OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

センス最高の和み盤

2008-02-08 17:20:14 | Jazz

今日は朝から物凄い積雪量だったんですが、やはり2月ということで、積もる傍から融けていく感じです。

でも、春が待ち遠しいですね。

そんな中、スキー場で遊ぼうと企んでいる家族や親戚・友人が昨夜から来ています。連休だからねぇ~。

ということで、本日は雰囲気の良いアルバムを――

Here's Love / Hank Jones (Argo)

最近、「品格」という言葉が聞かれますね。これは一言では説明つきかねる日本独特のフィーリングかと思います。

育ちが良いとか、上品だとか、行動・ふるまいが紳士的だとかでは、いまひとつ、ぴったりした解釈ではないでしょう。その場の雰囲気、空気に馴染んだ感性も必要かと思います。

で、ジャズ界ではハンク・ジョーンズこそが、「品格」のあるプレイで人気を集めているピアニストだと思います。それは単に歌心のあるアドリブとか、綺麗なビアノタッチとか、あるいはダンディな演奏態度ばかりではありません。けっこうファンキーな事もやっているし、エグイ伴奏も捨てがたい魅力があるのです。

しかし結果的に「品格」が滲み出る演奏になってしまうところが、本物という事でしょうか。

さて、このアルバムはミュージカル楽曲のジャズバージョンという企画で、それほど有名な曲はありませんが、実際に聴いてみると、なかなかの佳曲ばかりの演目が魅力満点♪

録音は1963年10月19日、メンバーはハンク・ジョーンズ(p)、ケニー・バレル(g)、ミルト・ヒントン(b)、エルビン・ジョーンズ(ds) という豪腕の名手ばかり! 特にエルビン・ジョーンズは当時、ジョン・コルトレーン(ts) のカルテットでビシバシに敲きまくっていた頃ですから、ここでの参加は特に気になるところです――

A-1 Here's Love
A-2 My Wish
A-3 You Don't Know
A-4 Dear Mister Santa Claus
A-5 That Man Over There
B-1 Arm In Arm
B-2 The Big Clown Balloons
B-3 Love, Come Take Me Again
B-4 Pine Cones And Holly Berries
B-5 My State, My Kansas, My Home

結論から言えば、とてもセンスの良い演奏ばかりです。演目のメロディラインも素敵なフックがある隠れ名曲が多く、またリズムパターンも様々あって、飽きません。

というか、このアルバムが鳴っているだけで、その場が和みます♪

愛らしいメロディが強いビートでイキイキと演奏される冒頭の「Here's Love」で、気分はウキウキ♪ もちろんハンク・ジョーンズは温か味あるスイング感で歌心も存分に披露すれば、ケニー・バレルは都会的な黒っぽさで迫ります。またエルビン・ジョーンズのポリリズムドラミングを支えるミルト・ヒントンの安定感も抜群ですねぇ。

まあ、ほとんどがこのパターンの演奏ばっかりで、エルビン・ジョーンズがステック&ブラシで熱演するほどに、他のメンバーのソフトな艶っぽさが強調されるという仕掛けです。

甘い「My Wish」や「You Don't Know」での雰囲気の良さ、ゴスペル調の「Pine Cones And Holly Berries」、楽しいメロディにファンキー色をつけた「That Man Over There」と「Arm In Arm」、エルビン・ジョーンズの重いビートが最高のボサロック「Love, Come Take Me Again」等々、たまりません。

とにかく短い演奏ばかりなんですが、充分に満足させられる密度の濃さは保証付きです。アレンジも最高に秀逸ですよ♪

ちなみに我国では1970年代に廉価盤が出ていましたが、当時の私は演目に馴染みが無かったので、買いませんでした。ところがかなり後になってジャズ喫茶で聴いて仰天! あまりのセンスの良さ、演奏の素晴らしさに愕然として中古屋の標的にしていた1枚です。

現在では紙ジャケット仕様のCDも発売され、今は仕事場でもそれを愛聴しておりますが、いや、実に良い雰囲気にひたれるのでした♪

個人的には棺桶盤♪

コメント (2)
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