前々回の記事、「癌はこれで治る」において、がんの治療法の5番目に、
◆日光浴、入浴、空気浴、全身運動、休養等を適正に行うこと
とありましたが、日光浴については現在あまり注目されていないようです。しかし、太陽光線には、地球上の生命を育む偉大な力があります。このエネルギーをぜひがんの治療に活用していただきたいと思います。
そこで今回は、『綜合日光療法』(正木不如丘:著、三光書院:1930年刊)という本に書かれている日光浴のやり方をご紹介しましょう。なお、著者の正木不如丘(まさきふじょきゅう)氏は、長野県の富士見高原に療養所を開設し、主に結核患者を治療していたそうです。
この本によると、日光療法は人体の抵抗力を増す療法であり、白血球や免疫物質を増加させると言われているそうです。そして、初期の肺結核なら150時間から200時間の日光浴で全快したそうです。
当時はまだ結核菌に効く抗生物質が発見されておらず、肺結核は不治の病と恐れられていたわけですが、それが、安静と栄養と日光浴によって治癒したのですから、日光の力は偉大ですね。
日光浴の一般的な効果としては、胃腸の調子がよくなって下痢や便秘が治り、本人も爽快感があって顔色がよくなるそうです。そして、血圧が下がり、安眠できるようになり、精神的な不安も解消するため、腸チフスや肺炎などの急性の発熱病以外であれば、どんな病気にも効果があるそうです。
特に、脊椎カリエスには、日光浴が著しい効果を示すそうです。また、外傷や手術による傷、肛門付近の傷にも偉大な効果があるそうです。さらに、皮膚病にも特効があり、ニキビや疥癬は日光浴によってたちまち治癒すると書かれています。
日光浴のやり方は、できるだけ裸になり、窓を開放して直射日光を浴びるだけの簡単なものですが、これまで室内に閉じこもっていた人や体力に自信のない人は、以下の注意事項を厳守してください。
1.皮膚が炎症を起こすことがあるので、徐々に照射面積と照射時間を増やして身体を慣らす
◆参考までに、結核患者の日光浴のやり方の図表をご紹介します。最終的に1日4時間も日光浴をすることになりますが、これは医師の指導のもとに行なうものであることに注意すべきでしょう。個人の判断でやる場合は、1日30分程度にとどめておいた方が安全だと思います。
2.気分が悪くなることがあるので、空腹時と食後1時間はやらないようにする
3.気分が悪くなったり、発熱する場合は、直ちに日光浴を中止する
4.夏は、早朝か夕方に限定し、頭部を日陰におく
5.冬は、正午頃に限定し、風が身体に当たらないように気をつける
6.眼が炎症を起こさないよう、サングラスを着用する
7.日光浴中は決して眠らないこと
なお、冬は日光が弱くなるので、寒い時期に平地で日光浴を始めてもあまり効果が期待できません。しかも風邪をひくおそれがありますから、初めての方は、着衣のまま肘や膝から先だけ日光に当てるか、4月以降に日光浴を始めてはいかがでしょうか?
また、新鮮な外気を呼吸することも日光浴の効果を高めていると思われますから、日光浴の最中だけでなく、日頃から室内の換気に気をつけることが大切でしょう。
そして、日光浴のできない雨や曇りの日には、やはりできるだけ裸になって皮膚を外気にさらす「空気浴」を行なって、皮膚を鍛えることを日課にするとよいでしょう。ただし、じっとしていると寒いので、時間を短縮して、体操をしたり、乾布摩擦や冷水摩擦をして身体を動かすことをお薦めします。
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