OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

しのづかまゆみの猛烈

2013-11-10 15:09:24 | 歌謡曲

パパはもうれつ c/w 真夜中の買い物 / しのづかまゆみ (日本ビクター)

しのづかまゆみは有名作詞家の篠塚満由美であり、ものまねタレントとしても活躍していますが、芸能界に入った頃は堂々のアイドル歌手でありました。

それが昭和49(1974)年春の事で、しかもやっていたのが歌謡ロックと演歌の二本立てみたいな、いやはやなんともの存在感が強烈でしたねぇ~~~♪

本日掲載したのは、そんな彼女のデビューシングル盤で、まずA面の「パパはもうれつ」が作詞:阿久悠&作曲:中村泰士が書いた、これぞっ! 当時流行のグラム&ハードな歌謡ロックの決定版!

極言すれば、元ネタはスージー・クアトロが同時期に大ヒットさせていた「悪魔とドライヴ / Devil Gate Drive」である事は隠し様もありませんが、あかのたちおの編曲がスピード感満点のリズムアレンジとシャープなオーケストラセクションをちょっぴり薄口に使っているので、しのづかまゆみのエグ味の強いボーカルが冴えまくりなんですよっ!

あぁ~、この節回しのツッコミフィーリングは、立派なロックじゃ~ないですかねぇ~~~♪

実はサイケおやじは、多分このデビュー曲のキャンペーンだったと思うんですが、リアルタイムで彼女の実演に接し、一発でこの「パパはもうれつ」にシビれまくった前科があるんですよ。

しかもその時の彼女が、件のスージー・クアトロを意識していたとしか思えない、所謂ジャンプスーツ系の衣装だった事も強烈な印象でした。

ところがその時は歌ってくれなかったんですが、このレコードを買って、B面に針を落せば吃驚仰天!?

なんとっ! その「真夜中の買い物」が、ちょっぴり歌謡フォークが入った歌謡演歌だったんですねぇ~~~~~▼×◎▲?☆

いゃ~、その時の衝撃は文字どおり、筆舌に尽くし難いってやつですよっ!

おまけにそれが、なかなか良い曲で、しのづかまゆみのボーカルが湿っぽい曲調にジャストミートの仄かなハスキー節なんですから、たまりません。

もう、完全に昭和歌謡曲の良い部分だけを抽出したのは、A面と同じ作家トリオによるプロの仕事に他らないわけです♪♪~♪

ところが既に歴史になっているとおり、このシングル盤は期待されたほどのヒットにはならなかったようで、そう書かねばならないのは、当時のサイケおやじはある幸運から直後に3ヵ月ほどアメリカに行けた事から、日本の諸事情あれこれをリアルタイムでは体験していないんですよ……。

まあ、それはしのづかまゆみに限ったことではないのですが、そうして秋に帰国してみると案の定、彼女は正統派歌謡曲にどっぷりの「曇り空」という結果的に売れなかった名曲を歌っていました。

ということで、しかしブレイクしなかったとはいえ、しのづかまゆみが残した音源は決して侮れません。特に3作目と思われるシングル曲「嫁入り前」に至っては、モータウン風味の歌謡ロッキンソウルが全開していますからねぇ~~~♪

そのあたりについては後々、ご紹介する所存ですが、とにかく彼女も実力派のひとりであった事はまちがいなく、そういう芸能魂が作詞家としての才能を開花させ、夥しい傑作を残した源になったはずですし、歌の上手さが「ものまね」の世界でブレイクした現実は決して皮肉な運命のいたずらではないでしょう。

ですから、しのづかまゆみ!

今こそ真っ当に聴こうではありませんかっ!

と書いてはみたものの、果たして彼女の音源がCD化されているのか、ちょっぴり不安な気分になっちまいますが、ぜひっ!

そして最後になりましたが、ここで取り上げた「パパはもうれつ」とスージー・クアトロの「悪魔とドライブ / Devil Gate Drive」をミッスクさせたとしか思えないのが、アメリカンロックの人気バンドだったプロンディが1980年に大ヒットさせた「Call Me」ですよねぇ~~!?!

まさか曲を作ったデボラ・ハリーとジョルジォ・モロダーが「パパはもうれつ」を聴いていたとは思えませんが、しかしジョルジォ・モロダーと言えば、イタリアというよりは欧米ロック&ポップス界の筒美京平的な存在ですからねぇ~~~、どっかで昭和歌謡ポップスを密かに研究していたとしたら、これほど楽しい空想もありません。

あぁ、完全にサイケおやじの妄想虚言が出てしまい、反省……。

ただし、それも音楽を聴く楽しみのひとつとして、ご容赦お願い致します。

コメント
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