がんに克つ

父のがんを治すためにがんを研究しました。がんは意外と簡単に治ることを知ってもらえたら、亡き父も喜んでくれると思います。

免疫系と過敏症

2015-02-08 20:39:11 | 健康・病気

マーク・ラッペという人が書いた『皮膚 美と健康の最前線』(川口啓明・菊地昌子訳、大月書店:1999年刊)という本をご紹介しています。今回は第9回目です。

◆免疫系と過敏症

腕時計やイヤリングなどを身につけると、激しいかゆみとともに炎症をおこし発疹が出る人がいますが、これは金属に含まれる不純物のニッケルが原因である場合が多いそうです。

このニッケルのようなアレルギー性の接触皮膚炎をひきおこす物質は「感作物質」とよばれ、他にもクロム、天然ゴム、ホルムアルデヒド、ウルシなどが知られています。

一度このような感作が成立すると、この情報が免疫系に記憶され、次に同じ物質に触れた時に「過敏症」とよばれる激しい反応がひきおこされてしまいます。

天然ゴムは、天然だから体にも環境にもよさそうな気がしますが、ちょっと触っただけで、激しいショック状態に陥る「アナフィラキシーショック」をおこして死亡する人もいるので、注意が必要です。

ホルムアルデヒドは、防腐剤としてベニヤ板や化粧品、石けんに用いられています。また、織物にシワができないようにするために用いられることもあり、意外と身近にあることが多いものです。

接触性のアレルギーをひきおこす化学物質の多くは、それら自身に抗原性はなく、皮膚にもともと存在しているタンパク質と結合して抗原性を示すそうです。したがって、通常は原因となる物質が皮膚に接触している部分だけに炎症が生じます。

こういった皮膚の過敏症には、コルチゾンなどのステロイド剤が用いられますが、強力なステロイド剤には強い副作用があり、安易に用いるべきではありません。特に子どもの場合は、内分泌系や免疫系に障害が出て、ひどいときは発育阻害がおきる場合もあるので注意が必要だそうです。

また、太陽光が医薬品などの化学物質に作用して、それを感作物質に変える場合もあるそうで、これを光毒性反応といいます。

抗生物質のテトラサイクリンや抗炎症剤など、皮膚の組織に濃縮されやすいさまざまな医薬品によって光毒性反応が生じるそうで、そういった医薬品を摂取している人が太陽光を浴びると、皮膚表面の細胞が変性し、さらに、その下にある真皮組織も損傷を受け、はれものや炎症が生じるそうです。

次回は、皮膚にあらわれる病気の徴候についてのお話です。

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