずそんな感慨に耽るのは、サイケおやじだけでしょうか。

ということで、当時の流行最先端だった歌謡フォークの大ブームを考慮したとしても、このシングル盤はロックというよりも歌謡曲の属性が強い1枚かもしれません。

しかし、そんな分類なんかリアルタイムでは不必要だったという真相も確かにあって、当時の PYG のステージではジュリーがソロシングルとして出していたヒット曲を歌うコーナーがあり、対してショーケンにも同じ舞台が用意され、ファンを熱狂させていた事を忘れてはなりません。

つまり「日本語のロック」なんていう議論は不要だったのが、PYG という存在の真骨頂ではなかったでしょうか?

結果としての PYG のブレイクは無くとも、今に続く答えの出ない魅力には逆らえないような気がしています。

いゃ~、A面曲のタイトルが、そのまんまですねぇ~~~。

コメント (2)
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