OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

中村晃子のお洒落な迷い

2013-06-10 15:01:09 | 歌謡曲

旅愁~ローマ c/w 愛のぬくもり / 中村晃子 (キングレコード)

すみません、本日もジャケ写優先で選んでしまった1枚は、ド派手な衣装で海辺を歩く中村晃子の夏のイメージ♪♪~♪

しかし肝心の楽曲は完全に表記されているとおり、クラシックのメロディを引用したソフトロック調の歌謡曲ですから、「真夏」ではなく、どちらかと言えば「初秋」、あるいは「晩秋」の印象が強いように思います。

それはまずA面「旅愁~ローマ」がシューベルト作「弦楽四重奏曲第14番ニ短調・死と乙女・第2楽章」を北村得夫のアレンジ、水紀亜美の作詞で歌う中村晃子の刹那の歌謡フィーリングが、本当に胸に迫ってきますよ。

ただし、それがどうにも大衆性の欠如に繋がっていることも、残念ながらの真実かもしれません。

狙いは曲タイトルどおり、女の傷心ひとり旅なんですが、当時の我国歌謡曲では、もう少しどころか、そうした風情にはある意味でのドロ臭さが求められていましたからねぇ……。

良い方向に解釈すれば、これが世に出た昭和46(1971)年の早すぎたニューミュージックとも言える仕上がりが、、お洒落過ぎた感さえあるのです。

またB面の「愛のぬくもり」には、それがさらに顕著で、こちらはサン・サーンス作の組曲「動物の謝肉祭」から「白鳥」のパートを引用しつつ、語り入りのソフトロックを企図したようなんですが、どこかしら裏目に出ている気がしてなりません。

ご存じのとおり、当時の中村晃子は低迷期に入っていましたので、そんなこんなの「迷い」がモロに出てしまったんでしょうか……?

そうした状況は何も彼女だけでなく、昭和40年代前半に大活躍した女性歌手の多くが同様の立場に置かれていたのが芸能界の厳しさであり、そこから例えば山本リンダであればセクシーアクション歌謡の「どうにもとまらない」に活路を求めたりの新路線を模索実行していたのですから、中村晃子のソフトなお洒落路線も決して悪い選択ではないと思います。

実際、同時期に発売されたLP「アタック・シューベルト」は全篇、クラシックの名曲に日本語詞を附して歌うというナイスな企画アルバムで、今や「幻の名盤」となっているのですよっ!?

と書きながら、実はサイケおやじは現物を持っていなくて、カセットコピーを愛聴する境遇とはいえ、いゃ~、本当に良いものは良いんです♪♪~♪

もちろんこのシングル盤は、そこからカットの2曲を収録したものですから、物足りなさは隠し様もなく、つまりアルバムを聴いてこそ、初めて真価(?)真髄が堪能出来るとすれば、これをヒットせよ! と目論むのは所詮無理があったのかもしれません。

ということで、なんとなく苦しい言い訳に終始した本日の1枚ではありますが、そこはどんなに強烈なファッションでもビシッと着こなせてしまう中村晃子のセンスに免じて、どうかご容赦下さいませ。

そして願わくば、前述のアルバム「アタック・シューベルト」が再発されますように!

P.S.今度はどうにもスキャナーが不調……。散財モードに突入しそうです、トホホ。

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする