ゆらゆら生活

2012年に始まったゆらゆらとした生活の中、絵を描くことの魅力に。

カミングアウト

2013-10-01 | 日常
乳がんの告知を受けた時のことを思い出すと、当然のことながら気持ちに余裕がなく、記憶が断片的だ。
時間の経過の中、何度かのタイミングで乳がんのことを周りの人に伝えた。逆に、伝えない選択もした。

まず、検査の経緯から話をしていた友人がふたりいる。
これまで何かと力になってくれていた友人だが、カミングアウト以後、一層ありがたい存在だと心から思った。本当に感謝している。

乳がん診断と10年近く働いた会社の退職がほぼ同時期だった。乳がんとは関係なく1年以上準備してやっと実現した退職だったので、基本カミングアウトはしなかった。
ただ、個人的に親しかった2人には、彼女達に健診を受けて欲しいという思いがあり、乳がん疑いであることを伝えた。病気のことが無ければ、その後のおつきあいはあったかもしれないが・・・。

手術当時、その数ヶ月前から屋外スケッチの仲間入りをして、その後グループ展を控えていた。そのため、取り纏め係りに、カミングアウトする必要があった。これまでの友人とは異なり、絵を描くことが好きというひとつで繋がっている仲間、さりげなく暖かく聞いてもらえたことがとてもありがたかった。
MRI 検査を受け手術をすることが確定した日と月2回のクラスの日が重なっていたため、手術説明の数時間後には、取り纏め係と先生に状況を説明することになった。

今にして思うと、カミングアウトする必要&体調に合わせての参加を受け入れてもらえたこと、この流れにかなり救われたと思う。心身弱っている時に、ドタキャンありで好きなことに参加できる機会に恵まれたこと、そのありがたみは計り知れない。

逆に、入院直前、決まっていた食事会欠席を伝えなければならなかった知人に、カミングアウトするつもりで電話をしたところ、欠席を切り出した時の反応に唖然とし、急遽カミングアウトは見送った。以後、可能な範囲で会うことを避けている。

数年に一度のペースで会う、年上の友人がふたりいる。このふたりには伝えなければという思いが強く、受け取った年賀状から友人がまあまあ元気でいることを知った後、電話をかけて伝えた。こころが少し軽くなるカミングアウトだった。

その後、これまでに伝えたい人へのカミングアウトは終えたと思う。周りの人の多くにカミングアウトして楽になりたいと、悶々とした時期もあったが、今はちょっと変わった。

乳がんだと知っている人からのこころない言葉に、凹んでしまうことが結構多い。限られた乳がん知識に基づく年上の方からの励まし?の言葉にきついものが多い。目がてん、返す言葉がみつからないことがある。

一方、相手が乳がんのことを知らない場合は、何を言われても、まあ仕方ないと思えるので、あまり凹まない。

弱気になった時、こころ優しい人には、際限なく頼ってしまう恐れを感じている。うまく表現できないのだが、頼る気持ちが大きくなると、自分自身を失ってしまいそうな気がする。自己防衛本能からか、人と少し距離をおこうとするようになった。完全にほっておかれるのは勿論寂しい。理想的な微妙な距離を望むのは、ささやかな我儘かもしれない。

ピンクリボン活動に加わりたい思いは十分あるけれど、日常生活におけるカミングアウトを基本終了したいと考えている。ストレスレスな生活で身を守るために。






今日一日が素敵な日でありますように

PVアクセスランキング にほんブログ村